オズのビリーナ
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第九幕その九
「譲らないから、頑固でしょ」
「そうね」
トロットも言われて気付きました。
「どちらもこだわりが強くてね」
「頑固でしょ」
「引かないわね」
「そこは似てるのよ」
「水と油でも」
「譲らないところはね」
「しかも」
トロットはさらに言いました。
「それはそれこれはこれ」
「そうした考えをしないわね」
「こだわってばかりで」
「そのせいでよ」
「いがみ合っているのね」
「白か黒しかないの」
ドワーフ族もエルフ族もというのです。
「それでいがみ合っているのよ」
「そういうことね」
「それでね」
「解決もしないのね」
「このことがわかったわ」
ビリーナにしてはです。
「ドワーフ族とエルフ族はね」
「闇エルフの人達だけじゃなくて」
「皆なのよ」
それこそというのです。
「あの人達は」
「そこが問題で」
「そこをどうにかすればね」
「いがみ合いが解決するのね」
「というかよ」
こうも言ったビリーナでした。
「切ったジャガイモと潰したジャガイモはどっちが美味しいかしら」
「どっちも?」
「わしもそう思うよ」
トロットだけでなくキャプテンもこう答えました。
「どっちがどっちかっていうと」
「どっちもだよ」
「ジャガイモはどう調理しても美味しいわ」
「そうだよね」
「だからどっちかとは」
「言えないよ」
「そうしたものよ、コーンもよ」
ビリーナは自分の好物のお話もしました。
「バターコーンもポップコーンも美味しいわよ」
「どちらが一番」
「それはないね」
「一番という認識もね」
それもというのです。
「その人それぞれで違うでしょ」
「好みの問題は」
「それは」
「その人それぞれで」
「種族によっても」
「違うしそれが正しいとか間違ってるとか」
そう考えることもというのです。
「違うわよ」
「あの人達はわかっていないのね」
また言ったトロットでした。
「どうにも」
「そうですね、どちらもどちら」
ナターシャが言いました。
「それでいいと考えたら」
「それで解決するかしら」
「そうなりますか?」
「そうかも知れないわね」
「ひょっとしたら」
ふとです、ビリーナが閃きました。そしてその閃きを皆に言いました。
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