ラヴ=ソング
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第二章
「恋愛は」
「そうかもね」
「自分から相手を探すとかね」
「合コンとかに参加して」
「そうしてね」
「そうよね、まあ何ていうか」
ここでこんなことも言った私だった。
「あれよ」
「あれ?」
「あれっていうと?」
「いや、悪い人と会うことはね」
それはだった。
「気をつけないとね」
「まあそれはね」
「言うまでもないわね」
「そうよね、やっぱり好きになるのなら」
それこそだ、恋愛の経験がなくてもこのことはわかっているつもりだ。
「いい人を、よね」
「世の中悪い奴なんて一杯いるしね」
「悪い男がね」
「浮気だの酒癖悪いだのギャンブルだの暴力だのね」
「こういう関係は気をつけてね」
「わかったわ」
わかっているとは答えなかった、自分で経験がないことがわかっているからだ。
「そうした相手にはね」
「そうよ、男の人もじっくり見ることよ」
「屑男は近寄っても駄目よ」
「向こうから近寄ったら避ける」
「そうしてね」
「そうするわね」
実際にとだ、私は友達に答えた。するとその私に友達は実際にそれぞれこう言ってきた。
「じゃあ今度私達のバスケ部でコンパやるけれど」
「柔道部の子達が参加したいっていうからね」
「柔道部の子達と合コンにするから」
「あんたも出て相手探してみたら?」
「柔道ね」
柔道と聞いてだ、私はこう言った。
「何ていうか」
「むさ苦しい?」
「爽やかじゃない?」
「そうしたイメージはね」
どうしてもと答えた。
「あるわね」
「まあそうだけれどね」
「柔道部はもてる方じゃないわね」
「格好いいっていうよりむさ苦しい」
「そんな感じは確かにあるわね」
「ええ、けれどよね」
ここからは私もはっきり認識したので言えた。
「男の人も外見じゃない」
「そうよ、男の人も顔じゃないわよ」
「顔がよくても悪い奴いるから」
「勿論その逆もいるけれどね」
「顔も悪ければって人が」
人は顔ではないというのは美男子である場合にだけ言えることではない、その逆もまた然りであるのだ。
「いるからね」
「顔も悪くて性格も醜い」
「そうした奴もいるからね」
「本当に顔では選ばないでね」
「そうよね、目とか人相を見ろっていうけれど」
顔立ちではなくだ。
「そうしてみてね」
「そう、今度の合コンに参加したらね」
「そういうのを見て選んでね」
「具体的にどんな相手がいいか」
「いいっていう人がいれば交際してみるのもいいわ」
「そうするわね」
本当に人は顔ではないとだ、私は食堂でそのハッピーエンドの曲を聴きながら合コンに行くことを決めた。そして。
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