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Blue Rose

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第三十七話 生まれた陰その十

「ずっとです」
「尽力してきて」
「そしてですよ」
 さらに言うのだった。
「戦後補償の問題にも」
「積極的に」
「関わってきていいますから」
 だからというのだ。
「このこともです」
「尽力されていかれますね」
「これから」
「それは何よりです」
 衝夫は鍛冶元に確かな声で応えた。
「ああした連中が尊敬される社会は」
「あってはならないです」
「やっぱりあれですね
「そうです、先生みたいな人や我々こそが」
 まさにとだ、鍛冶元も言う。
「人民を啓蒙しまして」
「そしてですね」
「人民の人民による人民の為の国がです」
「一番いいです」
「国旗も国歌もです」
 つまり日章旗や君が代もというのだ。
「変えて」
「そうしていくべきですよ」
「このまま政府が暴走すれば」
「この国はまた間違えてしまいます」
「徴兵制復活、軍国主義に戻り」
「また戦争を行います」
 二人は本気で話をしていた、そして。
 ハウステンボス駅から同じ車両に入った優花を見てだ、鍛冶元はふとした感じで衝夫にこんなことを言った。
「あの娘は」
「どうしました?」
「いや、あの娘です」
 優花を指差して言う。
「可愛いですね」
「あっ、そうですね」
 衝夫も優花を見て頷いた。
「アイドルみたいな」
「いや、思い出します」
 こんなこともだ、鍛冶元は下卑た笑みを浮かべて言った。
「この前東京で女の子を買ったんですが」
「ああ、前に一緒に行った時に」
「はい、先生も楽しまれてましたね」
「いいですね、東京。こっそりと小さな女の子を買えて」
「俺その時に中一の娘をですね」
「買ったんですか」
「いや、お金を払わないで無理矢理に」
 何をしたのかは最早言うまでもなかった。
「アイドル志望らしいですが騙してホテルに連れ込んで」
「ああ、そうしてですか」
「楽しんでたんですが」
 そうしてというのだ。
「その時の娘がです」
「ああした娘だったんですか」
「覚醒剤打ってやったらもう凄かったですよ」
 下卑た笑みにさらに醜いものを含ませての言葉だった。
「あの国から直接仕入れた」
「それを打ったら」
「一発でした」
「あれは効くそうですね」
「はい、俺はしないですが女の子に打ったら」
 それこそというのだ。 
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