聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
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841部分:第百三十話 聖戦が終わりその六
第百三十話 聖戦が終わりその六
「何故和食はこんなに難しいのだ」
「全くだ」
「そういえば一応他の料理はできたか?」
巽はフォローに回ったのだった。
「ギリシア料理等は」
「ムサカやピタは好きだ」
「一応な」
「そういえばギリシアといえば」
ムウがここでふと気付いた。
「あれですね。サガとアイオロスがいませんね」
「そうですね。特にサガはこの宮の主だというのに」
シャカもそれを言う。
「教皇の間に行っているようですが」
「それならそれでいいんじゃねえのか?」
「そうだな」
デスマスクとカミュが言う。
「待ってたらそのうち来るだろ」
「何しろ今は勝利を祝う宴だ」
だからだというのだ。そしてアフロディーテとアルデバランも言う。
「そしてここはそのサガの宮ですし」
「来ない筈がない」
「待っていればいいです」
「こうして美酒と馳走を楽しみながらな」
「そうだな」
「確かに」
シュラとムウも頷く。
「ではここはだ」
「待っていましょう」
「そういうことですね。それでは」
こう話してであった。彼等は待つことにしたのだった。何時の間にか巽も座っていた。その彼にシャカが言ってきた。
「貴方はお酒は何がいいですか?」
「別に何でもいけるがな」
こうシャカに言うのだった。
「酒はな。ただ今は」
「はい、今は」
「ワインがいいだろうな」
目の前にこれでもかと置かれた料理の数々を見ての言葉である。
「やはりな」
「ワインですか」
「幸い赤も白もある」
ワインの色の話もする。
「それならだ」
「それでは。これでいいですね」
「これでいい。ではな」
彼もまた飲むのであった。そしてその頃だ。
教皇の間ではだ。サガとアイオロスが控えていた。そのうえで、だった。
「この度は御苦労だった」
「はい」
「有り難き御言葉」
「あの者達も見事だった」
シオンは己の座に座りながら。今は宴に興じている彼等のことも褒め称えた。
「実にな」
「そう仰って頂けますか」
「彼等のことを」
「腕は落ちていない」
その彼等のことだ。
「むしろよくなっている」
「左様ですか」
「教皇から御覧になられてもですね」
「あの時の聖戦よりも、いや」
言葉をここで言い換えてだ。そのうえでの言葉であった。
「生まれ変わるその度に強くなっているな」
「そう言って頂けるのですね」
「彼等のことを」
「御前達もだ」
二人もなのだというのだ。
「先の聖戦よりもよくなっている」
「我々も」
「あの聖戦よりもですか」
「そうだ、さらに強くなっている」
こう話すのである。
「いいことだ」
「有り難き御言葉」
「それでは」
「御前達ならばだ」
シオンの言葉は満足しているものだった。威厳の中にそれがあった。
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