サトシ「25歳」〜理想と現実の先にあるもの〜
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ヒロシ:「とりあえず、今日のとこは
この辺で終わりだね」
ヒカリ:「そうみたいねっ。、、あっ、
みんなゴミ散らかして〜、、もぉっ」
ササ(片づけるヒカリ)
サトシ:「古代書かー、、、」
ヒロシ:「サトシも見てみなよ。
内容は見てもわからないけど、何千年も前の
物を触れるって、滅多にない機会だと思うよ?」
スッ(古代書を渡すヒロシ)
ヒロシは片づけの手伝いをした。
サトシ:「何千年も前の本かー、、。
俺、本よりポケモンの方がいいなー」
ヒカリ:「ちょっとサトシっ、
古代書見る前に、ここ片づけてよねーっ」
サトシ:「わかってるって、、」
サトシ(どれどれっ)
ペラッ(古代書を開くサトシ)
ヒカリ:「この煎餅の食べかけ誰ー?」
ヒロシ:「多分カツラさんじゃないかな?
こっちは粉々のクッキーがあるけど」
ヒカリ:「ごめん、それあたしのだわっ」
ヒロシ:「ヒカリちゃん、、、」
片づける二人をよそに、離れたテーブルの場所で
古代書に目を通すサトシ、、、
サトシ:「本当だ、、、。
何書いてるかわかんな、、!!」
この時、サトシの頭の中で、幾つもの
とある映像が流れた。
どこの場所かわからない、
果てしなく広がる荒野、
見たことのない、鉄の塊、
ポケモンと思われる絵と、
その上に石を置いて出来た謎の陣
天に祈る長老のような人物、
群がる人々、そして、ポケモン達、、
それぞれの場面がコマ送りのように、
サトシの頭の中をはしった。
サトシ:「、、、うっ!」
サトシは頭を押さえよろめき、
その場にしゃがみ込んだ。
ヒロシ:「なんでクッキーを粉々にしたの?」
ヒカリ:「違うの!煎じて牛乳と一緒に
飲んだら美味しいって書いてたから、、
遊んでた訳じゃないからね?」
ヒロシ:「へぇー、、、って、サトシーっ。
いつまで古代書読んでるん、、あれ?」
ヒカリ:「サトシ?」
二人はしゃがみ込むサトシに気づいた。
ヒロシ:「そんなとこで何してるんだ?」
ヒロシが呼びかけると、、、
サトシ:「、、、光を望みし者、、」
ヒカリ:「え?、、いま、あたしの事呼んだ?」
2人はサトシのもとへ駆け寄った。
サトシ:「、、、」
ヒロシ:「どうしたんだよサトシっ」
ヒカリ:「もしかして、具合でも悪いの?」
サトシ:「、、、」
ヒロシ:「おいサトシっ、大丈夫か?」
スッ(ヒロシの手)
ヒロシがサトシの肩に手をのせると、、、
サトシ:「、、、聖なる力をその宝玉に宿し、
尊は時を目覚めん」(小声)
ヒロシ:「えっ、、」
ヒカリ:「、、、サトシ?」
サトシ:「、、、はっ」
ぼやくように何かを呟いた後、
サトシは我に返った。
サトシ:「あれ?、、2人ともいつの間に、、」
ヒロシ:「サトシ、今なんて言ったんだ?」
サトシ:「えっ?、、俺、何か言ったか?」
ヒロシ:「何かって、、覚えてないのか?」
サトシ:「あぁ。なんか、古代書を
見たら急にぼーっとして、、、」
ヒカリ:「ちょっと大丈夫なの!?」
サトシ:「あ、あぁ、、、いてっ」(頭)
ヒロシ:「どうした?」
サトシ:「なんか急に頭痛がしてきた、、」
ヒカリ:「休んだ方いいんじゃない?」
ヒロシ:「そうだね。ちょっと休んだ方が
いいかも知れない」
サトシ:「そっか、、、ごめんっ。
俺、部屋に戻るっ」
サトシは頭を押さえ部屋に戻った。
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