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Three Roses

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第二十七話 戦いのはじまりその八

「あちらに国の実権を持たれますと」
「そうですね、その時は」
「それも決められますね」
「次の王も」
「マイラ様のお子だと」
「そうです、そうなりますので」
 だからだというのだ。
「私達はです」
「今のうちにですね」
「実権を手に入れる」
「その必要がありますね」
「即位の儀もまだですが」
 そうした意味でまだ動いていない、しかしだ。
「それでも」
「はい、時計は止まりません」
 ロドネイ公が言った。
「決して」
「そうですね」
「世の中は常に動いています」
「この国もまた」
「ですから」
 それ故にというのだ。
「即位がまだでもです」
「動いていくべきですね」
「はい」
 その通りだというのだ。
「ここは」
「そうですね、それでは」
「王女の言われる通りです」
 まさにというのだ。
「実権は握っていきましょう」
「このまま」
「そしてです」
 さらにだった、マリーは言葉を続けていった。
「旧教と新教の」
「論争がはじまれば」
「分ける為に」
「学んでいきましょう」
「是非」
「やるべきことは多いですね」 
 大司教も言う。
「我々も」
「はい、実に」
「実権を握り」
「旧教とも分ける」
「そうしなければならないですから」
「しかしマイラ様は」
 彼女のことをだ、デューダー卿は考える顔で話した。
「太子を」
「心からですね」
「頼りにされていますね」
「私もそう思います」
「王女も」
「むしろ太子がです」
 彼の方がというのだ。
「王女をです」
「動かしていますね」
「そうなっていますね」
「太子は最早旧教の盟主です」
「この国の」
「そうなっていますので」
 だからだというのだ。
「あの方がですね」
「我々の実質の相手ですね」
「敵であれ味方であれ」
「あの方のお考えは明らかです」
 確信を以てだ、キャスリング卿は言った。 
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