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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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835部分:第二百二十九話 最後の戦いその八


第二百二十九話 最後の戦いその八

「誇り高き戦士達よ、また会おう」
「我等を認めそして」
「今は去るか」
「貴様等はオリンポスの神々とは違う」
 だからこそだと。肯定しているのだ。
「その貴様等に退けられたことは私も誇りに思う」
「そう思うのならな」
「ああ、何よりだ」
「確かにな」
 黄金聖闘士達もその言葉に頷く。そしてだ。 
 アーレスの最期を見届ける。彼はだ。
 身体を消していった。それで終わりだった。煙の様に消えたのであった。
「全ては終わった」
 ここでシオンは黄金聖闘士達に告げた。
「これでだ」
「はい、確かに」
「アーレスは倒れました」
「既にこの城に残っている者はいません」
「ここに聖戦の終結を宣言する」
 シオンは述べた。
「わかったな」
「では教皇、今より」
「聖域にですね」
「戻る。ただしこれだけは言っておく」
 誰もいなくなった玉座を見ての言葉である。
「今日の勝利に驕る者はだ」
「その者は」
「どうなると」
「明日に語ること何もなしだ」
 こう彼等に告げたのである。
「これを言っておく」
「汝驕ることなかれ」
 シャカがシオンのその言葉を聞いて述べた。
「そういうことですね」
「そのことだけは覚えておけ」
「ええ、それは充分に」
「わかっています」
 黄金聖闘士達もその言葉に頷いた。そのうえで今は宮殿を後にする。
 彼等が宮殿を出るとだ。それは音もなく崩れ去った。そして後には何も残らなかった。
「これで完全に終わりだな」
「そうだな」
「これで本当に」
「終わりだな」
 黄金聖闘士達はその崩れた宮殿が消えていくまでを見届けてたうえで述べた。
「後はもう」
「帰るか」
「聖域に」
「そうだ、全員聖域まで戻る」
 シオンもこう告げた。
「わかったな」
「はい、それでは」
「これで」
「この聖戦は終わった」
「だからこそ聖域に」
「そうですね」
「そういうことだ。戦いが終わればここにいる理由もない」
 シオンの言葉は落ち着いていた。動じているところは何もない。
「それではな」
「わかりました」
「では今より」
 こうして聖域に戻る彼等だった。戦いは完全に終わった。もう後には何も残っていなかった。残っているのは僅かばかりの赤い小宇宙だけであった。それが暫く漂っていたがやがて霧消して何処にもなくなってしまった。


第百二十九話   完


                2010・6・7
 
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