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転生とらぶる

作者:青竹
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ガンダムW
  1595話

 ハワードがデュオを呼ぶという事で、当然俺と凛、サリィの3人も整備員達と一緒にサルベージ船の中へと入っていく。
 その途中で、トールギスの最終調整をした整備員が話し掛けてくる。

「トールギスの様子はどうだ?」

 自分が最終調整をしただけに、やはり現在のトールギスの様子が気になるのだろう。
 ハワードに最終調整を任せられたという事は、目を掛けられているのは間違いないんだろうし。

「トールギスの調子か。現在は改修作業中だな」
「……は? 何でだ?」
「実際に使っていると、色々と不便な場所があるんだよ。それにトールギスでは俺の反応速度についてくる事が出来ず、関節に負担が掛かる。だからガンダニュウム合金を使って関節を強化することになったんだ」
「……どんな化け物だ、お前は」

 トールギスの性能を知っているからこそだろう。信じられないといった様子で視線を俺の方へと向けてくる。
 そんな整備員に向け、俺は笑みを浮かべて口を開く。

「トールギス単機でガンダム3機と渡り合って、ガンダム1機を倒すことが出来る凄腕のパイロットだよ」
「そう考えれば、アクセルの操縦技術にトールギスがついていけないのは納得出来るか」
「ただ、ここで改修して貰ったスーパーバーニアに関しては十分に満足してるぞ」

 あくまでもトールギスとしては、だが。
 まさかニーズヘッグ級の速度を出せとは言えないしな。

「そ、そうか。スーパーバーニアの方はいいのか」

 安堵している様子なのは、やっぱりスーパーバーニアの改修はここで行ったからこそだろう。

「他にはどんな不満があるんだ?」
「そうだな、やっぱり大きいのはバルカンの類がないってところか。牽制やミサイルの迎撃といった風に、バルカンはかなり使いやすいからな」

 関節疲労もそうだが、やっぱりバルカンの類は色々と使う上で必須の武装と言ってもいい。

「あー……なるほど」

 俺の説明に、整備員が納得したように頷く。
 実際問題、トールギスは強力なMSだが、決闘用のMSと表現されるだけあって、細かい場所に手が届いていないしな。
 ……そもそも、MSの始祖とも呼ぶべきMSなのだから、それは当然かもしれないが。
 いや、寧ろその状況にも関わらずトールギス程の性能のMSを作ったのを褒めるべきか?
 そんな風に会話をしながら歩き続け、俺達が到着したのはサルベージ船の通信装置がある部屋だった。
 ハワードがその通信システムで色々と弄っていると……

『どうしたんだよ、ハワード。こんな急に連絡してくるなんて』

 そんな声が俺にも聞こえてきた。
 映像のない音声だけのものだったが、それが誰の声なのかは考えるまでもなく明らかだ。

「ほっほっほ。急に悪いな、デュオ。じゃが、ちーっとお主に用があるという者達がやってきておるんじゃよ」
『何?』

 最初の一言とは違う、若干下がった声。
 それは、ハワードの言葉を警戒しているという事に他ならない。
 まぁ、ガンダムのパイロットというのは秘匿されるべき存在なのに、そこにこうして自分を探して誰かがやってきたとなれば、警戒するのは当然だろう。

「いいか?」

 まずはデュオの警戒を完全ではないにしろ、多少なりとも取り除く必要がある。
 そう考えた俺がハワードに尋ねると、ハワードもそれを理解しているのか、頷きを返して俺に場所を譲る。

「久しぶりだな、デュオ。俺が誰だか分かるか?」
『……アクセル、か?』
「正解だ。ニューエドワーズ基地以来だが、元気にしてたか?」
『はっ、おかげさんで、この上なく元気に過ごしていたよ。にしても、何で俺の事が分かったんだ?』

 ニューエドワーズ基地以来。
 その言葉だけで、俺がデュオをガンダムのパイロットとして認識しているというのは理解したのだろう。不思議そうな様子でそう尋ねてくる。

「さて、何でだろうな。ともあれ、現在はガンダムも殆ど活動していないようだけど、暇なら俺達のところに来ないか?」
『はぁ? 本気か?』
「ああ、勿論。実際、ガンダムの1機は俺達と行動を共にしている。それは、お前なら情報を集めてるだろ?」
『そりゃあまぁ……けど、MSがガンダムでもパイロットも以前と同じとは限らないだろ?』
「そう? ガンダム程のMSを乗りこなせるパイロットが、そうそういるとは思えないけど?」

 私に任せてと。そう視線を向けてくる凛と、場所を変わる。
 元々交渉要員として連れてきたのだから、デュオとの交渉は凛に任せた方がいいか。

『あんたは?』
「あら、私の事を忘れたの? 前にこのサルベージ船に泊まっている時、私やアクセルの部屋を覗きにきたのに?」
『なぁっ!? べ、別にあれはそんなつもりじゃ……あ、もしかしてあの時の!?』
「正解。久しぶりね」

 笑みを浮かべている凛だったが、その笑みは獰猛な肉食獣の如き笑みだ。
 ……実際、その凛の笑みを見たハワードの仲間達が、恐怖や畏怖の視線を向けているのだから、凛の笑みがどれ程の迫力を伴っているのかは明らかだろう。

「それで、デュオ。あの時の覗きの代金を払って貰えるかしら?」
『待て。待て待て待て!』

 いきなり凛の口から出て来た覗きという言葉に、通信機の向こうにいるデュオは慌てたように叫ぶ。
 それ以外にも、この部屋に元々いた者達は凛へと驚きの視線を向けていた。
 ……俺達と一緒にこの部屋に来た面々は、覗き発言にも驚いた様子は見せなかったが。

「あら、何を待つのかしら?」
『いや、だから覗きって何だよ、覗きって! 俺は別に覗いてなんかいねえだろ!?』
「そう? あの時は私達の部屋を覗こうとしてたでしょ? それも、私や綾子がアクセルと寝ているところ」

 その言葉に何を想像したのか……もとい、ナニを想像したのか、数人の男達が興奮した様子で俺と凛へと視線を向けていた。
 うん、まぁ。考えている事は分かるが、別にあの夜は本当にただ3人で普通に寝てただけだぞ?

『なぁっ! べ、別に俺は……』
「男なんだから、しっかりと自分の罪は認めた方がいいわよ? ……さて、それで罪を認めたところで」
『認めてねえから!』
「認めたところで、その償いは必要よね」
「うわ、えげつねえ……」

 部屋の中にいた男の1人が小さく呟く。
 まぁ、この交渉におけるデュオの立場は物凄く弱くなっているのは事実だ。
 覗きをした事にされ、結果として交渉のペースは完全にデュオから凛へと移っている。

『だからっ! ……あー、もう。ったく。何だって俺ってばこんな連中と関わりを持っちまったかなぁ。死神に疫病神が憑いているなんて洒落になんねえぞ』

 死神に疫病神か。そう言えば原作でも最後の戦いでガンダムを作った科学者達を見つけてそんな事を言ってたな。

「あら、それこそ自業自得でしょう? それに……アクセルに戦いを挑んで無事に済んでるんだから、幸運の女神には好かれてるんじゃない?」
『幸運の女神……ね。まさかあんたが幸運の女神だなんて言うんじゃないだろうな?』
「残念ね。私は幸運の女神ではあるかもしれないけど、その対象はあくまでもアクセルだけよ。……綾子もね。そんな訳で、私はデュオの幸運の女神にはなれないの」
『あー、そーかい。それはようござんした』
「ちなみに……私じゃなくて、普通の幸運の女神には前髪しかないって話を知ってる? だから通りすぎた後で慌てて捕まえようとしても、もう捕まえる事は出来ないらしいわよ? ……さて、デュオ。貴方はどうなのかしら?」

 ……そう言えば、本当に今更だが凛は相手を君付けではなくて呼び捨てにしてるというのは珍しいな。
 衛宮も基本的には君付けだったし……ああ、でもワカメは呼び捨てだったが。人前だと一応君付けだったけど。
 だとすれば、猫を被っている時は君付けで、そうでない時は呼び捨てなのか?
 それとも、聖杯戦争が終わってイギリスに留学している時に性格が変わったのか。
 どっちかと言えばこっちだろうな。綾子の事も、以前は美綴と呼んでたのに今は綾子だし。

『……どういう意味だよ。あんたは俺に連絡をしてきて、どうさせたいんだ?』
「単刀直入に言うわ。シャドウミラーに加わりなさい」
『はぁ? ……正気かよ、あんた』
「そこはせめて、本気かと言って欲しいところね。……で、ともかく本気よ。そもそも、冗談でも言うつもりでわざわざあんたに連絡を取ったりなんかしないわよ」

 それはまぁ、そうだろう。
 ルクセンブルク基地からここまでやってきて、更にハワードにも連絡を取って……お遊びでそんな真似をするのであれば、それこそ全くの無駄以外のなにものでもないのだから。

『それが冗談だったら最悪だし……本気だったら、もーっと最悪だぜ?』
「あら、そう? でも私達にはもうガンダムが1機加わっているのよ? そこに新しくガンダムが加わっても、そうおかしな話じゃないと思うけど?」
『へっ、ガンダムは加わってるけど、それが本当に元のパイロットかどうかは怪しいんじゃないか?』
「さっきも言ったけど、ガンダムのようなMSを動かせるパイロットが他にいると思うの? ……いえ、まぁ、アクセルは別として」

 凛の視線が一瞬俺に向けられ、そう告げる。
 乗ろうと思えば、多分乗れるんだろうから、それは正しいんだろうけど。

『いや、けどよぉ……』
「いいから、さっさとシャドウミラーに来なさい。そもそも、連合軍の宥和政策がコロニーの為になるかどうかを確認する意味でも、近くにいた方がいいでしょ? 五飛だってその為にシャドウミラーにいるんだから」
『五飛? それがあのガンダムのパイロットの名前か?』
「そうよ。……で、ここにくればデュオ以外にもあの時このサルベージ船にいたもう1人と連絡を取れるかもしれないって話だったけど、どうなの? どうせならデュオ以外のパイロットも連れてきなさいよ」
『ちょっ! 待てって! 何でもう俺がそっちの……シャドウミラーに協力する事になってるんだよ!』
「何言ってるのよ。それはもう決定事項でしょ?」
『あー……ったく、おいアクセル。そこにいるんだろ!? こいつを何とかしてくれよ!』

 悲鳴の如きデュオの声。

「そう言われてもな。俺にとってもシャドウミラーの戦力は増えた方がいいんだし。その状況だと、俺としてはデュオがシャドウミラーに入ってくれる方が助かるんだけどな。それに、出来ればヒイロだけじゃなくて他のガンダムのパイロットも引っ張ってきて欲しいのが正直なところだ」

 そう言うが、恐らくそれは難しいだろうというのは予想出来る。
 まずトロワはカモフラージュ用としてサーカスに潜伏している為、シャドウミラーに所属するとなれば、そっちをどうにかしなければならない。
 原作だとオペレーション・デイブレイクの後にOZの基地で行われた慰問で、その正体を露わにした。
 だが、この歴史ではそもそもオペレーション・デイブレイクそのものが上手くいっておらず、結果として現在のOZは慰問を呼ぶような余裕はない。
 ……こちらとしては狙い通りなのだが。
 ともあれ、そんな理由からトロワが自分の正体――ガンダムのパイロット――をサーカスの者達に知らせるとは思えず、シャドウミラーに所属させるというのは難しいだろう。
 カトルの方は、こっちもこっちで色々と難しい。
 いや、カトルだけであれば問題はないのだが、カトル親衛隊とも呼べるマグアナック隊がいるしな。
 ……正直、このW世界でマグアナックというMSはかなりの能力を持つ。
 連合でもOZでもない、中東の小国があれだけの汎用性を持つ高性能機を開発したのは、驚嘆に値する。
 多分……完全に推測でしかないが、サンドロックを開発したH教授の技術がウィナー家と繋がりのある小国に流れて、それを使ってマグアナックを開発したというのが俺の予想だ。
 本当に推測であって、何も証拠の類はないのだが。
 ともあれ、カトルを仲間に入れるということは、自然とマグアナック隊も仲間に引き込む事になる。
 ……個人的には、ある程度の数が揃っているマグアナック隊というのは、戦力的に申し分ない。
 ただし、最大の問題はマグアナック隊の全員がカトルに心酔しているという事だ。
 普段であれば何も問題はないのだろうが、もし俺とカトルの意見が対立した場合、間違いなくマグアナック隊はカトルに従う。
 そうなると、まさに獅子身中の虫どころの話ではない。

『あいつ等にか? 多分無理だと思うぞ?』

 へぇ。それでも連絡を取れないと言わないところを見ると、連絡先はどうにかして確保してあるんだろう。
 ……ホワイトスターに行き来出来るのであれば、動物好きなカトルにワイバーンとか見せてやる事も出来るんだけどな。

「とにかく、あんたはさっさとこっちに合流しなさい! いいわね!? でないと、あの黒いガンダムのパイロットは覗き魔だって情報を流してやるんだから」
『待てって!』

 凛に押されっぱなしのデュオだったが……やがて渋々ながら、シャドウミラーに合流する事を認めるのだった。
 勿論ガンダムのパイロットである以上、コロニーに対して宥和政策を行わなかったりした場合、マグアナック隊以上の獅子身中の虫になるのだろうが。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1035
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1309 
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