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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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828部分:第二百二十九話 最後の戦いその一


第二百二十九話 最後の戦いその一

                   最後の戦い
 その現われた戦士を見てだ。黄金聖闘士達も驚きを隠せなかった。
「貴方もここに!?」
「実体か!?いや、違う」
「実体ではない」
 それはわかった。それはである。
「精神だけで来たのですか」
「しかしそれでも聖衣を着ておられる」
「これは一体」
「何、御主等もできることであろう」
 その男童虎は微笑んで彼等に告げた。
「この程度のことは」
「いや、ですが」
「それでも」
 彼等はそれを聞いてもであった。まだ唖然としていた。その感情は消せなかった。消すにはあまりにもそれぞれの感情が昂ぶったままだった。
「ここに来られるとは」
「いえ、来ることができたのですか」
「今ここに」
「そうだ、できるのだ」
 彼は微笑んでいた。驚く彼等に対して穏やかな笑みさえ浮かべている。
「御主達と共に戦う為に来たのだ」
「左様ですか」
「だからこそここに」
「十二の黄金聖闘士と」
 童虎は彼等の場所に来てだ。そのうえでの言葉だった。
「そして教皇がいなければならないからな」
「我等全員と教皇が」
「全ていなければですか」
「そうだ、その通りだな」
 今はシオンを見ていた。そのうえでの言葉だった。
「これから出す技は」
「その通りだ。だからこそ来てくれたのだな」
「うむ」
 今度は強い笑みでシオンの言葉に頷く童虎の言葉だった。
「ではよいな」
「礼を言う」
 友と友の間の言葉だった。まさにそれだった。
 そしてだ。黄金聖闘士の面々はここでまた驚きの言葉を挙げる。今度は何かというとだ。
「それにしても精神ならばその御姿ですか」
「若い時のその御姿になられるのですか」
「何と」
「ふふふ、どうかな」
 しかしここでだ。童虎は悪戯っぽい笑みも浮かべてみせたのであった。それはまるで真実をあえて隠しているような笑みであった。
「それは」
「それは?」
「といいますと」
「時が来ればわかる」
 こう言って今は言わないのであった。
「その時にな」
「その時といいますと」
「それは一体」
「少なくとも今ではない」
 やはり話そうとしない。とにかく今はだ。
「それは言っておく」
「左様ですか。それでは」
「今は聞きません」
「その時にこそ」
「その時は必ず来る」
 ここでも不敵な笑みの童虎だった。
「それではだ。シオンよ」
「うむ」
「共に戦おうぞ」
 あらためて告げた言葉だった。
「今からな」
「これで充分に戦える」
 シオンは彼の援軍を受けてだ。こうも言ったのであった。
「黄金聖闘士が全員揃ったことによってな」
「そういうことじゃな。それではだ」
「こちらとしても好都合だ」
 アーレスもまた言うのだった。
 
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