詩集「棘」
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冬の幻 春への憧憬(オモイ)
降り続く雪…
世界を霞ませ覆い尽くす
それでいて今もなお…
君を忘れることが出来なくて
ただ溜め息をついて思う
深い忘却の淵に立てたなら
僕は進んで身を投げる…
冬の幻 春への憧憬(オモイ)
たとえ今が闇に呑まれても
明けない夜がないように
いつか空は晴れ渡る…
だからもう少しだけ…
君を…想わせて…
声もなく叫ぶ…
恋しい名前を繰り返し
届かぬ想いの先…
漆黒の夜を一人彷徨うよ
掴んだ希望は手から零れて
真冬の凍える風に攫われる
なのに何故…待ち続けるの?
冬の幻 春への憧憬(オモイ)
朽ちる結晶(イノチ)静かに見送る
月日は確かに過ぎ行き
そして記憶さえも色褪せる…
けれどこの想いは…
消えず…流れてく…
冬の幻 春への憧憬(オモイ)
気付かなければ苦しまなかった
冷たい時の片隅で
今はひっそり春を待つ…
冬の幻 春への憧憬(オモイ)
たとえ過ぎ去る影となっても
思い出の欠片となって
きっと空へと昇華する…
冬の幻 春への憧憬(オモイ)
たとえ今が闇に呑まれても
明けない夜がないように
いつか空は晴れ渡る…
だからもう少しだけ…
君を…想わせて…
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