聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
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807部分:第百二十六話 先の先をその一
第百二十六話 先の先をその一
先の先を
シオンが放つ技。それは。
「見るがいい」
「むっ!?」
「今の私の技はこれだ」
こう言ってだ。放った技は。
「アナザーディメンション!」
「むっ、逆十字が!?」
異次元の穴が開いてだ。その逆十字が飲み込まれた。それで消してみせたのである。
穴が消え後は何もなかったかの様であった。シオンはそうしてみせたうえでまた言ってきたのであった。
「この技だ」
「確かジェミニの技じゃったな」
「如何にも」
シオンもそのことに頷いて答えてみせた。
「その通りだ」
「それもまた使えるというのか」
「言った筈だ。黄金聖闘士の技ならばだ」
落ち着いた声で返すシオンであった。
「全て使うことができる」
「先程四騎士達の相手をした通りじゃな」
「その通りだ」
「そしてその切り札とも言える技もじゃな」
エリスの言葉に鋭いものが宿った。
「それもじゃな」
「そうだ、持っている」
こう返すシオンだった。
「言った筈だ、全ての技を」
「左様か」
「そうだ、私はそのそれぞれの技でも命を賭ける」
言葉は真剣なものだった。そうしてであった。
「戦いに勝つ為にはだ。命を賭けることも厭わない」
「殊勝じゃな。じゃが」
エリスは再びその小宇宙を湧き上がらせてきた。そうしてである。
今度は地の底から何かを出してきた。それは。
血の大海原であった。それを出してきたのである。
「血の海か」
「これもまた我等の海よ」
「アーレスの海か」
「アーレス様に仕える者達が今まで流してきた血だ」
「それか」
「左様、それじゃ」
こう言ってだった。その海をシオンに対して向けてきたのである。
「その海に飲まれて死ぬことじゃ」
「それで。私を」
「さて、どうするのじゃ」
ここでもシオンを見据えてきて言ってきた。
「この海に対してじゃ」
「どうするかか」
「左様、このまま飲み込むこともできる」
技の名前もだ。それも言ってみせてきたのである。
「このブラッディオーシャンでじゃ」
「まさに血の海か」
「アーレス様の忠誠の証よ」
アーレスの為に流した血である。それであるというのだ。
「それなのじゃ」
「それで私を飲み込む」
「さて、どうする?」
こうも言ってみせてきた。
「先の先を読んでおるのじゃな」
「如何にも。確かに争いの女神の言葉は知らなかった」
「それでどうして先を読むのじゃ?」
「読めるものは読んでいる」
シオンの言葉はここでも負けているものではなかった。
「既にだ」
「読んでおるのか」
「そうだ、どんな技かわからなくとも」
それでもだというのである。
「読んではいた」
「面白い。それではじゃ」
「その技も破ってみせる」
「ではどの技を使うつもりじゃ?」
明らかにであった。楽しんでいる言葉だった。
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