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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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89部分:第十話 サガの力その六


第十話 サガの力その六

「どうにもな。さっきのはな」
「何が言いたい」
 そのゾルダに対して問い返す。
「貴様は」
「もう一度見ないとわからないということだ」
 今度の笑みは何かを期待するような笑みであった。
「貴様のその槍をな」
「そうか。ではまた放とう」
「俺もだ」
 何とここでまた出て来たゾルダであった。
「貴様だけにやらせるつもりはない。いいな」
「勝手にしろ」
 そしてそれを拒むことはないレッシュであった。しかも彼だけに言うのではなかった。
「御前達もそうなのか?」
「御呼びとあらばな」
「行かせてもらう」
 アンタスとブラウであった。当然ながら彼等もここにいたのである。
「よし、では四人でだ」
「行くぞ」
「誰が最も多く倒せるか」
「勝負!」
「ふざけるんじゃねえ!」
「そうだそうだ!」
 インプ達も負けてはいられなかった。彼等にも意地がある。だからこそまたしても一斉に襲い掛かるのであった。今度は四人に対して。
 聖闘士達とインプ達の戦いの中で。デスマスクは二人の女狂闘士達と対峙しサガは。四人と対峙し続けていたのであった。
「御前達が狂闘士だな」
「もうそれはわかっていると思うがな」
「確認したまでだ」
 今度はこう答えたのであった。
「貴様等のことをな」
「言っておく」 
 ロジャーがそのサガに対して告げる。
「我等は魔神の力を持っている。例え黄金聖闘士だとしてもだ」
「負けはしないというのだな」
「如何にも」
「我等を愚弄しないことです」
 エリシャも前に出て来て言った。
「我が狂闘士、決して貴方達に遅れは取りません」
「その通り。ジェミニよ」
 ライネルはサガを星座で呼んだ。
「貴様が我等が倒す。この手でな」
「まずは俺だ」
 最初に名乗りをあげたのはシロウであった。
「この俺の手で。ジェミニ、御前を倒す!」
「ダンタリアンだったな」
 サガは己の前に出て来たシロウを見てまずはその司る魔神の名を口にした。
「確か。百の顔を持つ魔神だったな」
「俺のことを知っているんだな」
「如何にも。先の戦皇との聖戦でも暴れ回ったと聞いている」
「!?この男」
 エリシャは今のサガの言葉からあることを察し目の色を変えたのだった。
「我等のことを知っている!?シロウ」
「何だよ、エリシャ」
「気をつけなさい」
 そしてこうシロウに言うのであった。
「この男、既に私達のことを」
「知ってるから気をつけろっていうんだな」
「そうです。どうやら事前に私達のことを研究しています」
 サガを警戒する目で見つつ述べたのだった。
「ですからここは」
「知っていたから何だっていうんだよ」
 しかしシロウはエリシャの今の言葉を軽く笑い飛ばした。その様子は実に少年らしいものではあった。無鉄砲な趣があるのもまた事実であるが。
「それでこのシロウの技を止められるかってんだ」
「いや、待て」
 今度はロジャーが出て来た。
「シロウ、やはりここはエリシャの言うことを聞け」
「ロジャー、あんたまで」
「そうだ、やはり気になる」
 彼もまた言うのだった。その目はサガを見据えている。
「この男は。尋常ではない」
「じゃあどうするんだ?」
「ライネル」
「ああ」
 ロジャーはここでライネルの名を呼んだ。ライネルはすぐにそれに応えて来た。
「行くぞ」
「うむ」
「何だよ、俺をさしおいて二人で行くのかよ」
「いや、違う」
 むくれるシロウの言葉はすぐに否定するのだった。
 
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