ドリトル先生と沖縄の蛇達
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第九幕その九
「これは」
「それと同じ位酷いお話だね」
「本当にね」
「その人達あの国のこと知ってたの?」
「知らないで言ってても酷いよ」
「知っていたと思うよ」
あの国の実際の姿をです、その時からとんでもない独裁国家でものも何もない地上の楽園とは無縁の国家だとです。
「事実をね」
「それでそんなこと言ってたんだ」
「いい国だから帰って大丈夫だって」
「そうした風に」
「どうやらね、明らかに知っていたとしか思えない人もいたし」
帰ろうと言っていた人達もです。
「そのうえでそう言ってたんだ」
「何かもうそれって」
「もうね」
チープサイドの家族も唖然となっています。
「酷過ぎて」
「言葉もないわ」
「人間のすることじゃないね」
ダブダブもとても嫌そうな感じです。
「もうそれは」
「嘘を言ってそれで人が死んだら」
ガブガブが言うには。
「最悪なことじゃない」
「犯罪にならなくても詐欺だよ」
ジップも言います。
「そうしたことは」
「許されることじゃないわよ」
ポリネシアも厳しい言葉で批判します。
「絶対に」
「そうしたことをしたら」
絶対にとです、トートーも言います。
「普通は許されないけれど」
「何かそうした人とね」
ホワイティが言うには。
「先生は全く違うね」
「先生はそんなことしないよ」
チーチーは先生の性格をよく知っています、だからこそ言います。
「何があってもね」
「そんな人でない様なことは」
老馬はこうまで言います。
「先生はしないから」
「そうそう、先生はね」
「そんなことをする人じゃないよ」
オシツオサレツは二つの頭で断言します。
「例え何があっても」
「絶対にね」
「うん、僕もこの話を聞いてあんまりだと思ったから」
だからだとです、先生も答えます。とても悲しいお顔になって。
「しない様にしたいよ」
「絶対に」
「何があっても」
「そうしたことは」
「しないに限るね」
「うん、さもないと」
先生は真剣なお顔でお話をします。
「人でなくなる気がするから」
「ハイ君達にもだね」
「そんなことはしない」
「絶対になんだ」
「気を付けているよ」
そこは絶対にとです、動物の皆に約束しました。
「そうしたことはね」
「知らなくて言っても許されないことだから」
「知っていてやっていたら余計に」
「だからだね」
「先生はしないんだね」
「誰に対してもね」
今回のハイ達に対してした様にです。
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