聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
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796部分:第百二十三話 サガの素顔その三
第百二十三話 サガの素顔その三
「だが、しかしだ」
「しかしか」
「それは常に根は人として、アテナの正義としてだな」
「それ以外の何者でもない」
「何度も聞いても貴様のその考えは変わらないな」
「変わればそれでアテナの聖闘士でなくなる」
「そういうことなのもわかった。だが、だ」
ポポスの言葉が変わってだ。そうしてだった。
「やはりもう一人の貴様はわからぬな」
「それはどうしてもか」
「わからん。それは言っておく」
「そうか」
「そしてだ」
さらに言うのだった。
「私とこれからまさに決着をつけるがだ」
「うむ」
「そこでまた見させてもらう」
サガを見据え続けたままであった。
「それでいいな」
「望むところだ。それではだ」
「このポポスの最大の技だ」
両手を大きく上に掲げそこでクロスさせてだった。
「今こそ見せよう」
「では私もだ」
サガも同じであった。胸の前で両手をクロスさせてだ。
「今ここでだ」
「受けよジェミニよ!」
ポポスの言葉が突如として強くなった。
「この技を!」
そして放った。その技の名前は。
「ロストシンフォニー!」
「これは!?」
不思議な音が聴こえたかに思えた。その瞬間だった。
周りが一変してだ。音が襲い掛かってきたのだ。その何もかもが歪んだ世界の中でだ。
「これが貴様の最大の技か」
「そうだ、アーレス様は音楽も愛される」
ポポスの勝ち誇った言葉が聞こえてきた。
「そう、勝利の音楽をだ」
「これがだというのか」
「勝利の音楽だ」
まさにそれだと答えるポポスだった。
「アーレス様の為のだ」
「それにより敵を屠るか」
「如何にも」
目を閉じて出した言葉だった。
「その通りだ」
「まさにそうだというのか」
「そしてだ。ジェミニ、貴様はその歌によって死ぬ」
こうサガに対して告げる。
「今からな」
「確かにな。このままではだ」
音楽による肉体にも、精神にもの攻撃を受けながらの言葉だった。
「私も。滅びる」
「貴様の名前は何があろうと忘れはしない」
既に勝利を確信しているポポスだった。
「何があろうともな」
「さて、それはどうかな」
しかしであった。サガの目はまだ死んではいなかった。
「それはだ。どうなるかだ」
「破れるというのか、この技を」
「如何にも」
その死んでない目で語ってみせる。
「そうしてみせよう」
「人が神の技を破るというのか」
「確かに人は神に劣る」
サガもそれは認めた。
「しかしだ」
「しかしか」
「命を賭ければどうか」
「貴様の命をか」
「ならばどうか」
「言葉に偽りはないようだな」
ポポスはサガの今の言葉を聞いてこう述べた。
「やはり。貴様はな」
「何故それをここで言う」
「何、言っているだけだ」
これを返答とするのだった。
「それだけだ」
「そうか、それだけか」
「では。ジェミニよ」
サガを見据えたままだった。
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