ガンダムビルドファイターズボーイ
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第十四話 プラモシュミレーションシステム
ある日のプラモ狂四郎バトルフィールド内にて
「うぎゃああああああああ!!」
思いっきり吹っ飛ばされる武瑠の姿が・・・
第十四話 プラモシュミレーションシステム
本日プラモ狂四郎には新之助とユアの二人だけであった。翼と香澄はトオルに誘われサエグサ模型店で行なわれているレアなパーツ争奪戦を見に行ったのである。
新之助は特にパーツに興味が無かった為残ってある事に備え特訓をしていたのだ。
それは・・・
「じゃあ新ちゃん次はこれだよ~」
スカーレッドフェアリーではなくガンダムXを駆りサテライトキャノンを構えるユア。
その特訓内容とは・・・
「ガードの強化!!」
であった。
この間の出来事でガンダムボーイVSキャピトラチーム(数合わせでユア加入)で試合を行ったのだが・・・
山脈地帯のフィールドにて・・・
何時ものように一対一の状況に持ち込むと新之助の相手は畢の駆るキャプテンガンダムだった。
凄まじいエネルギーを纏った拳が武瑠に襲い掛かるがいつものように何でも防ぐ盾で受け止めるが・・・
「どりゃあああああああああああああ!!!」
「えええええ!!」
畢の鉄拳を受けきれず盾もろとも吹っ飛ばされて山にめり込んでしまい一発KOされた武瑠。
武瑠はボロボロだが盾には傷一つ付いていなかった。
だが
「防げなかった・・・なんちゅう破壊力のパンチだ・・・」
その後新之助は思う所があり現在に至るのである。
ユアに頼み込み相手の攻撃を受け止める特訓をしているのだが、それにはまず要である盾がどれだけの硬度を持つか知る必要があり、破壊力がある武器で試しているのだ。
「んじゃ新ちゃん撃つよ~」
「おっし!」
ゆる~い感じにサテライトキャノンを放つユアだが新之助は真剣に受け止める。
凄まじい圧力に押される武瑠だがその攻撃を受け止め凌いだ。
するとユアは
「じゃあ最後はこれで閉めようか!」
といってフィールドを操作し宇宙空間にすると目の前に現れるコロニーレーザー・・・
「ユアさん!?流石にそれは」
「男は度胸!!」
そう言って放たれるコロニーレーザーを受け止める武瑠。
そして
「・・・受けきった」
仰天しながらコロニーレーザーを防ぎ切った武瑠は盾の硬度をある程度知ると休憩に入った。
『ほら』
「サンキュウ」
集中し過ぎて汗をかいた新之助にタオルを持って来る武瑠。すると新之助にスポーツドリンクを持って来たユアが聞いてみた。
「新ちゃんそんなにあれなら武瑠をパワーアップさせちゃえばいいんじゃない?」
「いや・・・それはしばらくは無いと思うよ・・・」
「何で?機体強くした方が良いんじゃないの?」
「ウチの作者ってロボット物に対して偏屈な価値観の人だから」
「どんな?」
「いやさ使う人によりけりって思ってる人だから・・・例えば強化服とかって使う人の力を増強させているだけだから使う人が強くないとイマイチだったりするじゃん・・・ロボットも同じで使う人の強さによりけりって思うから・・・ガンダムの歴史も教えてくれてるしアムロ以外が乗るとイマイチだったりジュドーの女装回の時、旧型同士で無双したし・・・キリがないからこれで最後にするけどトロワなんてエンドレスワルツであの空中演舞披露して乱れ射ちして中の人間生きてるし」
「確かに・・・けど作風によりけりな部分もあるよね~未熟者だから性能に頼ってだんだん強くなっていくパターンもあるよね~」
「パワーアップ自体もキーイベントだし成長を象徴するものだったり・・・それに・・・やり過ぎるとありがたみが無いじゃん」
「うわ~それ盛大に言える」
等と盛り上がっていると武瑠が・・・
『そういえば畢とランだが妙に闘い慣れしていたな・・・』
「ああそういえば」
畢とランとのバトルをした時二人から歴戦の勇士のような風格を感じ取った新之助・・・それは現役の武者頑駄無の武瑠もそうだった。
普段からはとても想像できない光景である。
因みに普段
翼達がキャピトラに遊びに行った時
「殺してやるううううう!!」
翼達が入って来て早々まな板と鍋蓋でガードしているランに麺棒で襲い掛かる畢。
「畢姉!いったい何があった!!?」
「ガルルルルルルル!よくも皆でおやつに食べようと思っていたクッキーを全部食べてくれたな」
「悪かったって!あまりにも美味くてつい~」
「ガルルルルル!!お菓子のお姉ちゃんが作ってくれたから当たり前なのだ」
「なに!?ミツキさんが作ってくれたクッキー!?おのれ!!」
それを聞いた瞬間手裏剣構える香澄。
・・・話を戻し・・・
「四郎さ~~ん遊びに来ました~」
プラモ狂四郎に来客が・・・能天気そうな女性である。
「お?楓さんどうしたの?」
「四郎さん!ジャン!」
楓と呼ばれた女性がカウンターに座っていた狂四郎に見せたのは1/144モデルに大きさを合わせたバルキリーであった。
「おお~変形完全に再現してる~とてもフルスクラッチとは思えない」
「じゃあ四郎さん奥で遊ばせてね~四郎さんのとこじゃないとこれで遊べないし」
「どうぞ~俺も久しぶりにそっちで遊ぼうかな」
バルキリーの出来に感心する狂四郎。楓はいそいそ奥の部屋に入っていくと新之助が・・・
「あれ?あんな所に何かあったっけ?」
「行ってみようか」
といって新之助とユアが狂四郎に着いていくとカプセルとヘッドギア・・・そしてモニターが・・・
「四郎さん・・・これって?」
「ああこれ?俺達が使ってきたプラモシュミレーションシステムだ・・・言うなれば俺達の時のバトルフィールドだ。やってみるか?」
そう言って武瑠をカプセルにセットしヘッドギアを装着すると席についた。
隣には楓が手を振っている。どうやら楓とのバトルになるようだ。
そして機械が作動すると衝撃が走り新之助の意識が飛んだ。
「・・・・・ん?」
新之助が目を覚ますと何処かの島であった。辺りを散策してみるが海しかない。が・・・海に映った自分の姿に驚いていた。
『武瑠になってる』
結界コントローラーを使っていないのに変身していることに驚く新之助・・・すると音声が・・・
『驚いたか!?新之助!』
『四郎さん?』
『簡単に言えば体感ゲームみたいなもんだ!来たぞ!』
そうこうしている内に楓の乗ったバルキリーが来た為戦闘態勢に入る新之助。
・・・だが
開始から2分足らずでKOされた新之助。内容もひどかった・・・バルキリーと空中戦に入るのだが変形を駆使し変幻自在の飛行を披露する楓に着いていけずそのまま敗れてしまった。
「いつもと違うからしょうがないよ~」
慰めるユアだが新之助は・・・
「・・・俺が武瑠の事を知らない・・・武瑠のスペックに着いていけない」
そう言って新之助は外へ出て行った。
それを見たユアは・・・
「なんだか思わぬ方向に進みそう・・・知力で勝負の新ちゃんは戦略を練るあまり消極的になる事がある・・・けどチーム戦には冷静な人が必要だし新ちゃんなら応用力あるからパニくることは無いだろうし・・・チームリーダーが味方の士気をあげて引っ張っていくタイプなら新ちゃんのように頭脳労働が必要だし・・・あの二人新ちゃんのいう事は聞くし」
いい加減に教えているようでチームの事をしっかり見ているユア。
すると楓も話に加わった。
「そういえば・・・新君って私の知っている人に似てるね・・・」
「へぇ・・・どんな人」
「あるオヘソが360度曲がって正位置にある人なんだけど・・・周りの人が超人ばかりなのに対して自分は普通の人間で・・・自分には天性の才能みたいなものはなかった・・・だから自分の身体を超人にするべく修練に修練を重ねてそれに近づけた・・・いろんな訓練したから組み合わせて応用が出来るし」
チームの要は新之助というのが二人の分析だった。
一方新之助はというと人里離れた場所まで行き武瑠に変身していたのだ。
『新之助・・・どういうつもりだ?』
「これが一番いい・・・俺自身が体感する事が・・・俺には翼のようなSD魂の爆発力も・・・香澄のような野性も無い・・・自分自身で積み重ねたことをやるしかない・・・だから俺自身が飛べるようになるしかないんだ!」
龍の翼を広げ空へ舞いあがり雲の上に出る新之助。それを見ていた武瑠は・・・
(凄まじい意志の力を感じる・・・どうやら私は彼を見誤っていた・・・この意志の強さが新之助の強さか?)
急上昇する新之助はそのまま旋回しようとするが上手くいかない・・・しかも
「凄い風だ!!逆らえない!!くううう!!!」
空中の気流に飲まれ思うように飛べない新之助は大いなる風の力を体感し・・・
そして・・・
「うわあああああああああああああああああ!!!」
風に飲まれた新之助はそのまま意識を失ってしまうのだった。
秋月邸
「う~ん」
朝の爽やかな目覚めだった。少女マユは喉が渇いたのでジュースを飲もうと冷蔵庫を開けるのだが・・・
「ふぇ???」
凄まじい衝撃と共に飛び上がったマユは外を見てみると物置に何かが落下したような穴が・・・
恐る恐る物置の戸を開けるマユはライトを手に一歩踏み入れると中いたのは・・・
「がんだむだ!!」
目に螺旋が描かれ完全にのびている状態の新之助。あの時乱気流に飲まれた新之助はそのまま秋月邸に墜落してしまったのだ。
安全のためなのか武瑠に変身したまま落下した為マユは本物のガンダムが落ちてきたと思ったようだ。
「ねえ~がんだむさん!おきて~がんだむさん!!」
揺すって起こそうとするマユだが全然起きない新之助。するとマユは物置に転がっていた絵本を見た・・・王子様のキスでお姫様が目を覚ます話だ。
マユが頬を赤らめ唇を・・・
その時
「そういうのは大事な人の為にとっときなさい!!」
寸前で目を覚ました新之助・・・セーフだった。
その後新之助はなんやかんやでマユと遊ぶ事になり庭に出た・・・マユの夢を壊さないように武瑠のまま。
先程とは違い非常にリラックスしている新之助に武瑠は・・・
(・・・新之助)
「武瑠?」
(何を焦っている?)
「え?」
(飛んでいる姿を見ればわかる・・・さっきのシュミレーションで体感したせいで余計に焦った・・・ガンプラバトルだけじゃない・・・闇軍団と戦う中で自分が翼や香澄に劣っていると思うか?)
その言葉に黙る新之助。だが武瑠は・・・
(お前はあの二人のやり方は向いていないんだ・・・だがお前のやり方もあの二人に向いていない・・・チームなんてそんなものだ・・・お互いの欠点を補いながら戦える・・・ソロで強い者がチームで強いとは限らない・・・お前が言った事だ・・・自分のやり方でしか出来ない・・・一芸に特化した何かがあるなら・・・焦るな・・・お前達のチームはそれを受け入れる)
武瑠の話を聞いた新之助は肩の荷がおり、そして新たな扉が開かれマユに呼びかけた。
「どうしたの?がんだむさん?」
「マユちゃんありがとう!マユちゃんがくれたこの時間が無かったら気付かなかった・・・俺行かなきゃ」
「そんな~さみしいよ~」
「また遊びに来るよ♪約束」
そう言って新之助は手を出した瞬間何故か龍の形をした笛が・・・マユはそれを受け取ると飛び立つ新之助を見送った。
(ところで新之助)
「何?」
(次会う時もその姿か?)
「・・・・・あ」
考えてみると人間形態を披露してない新之助だがもう会うことが無いと思った。
しかし
(・・・呼び出しアイテムは渡しておいたぞ?)
「あの笛呼び出しアイテムかよ!!」
武瑠の余計なお節介にやれやれと新之助が呆れると何故か凄まじいスピードになり一瞬のうちにプラモ狂四郎に辿り着くのだった。
「どして?」
(次元でも超えたか?)
と言いながら変身を解いて店に入る新之助。そこには疲れた顔した翼・香澄・畢・ランの姿が・・・
「サエグサ模型店の大会どうだった?」
「「「「それどころじゃなかったんだよ~」」」」
置いてきぼりの新之助に事情を話し始める4人だった。
後書き
次は大会大会~見学の俺達はフリースペースで腕を競おうとして工作室に入ると誰かの姿が・・・何?ミカヤさん・・・て!!ミカヤさんに化けた星人!!めっちゃ強いしデスアーミーみたいなブレイド出してきた!!え?畢姉?ランさん?どうして?
次回!集結コンパチヒーロー!!
あの二人の正体って・・・
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