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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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87部分:第十話 サガの力その四


第十話 サガの力その四

「そりゃちょっと違うんじゃないのかい?」
「何っ!?」
「最初からだと」
 その笑いのまま彼等に告げた。
「違うか?最初から容赦するつもりはないだろ」
「我等聖闘士と御前達狂闘士は相容れぬもの」
 レッシュも言う。
「それは最早知らぬ者はない」
「我等がアテナとアーレス」
 ブラウも続く。
「神話の時代よりはじまる因縁だったな」
「その因縁が言っている」
 最後に語るのはゾルダだった。
「俺達と貴様等は最後まで戦うしかないとな」
「だからだよ。容赦はねえだろ容赦は」
「貴様等とて降伏するつもりはあるまい」
「無論だ」
「戯言を」
 憎しみに満ちた目と声で聖闘士達に応える。その手の槍を輝かせながら。三叉の槍もまた赤く禍々しい光を放っているのが見える。
「我等は誇り高きアーレス様の下僕」
「もとより降伏なぞない」
「戦えばその時は」 
 口々に言う。
「血に染まり何処までも戦い」
「勝利の美酒を味わうか死ぬまで」
「それがアーレス様の戦いだ」
「貴様等とは違うのだ」
「よし、ならば話が早い」
「ゾルダ」
 今度はゾルダが出て来た。仲間達が彼の名を呼ぶ。
「今度は俺が相手をしてやろう」
「私もだ」
 レッシュもまた出て来た。二人であった。
「先にかなり倒させてもらったが」
「どうやら貴様等はまだまだ戦いたいようだからな」
「おのれ、我等を愚弄するというのか」
「その態度」
 態度からそう受け取ったのであった。
「許せぬ」
「やはり貴様等は」
「話はもう終わりだ」
「行かせてもらう」
 二人の全身に小宇宙が宿った。
「さて、と」
 まずはゾルダの技であった。
「俺の技もかなり凄いぜ」
「何っ!?」
「俺の名はゾルダだ」
 己の名を告げてみせた。
「この名前の意味がわかるよな」
「ドイツ語だったな、確か」
 インプの一人が答えた。
「違うか?」
「そうさ、これはドイツ語なんだよ」
 また不敵に笑って答える。
「ドイツ語で兵士って意味だ」
「兵士か」
「兵隊の仕事は戦うことだ」
 最早自明の理である。
「だからよ。それで」
「むっ!?」
「この小宇宙は」
「受けな、俺の技!」
 小宇宙が爆発したその時であった。その全身が輝く。
「バーニング=ブラスト!」
「なっ、これは!」
「小宇宙が!」
「俺の技はそのまま小宇宙を放つ!」
 小宇宙を無数の小さな矢にして四方八方に放ちながら叫ぶ。
「つまりだ。爆発ってわけだ!」
「う、うわあああっ!」
「これは!」
「逃げられはしない!」
 爆発の中で叫ぶゾルダであった。
 
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