聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
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830部分:第二百二十九話 最後の戦いその三
第二百二十九話 最後の戦いその三
「冥界の者達に勧められてな」
「それは本意ではなかったな」
「それもまたその通りだ」
このことも否定しない彼だった。
「私は戦いの神。あくまで戦い続けるのが、最後まで戦うことこそがだ」
「望みだな」
「その私が一人撤退するというのは好むところではない」
こう言うのであった。
「決してだ」
「しかし今は違うということか」
「そうなる。私はこの聖戦では最後まで戦う」
決意の言葉だ。それに他ならなかった。
「必ずだ」
「そして我々に勝利を収めてか」
「既に言ったな。そういうことだ」
「それではだ」
「我が最大の技を今ここでだ」
赤い小宇宙が王の間はおろか宮殿全体を包んでだ。そのうえでの言葉だった。
「見せよう」
「!?小宇宙が」
「我等を包む!?」
「そうして」
黄金聖闘士達が周りから迫るものを感じて言う。
「我等をこのまま潰すというのか」
「その小宇宙で」
「これから逃れることはできない」
その凄まじい小宇宙の中心でだ。アーレスは言うのであった。
「決してだ。他の次元であってもどれだけ距離があっても」
「この小宇宙はこの大地全体を覆っているか」
シオンがだ。それは何故かということを察して述べた。
「他の次元もまた」
「その通りだ。だから決して逃れられない」
だからだというのである。
「そういうことだ」
「しかし破る方法はある」
シオンはこの状況でも冷静であった。それは変わらない。
「それもまたある」
「ではそれこそが」
「我等の今の技」
「そうなのですね」
「そうなる。いいな」
彼等を目だけで見回してであった。
「今から集めるぞ」6
「ええ、それでは」
「我等の力ここに一つに」
「そして教皇」
「御願いします」
「これこそがだ」
シオンは十二人の黄金聖闘士達の力を己の身体に受けながらだ。そのうえで彼自身の小宇宙も高めさせる。そうしてそのうえで彼自身の力を放たんとしていた。
アーレスはそれに対してだ。大地全てを覆わんばかりの彼自身の小宇宙で彼等をまとめて倒さんとしていた。彼そのものの凄まじい闘志と殺意に満ちた小宇宙でだ。
そのうえでだ。シオンに対して問うた。
「アテナの教皇よ」
「何だ」
「あくまで戦うのだな」
こう彼に問うたのである。
「そうだな、戦うのだな」
「それがどうかしたというのか」
「私とも」
まずは彼自身のことだった。
「そしてこれからも」
「例え私がどうなろうともだ」
シオンは己以外にもだ。いるというのであった。
「それでもまだ戦士達はいる」
「その者達か」
「そうだ。この者達がいる」
今彼にその全てを託している黄金聖闘士達がだ。彼等がだというのだ。
「彼等がその後を戦う」
「それで迷いはないか」
「この者達ならば相手が誰であろうともだ」
深い言葉だった。絶対の信頼がそこにある言葉であった。
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