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オズのビリーナ

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第十一幕その十

「これからね」
「そうするのね」
「ええ、そうよ」 
 まさにというのです。
「これからね」
「そのことも楽しみなのね」
「凄くね」
 ただ楽しみであるだけでなく、というのです。
「そのこともね」
「お花を増やしていくことも」
「だってお花は増えていくものでしょ」
「それはね」
 ナターシャもそうだと答えます。
「種からね」
「だからよ、これだけ持って行ってね」
 二十粒程をです。
「後は増やすわよ」
「ビリーナってお花を咲かせることも得意なんだよ」
 ここでキャプテンもお話します。
「凄くね」
「あっ、そうなんですか」
「種を食べるだけじゃなくて」
「芽を出させてですか」
「咲かせることもですか」
「得意なんですか」
「そうなんですね」
「そう、これがね」
 実はというのです、五人の子供達にもお話します。
「だから二十粒あればね」
「後は、ですか」
「咲かせるんですね」
「それでその種もですか」
「目を出させて」
「そしてお花を咲かせるんですね」
「そうするからね」
 だからというのです。
「これだけあれば充分だよ」
「ではこれからね」 
 また言ってきたビリーナでした。
「帰りましょう」
「帰り道も何かあるかも知れないけれど」
「そっちも楽しんでいくわよ」
 ガラスの猫とトロットも言います。
「オズの国は山も谷もあるけれど」
「それも動く山や谷だけれどね」
「乗り越えていくわよ」
「楽しくね」
「それじゃあ行きましょう、元来た道を戻ってね」
 そうしてというのです。
「それで帰りましょう」
「帰り道も任せてね」
 ビリーナはそちらもと言うのでした。
「私はそっちもちゃんと頭に入っているから」
「ビリーナって本当に頭がいいわね」
 恵梨香はビリーナの自信に満ちた言葉に感心した様に言いました。
「頭が切れて記憶力もあって」
「その頭が私の武器の一つだからね」
「度胸と」
「そうよ、決断力もね」 
 この三つがというのです。
「私の武器だからね」
「そっちにも自信があるわよ」
「記憶力にも」
「オズの国で一番の頭脳はかかしさんにあるけれど」 
 それでもというのです。
「私はその次位にいいから」
「それで自信があるの」
「そうよ、じゃあその私の頭を頼りにしなさいね」
「わかったわ、じゃあ案内もお願いね」
「種はどうして収めるの?」
 このことをです、トロットはビリーナに尋ねました。
「それで」
「ええ、羽根の中にね」
「入れたのね」
「そう、だからね」
 それでというのです。 
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