世界をめぐる、銀白の翼
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第一章 WORLD LINK ~Grand Prologue~
なのはStrikerS ~復活の翼人~
「なのは」
「舜君・・・・」
「ほんとごめ」
「えいっっ!!」
「グはぁッ!!」
名前を呼びあった二人だが、蒔風が謝ろうとすると顔面にレイジングハートが叩き込まれた。
先端の宝石がバキ!!バキ!!と一撃ずつ、しっかりとなのはによって叩き込まれていく。
「絶対許さないから!!」
「だ、だからごめ」
「謝らないで!!」
「なのは・・・・」
「じゃあ」
バチィンッッッ!!!
「カォ・・・・・・」
力の入った、良いビンタだった。
首から上が吹っ飛んだかと思えるような一撃に、蒔風が揺らぐ。
「全部は許さないけど、今はこれでいいや」
「わ、解りました・・・・」
「次模擬戦の時みたいなことやったら、今度はホントに許さないから」
「な、なんなのよあいつ!?」
「私のイノーメスカノンを拳で!?」
一方、ビルの上の射手二人、クアットロとディエチが驚愕の声を上げる。
確かに、彼のことはリニアやホテルでの事件で報告を受けてはいた。
しかし、普通ここまでとは思うまい。
ランクS相当の砲撃を、拳の一撃で破壊してしまうなど!!
そうして二人が蒔風に気を取られていると、ついに背後にフェイトがやってきて、罪状を言い、逮捕する、と宣告した。
「は、速い・・・・」
「ボーッとしない!逃げるわよディエチちゃん!!」
クアットロとディエチがその場から離脱、逃走を計る。
クアットロが空を飛び、ディエチは飛行能力がないのかビルの屋上をジャンプで跳んでいく。
「あいつら、逃げるつもりだな」
「み、見えるの!?」
逃げる二人と、それを追うフェイト。
かなり遠くであるその光景を、肉眼で視認する蒔風。
なのはも当然見えているが、あくまでもレイジングハートを介してだ。
「見えます見えます!なのは、回り込め。挟み込む!はやて!聞こえてるか?でかいの一発、用意しとけ!!」
『いきなりやって来てよう言えたもんやなぁ!?』
はやてが蒔風に愚痴をいいな放ちながらも詠唱を始め、杖に魔力が充填されていく。
「さて、追っつくぜ!!加速開翼(ブーストオン)!!」
蒔風の翼が羽ばたくソレから戦闘機の様に鋭利な形に変わり、超加速行動に入る。
なのはには蒔風が消えた様に見え、少し驚いたがすぐに蒔風の指示通りに回り込んでいった。
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「待ちなさい!」
「待てと言われて待つ子はいませんよ~~~~」
「しかしクアットロ。このままでは追いつかれるぞ」
逃げる二人と追うフェイト。
その距離は確実に近づいていっている。
捕まるのは時間の問題だ。
しかし、まだ手段があるのか、クアットロがディエチをキャッチし、二人一緒に飛びはじめる。
フェイトはその行為に疑問を感じた。
一人は飛行能力などないのだ。あれでは速度が落ち、捕まえてくれと言うもの。
さらには
「鬼さん・・・・・・こちらぁ!うははははははは・・・・・ヌハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!」
蒔風が眼前に現れる。
完全に詰みだ。
と、思われた次の瞬間、二人が一緒に飛んだ理由が明らかになる。
「IS発動。シルバーカーテン!」
クアットロが自らの能力を起動させる。
すると二人の身体が虚空に消えゆき、その姿を見失いそうになる。
だが
「遅い!!心象的(イマジナリティ)・・・・・」
蒔風が指を突き出し、パチン!と派手に撃ち鳴らした。
「世界破壊(ワールドエンド)!!!!」
瞬間、世界が無法則に塗り潰され、消えかかっていた二人の姿が再び現れた。
「な!?」
「これは・・・・なんだ!?」
あまりの事態に困惑する二人。
だが蒔風は高らかに笑っている。
「フハ、フハハ、ヌハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!無駄よ!無駄無駄ァ!!幻術使いよ!!今の私は、最高にハイってやつだからなぁ!!」
蒔風さん、悪役みたいです。
その蒔風が人差し指を下に向ける。
すると突如として出現した岩のリングに二人が束縛される。
「嘘ッ!?」
「な、なんだこの魔法は!?」
「魔法じゃない。魔術だ!!ま、何が違うのかオレもわかんないけど」
わかんないのかよ!!!
そう思った二人だが、状況は依然としてまずい。
今日の任務はレリックの回収と少女の奪還。
にもかかわらずなにも成し遂げられないで、更には管理局に捕まるなんてことは絶対に許されない。
リングの中でもがき始める二人。
それを見て蒔風が顔を青くする。
「おいおい!!待って!!その行動はマズイってっておォウぁああああああああ!!!」
一体何がトリガーだったのか、蒔風の服の下からなぜが野菜がゴロゴロと出てきて、その中のいくつかがつぶれた。
ぐちゃぐちゃになった蒔風の服の下。
首元からムワッ、と野菜の匂いがむせ出してきて、その中のある匂いに蒔風が悶絶した。
「ヌフォ!?と、トマッ!!!トマトはダメっ!?誰だドリアン入れたノオオオオオオオ!?」
じたばたと暴れ始める蒔風を見て、クアットロとディエチが思った。
逃げられるかも知んない。
だがまあ実際にそんなことはないのだが。
時間が経ち、固有結界が切れて元の空間に戻ってくる。
そこで待ち受けるは機動六課の隊長二人。
桜と金の色をした魔力砲撃が、空中で身動きの取れない二人に放たれる!!!!
「ディバインバスター!!!!」
「トライデントスマッシャー!!!!」
二人の放つ砲撃。
確実に命中する。
この距離で、このタイミング。
更に二人は捕まっている。
ドォン!!!!!
砲撃がぶつかり合って、空中で爆発を起こす。
ロングアーチスタッフが歓喜の声を上げるが、撃った本人たちは苦い顔をする。
「ダメ!!」
「ギリギリでかわされた!!!」
「超加速行動を可能としている仲間がいるな。何体いるんだよまったく・・・・・はやて!!!準備はいいか!!!」
「いつでもどーぞ!!!ってか舜君、野菜臭いで?しかもドリアンもあるやないけ!!!」
いつの間にか翼を閉まった蒔風が、頭上のはやてに指示を出す。
それにはやてはいらん事を突っ込みながら、詠唱完了した空間魔法を、その指示通りの位置に叩きこむ。
「3時の方向、距離650メートル!!!!ぶち落とせ!!!!」
「遠き地にて、闇に沈め・・・デアボリック・エミッション!!!!!」
黒い球体が蒔風の言う通りの位置に向かい、そこで一気に膨れ上がる。
その場にいる二人とその二人を助け出したもう一人の女性が、今日何度目かわからない驚きの声を上げる。
「なんでわかるんだ!?この動きについてくる人間など、報告には無かったぞ!!!」
「トーレ姉様!!あのお方に関して、それを考えるのはもう無駄ですぅ!!!」
「うわあああああああああああああ!!!!????」
それでも結果として、彼女たちはその攻撃から逃げきった。
トーレと呼ばれた女性の能力「ライドインパルス」による超高速移動でその場から離脱、何とか空間攻撃から逃れたのだ。
しかし
「速いねぇ。だがまだまだ」
再び逃げた先に蒔風がいなければ、更によかったのだが。
「さぁて・・・・おにーさんとのお話しタァイム!!キミタチどこの何者?レリック狙う辺り、スカリエッティとかいう人のお仲間ですか~?」
ノリノリで聞いてくる蒔風に、どうにか逃げ道を探そうと目だけを動かして周囲を探る三人だが、目の前の男からどうにも逃がさないというオーラを感じる。
だが、ついにディエチが突破口を発見する。
三人が念話で打ち合わせ、クアットロが蒔風に話しかけた。
「私どうにもわからないんですけどぉ、あなたって一体何者なんですか?ここまでやる人だとは思えなかったんですけど~~」
「おおメガネちゃん。そうだねぇ、俺は蒔風舜だ。そして、ただそれだけの男さ。にしても・・・・・」
蒔風がクアットロ以下三人の首元を見て、指を指しながら名前を呼んだ。
「3、4、10でトーレ、クアットロ、ディエチ・・・・・イタリア語!?ここミッドなのに!?」
蒔風がツッコんではいけない事をツッコんだ。
当の本人たちもよくわかっていないようである。
だがまあ、と蒔風が先を言う。
「それなら一体何人までいるんだ?教えてくれないかなぁ・・・・って逃げんなそこォ!!!」
蒔風のその手から圧水砲が放たれる。
狙ったのはトーレだ。
彼女はビルの屋上に跳躍し、その屋上にあった何かを取ろうとしていた。
砲撃は彼女を捉え、ビルの壁に叩きつけられて地面に落ちる。
しかし、その衝撃でビルの上にあった物が落ち、それをディエチがキャッチした。
「IS発動!!!」
落ちてきたのは逃亡の際捨ててきた彼女の狙撃砲「イノーメスカノン」
それをキャッチし、瞬時にエネルギーを充填、蒔風にその砲口を向ける。
だが距離が離れている。
これなら蒔風は再び拳の一撃で葬るだろう。
本当にこの距離ならば。
蒔風が拳を振りかぶり、その砲撃に対応しようとした瞬間、ディエチの姿がぶれる。
と、同時、蒔風の胸元から数㎝もしない位置に、ディエチと、イノーメスカノンの砲口が現れた。
「ッ!?幻術・・・・・・」
「わたしのIS「シルバーカーテン」。調子乗った人が驚く顔って、本当にいいわね~~」
「同感だがっ!!!」
ドォン!!!!!!
ディエチが砲撃を放ち、大きな爆発が起こる。
爆煙が高々と上がり、もうもうと空に上がっていった。
その隙に三人はシルバーカーテンを使って一時撤退、その後回復したトーレによるライドインパルスで帰還した。
一方蒔風の方はと言うと
「ブハァ!!!!イッタぁなぁ、もう・・・・」
力を借り、十二の試練(ゴッドハンド)をその身に宿した蒔風が爆炎の中から出てくる。
ゲホゲホとせき込みながらも、周囲を見渡すが、すでにそこに三人はいなかった。
「チ、逃げられたか」
「舜君!!!!」
「舜!!」
「舜君!!大丈夫!?」
三人が爆発を見て蒔風の元へと飛んできた。
そして、言葉をそろえて
蒔風の頭を殴った。
「「「遅い!!!!」」」
パカン!と三人にはたかれ、蒔風の頭がガクンと下がる。
「わりぃ。迷惑掛けた」
「ホンマやで?」
「申請却下してたの舜だったんだね・・・・」
「舜君・・・ありがとうね!!」
三人が礼を言う。
だが、蒔風がやめとけぇ、と言ってそれを拒否する。
「オレは俺のやりたいようにやっただけだ。そう、最初から、最後まで、それを貫くさ」
蒔風が空を見上げる。
思い出すのはいつか言われた言葉。
『貴様はいずれ・・・仲間を失いかけた時に・・・・泣き、叫び、自らの信念が・・・揺らぐだろう・・・』
そう、確かに言われた言葉だ。
蒔風はそれに対し、また見つけて立て直す、と言った。
しかし、立て直す必要など、最初からなかった。
彼のそれは、気付かなかっただけで、はじめからあったのだから。
「今青龍がフォワードの方で交戦している。あっちに期待しましょうか」
そうして蒔風が向かい、三人も一緒に向かう。
最も頼もしい、彼と共に。
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時間は少し戻って廃棄されたハイウェイの上
そこでフォワードたちは不安をその顔に表していて、ヴィータは召喚師の少女に掴みかかっていた。
いきなりヘリが狙われると言われ、更にはまた守れないなどと言われてしまっては無理もない。
そうして皆の意識がその少女一人に集中したその瞬間
「え?うわ!?あ・・・ケ、ケースが!!!」
エリオの目の前に足元から突如として現れた人影が、エリオが持っていたケースを奪って再び地面に潜って行ってしまったのだ。
「なっ!?あ、てめ!!」
更にさっきの人影・・・歳はスバルやティアナと同じくらいだろうか、それくらいの少女が再び地面から現れ、少女を掴んでその場から潜って消えた。
「そ、そんな!!」
「何あの能力!?」
逃げた二人は高架下に着地し、そこから更に地面に潜って逃走しようとする。
「間に合ってよかったですね!ルーテシアお嬢様!」
「ありがとうセイン・・・でも、アギトが・・・・」
「アギトさんならあの隙に逃げましたよ。いやぁ、やりますねぇ・・・・」
そんなことをいいながら逃げられるな、と思った二人。
だが、こちらでもそんなことはなかった。
「・・・・逃がぁ・・・・・・・さんんんんんんんん!!!!!!!!!!」
ドゴォ!!!!!
いきなり頭上のハイウェイが崩壊し、瓦礫が雨のように降ってきた。
打ち砕いたのは青龍だ。
獣神体でではなく、人神体で。
エリオたちの真上から落下するように突撃してきた青龍が、驚くフォワードやヴィータ、リィン達を尻目にハイウェイを砕いてその下に逃げたセイン達を追ってきたのだ。
いきなりのそれに驚く二人が、更に地面に潜って逃げようとする。
だが、今この男は使命に燃えている。
もしかしたら一番燃えに燃え上がっているかもしれない。
そんな彼が、地面に潜ったくらいで逃がしてくれるはずなどなかった。
「ヌ・・・ウン!!!!」
高架下の地面に拳を突き立てる青龍。
そしてそこから一気に獣神体となり、巨大な龍の姿へと変わる。
そうなれば当然、地面が砕け、瓦解する。
そしてその中に潜っていたセインとルーテシアの姿もあらわになった。
「うええええええ!?なんだそれぇ!?」
『・・・・今の私は・・・・止められんぞッ!!!!』
そこから再び人神体に戻り、セインとルーテシアを捕まえようと手を伸ばす。
しかし
「ルールーに手ぇ出すなぁ!!!!」
ドォン!!!!!
巨大な炎の塊が、青龍を襲い、その手はついに届かなかった。
ルーテシアの目の前に現れたのは先ほど捕まっていた小さいなりの融合機、アギトだ。
おそらく離れていたのだろうが、ルーテシアの危機に戻って来たのだ。
「ルールー!!はやく逃げろ!!」
「でも・・・・アギトが・・・・」
「あたしはあとから一人でも転移できる!!!だから先に行けって!!!」
「お嬢様、ここはアギトさんの言う通りにしましょう!!!」
「・・・・うん・・・・・」
そう言って二人が地面に潜って離脱する。
崩れたハイウェイ上では、フォワードたちとリィンが呆気にとられていた。
なにせいきなり上から誰か降りて来たと思ったら足場を崩してそのまま追っかけて行ってしまうのだから。
「あ、あの人、炎の中に!!!」
「ヴィータ副隊長!!助けに行きましょう!!!」
今すぐにでもそこから飛び降りようとするスバルやエリオ。
しかし、それをヴィータが止めた。
「やめとけ。巻き添え食らうぞ」
その言葉に、キャロがヴィータにあれ?と聞いた。
「ヴィータ副隊長、あの人、知ってるんですか?」
その質問に、にやりと笑って炎の中を見るヴィータ。
なんだかその顔は楽しそうだ。
「知ってるも何もねー。あいつは・・・・舜の使い魔だからな」
「え?」
「あ、そういえば!!一回食堂で見た事ある気が・・・・」
「じゃあ・・・・舜さんが!!!!」
その言葉にコクリとうなづいて、ヴィータがアイゼンを担ぐ。
「帰ってきたんだ・・・・・あのヤロー、心配させやがって」
ヴィータが安心の籠もった声を出した。
彼がいるなら、きっとヘリだって無事だろう、と。
そして高架下、炎の中。
その中から、一切の怪我を負ってない青龍がゆっくりと出てきた。
それにアギトが驚愕する。
自分は融合機だから、確かに単体での戦闘はそこまで強くはない。
マスターとユニゾンして、初めてその性能をフルで使えるのだ。
しかしそれでも古代ベルカの融合機としてかなりの戦闘力はあると思っていたし、事実、それなりの実力は持っている。
炎熱を最も得意とする彼女が、その攻撃で、対象に火傷どころか煤一つすらつけられないとはどういうことなのか。
「て、てめえ、なんで焼けねぇんだよ!!??」
アギトがわけわからんと青龍に訊く。
それに対する青龍の返答は、全く彼らしくなかった。
「・・・・そんなこと・・・・私が知るか!!!」
「「「「「知らんのかいッッ!!!!」」」」」
アギトだけでなくフォワードたちも思わずツッコムその台詞。
自分でも理屈がわからないってどういう事なんだろう?
「・・・・ですが・・・・一つだけ確かな事がある・・・・」
「な、なんだよ」
青龍がアギトに向かって言う。
それがちゃんとした理由かどうかは、また別物だが。
「・・・・今私は・・・・主の命に燃えている・・・・つまり!!私の方が、この炎よりも熱いという事だ!!!!」
「そ、そんなんでか!?」
「先ほどの二人は逃がしたが、あなただけでも捕まえよう!!!!」
青龍さん、あなたキャラ違います。絶対に違います。
あなたは言葉の頭に必ず「・・・・」付ける人でしょ?
「主から預かりし、雷旺の力で・・・・・消し炭にしてくれるわぁ!!!!!」
「「「「「「それはダメだろーーーーーー!!!???」」」」」」
今、青龍が、壊れた!!!!!
「雷・・・・・旺・・・・・」
「やっべぇ!?」
アギトがマジで焦り出す。
目の前で溜まっていくあまりの電気量に、本気ビビりしかできないのだ。
その電気量がどれほどのものかと言うと、学園都市レベル5の第三位のマックス×2.5ぐらいある。
「砲!!!!!!!!!!」
ドゴォウ!!!!!
そのすべてがアギト一体に向き、ぶっ放される。
この人もう完全に使命忘れてるよ。
だがアギトの足元に紫の魔法陣が現れ、瞬時にして彼女を転移させる。
雷旺砲が廃墟の都市部を蹂躙し、跡形もなく吹き飛ばした。
「ふぅ・・・・」
そうため息をついてスッキリした青龍。
そして
「・・・・捕まえる・・・・任務でした・・・・」
そう言って落ち込んだ。
その数分後に蒔風たちも到着する。
青龍が蒔風に謝り、まぁ仕方ないよと言われ、剣に戻って蒔風の脇元に収まって消える。
そして、蒔風が真っ直ぐにエリオの方を見て、その手を取ってから言った。
「ありがとう。君のおかげで、戻ってこれた。銀白の翼人は蒔風舜を見い出せた。俺がこの世界に来てやることは、目の前の、誰かの世界を守る事。目を背けてはいけなかったんだ。君の言葉で、戻ってこれた。だから・・・・ありがとう」
その言葉にエリオが顔を赤くしてそんなに言わないでくださいと委縮してしまう。
そうして、彼は帰ってきた。
銀白の翼人、願いの翼、「奴」を討つ者
確かにそれらは彼のあるべき姿だろう。
だが、彼がそうなれたのは、何より土台に「自分」がいたから。
その「自分」の意思を殺して、翼人も何もなかったのだ。
そうして復活した信念と共に、この物語も新たな進展を迎えた。
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これは素晴らしい!!!!
この姿、この翼!!!!
伝説のアルハザードにおいて、さらに伝説と言われた「翼人」そのものではないか!!!!
十年前に現れたという噂ばかりだったから、あまり信じてはなかったが・・・・・
これはいい・・・・なによりも研究対象になる!!!!
それから「彼」だ。
世界の仕組みをよく理解している。
彼の考えもまた、素晴らしい!!!!
やはり人生はこうでなければ!!!!
ははっ!!とてもやりがいのある人生だよ!!!!
さあ、彼女(マテリアル)もついに出てきた事だし、ここからが本格的な実験だよ・・・・・
to be continued
後書き
わからない方もいると思うので説明をしておきます。
アリス
「蒔風が借りた力「十二の試練」は「Fate/stay night」のバーサーカーのものです」
確か命が十二個あるってものでしたね。
アリス
「次回、少女との邂逅」
ではまた次回
あれ?出てこないや
出そうとするとまだ出番の早い台詞だ・・・
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