ソードアートオンライン~混沌の暗殺者~
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圏内事件 2
前書き
忘れたころにやってくる・・・
「アスナ、デュエルのウィナー表示を探せ!!」
「了解!」
「リョウ、お前は目撃者を見つけてくれ。俺は犯人を捜す。」
「はい!」
今日はご飯をオゴッてもらうだけだったのに、なんでこんな事に・・・・
仕方ないので、目撃者を探す。
「すみません!!さっきのを最初から見ていた人、もしいたらちょっと話を聞かせてください!!」
すると、しばらくしておずおずと女性プレイヤーが進み出てきた。
「だめだ。見つからなかった。」
「こっちもよ。」
「見てた人はいました。この人なんですけど・・・」
と言って、二人が来るまで待ってもらっていた人に来てもらう。
「ごめんね、怖い思いしたばっかりなのに。あなた、お名前は?」
「あ・・・・・・あの、私、《ヨルコ》っていいます。」
「もしかして、さっきの・・・・・・最初の悲鳴の、君が?」
「は・・・・・・、はい」
「私・・・・・・、私、さっき・・・・・・殺された人と、友達だったんです。今日は一緒にご飯食べに来て、でもこの広場ではぐれちゃって・・・・・・それで・・・・・・そしたら・・・・・・・・・」
それ以上は言葉にならないというように、両手で口元を覆う。
まあ、友達が亡くなったあとだし、そうなるのも仕方ないか・・・。
「・・・・・・あの人、名前は《カインズ》っていいます。昔、同じギルドにいたことがあって・・・・・・。今でもたまにパーティ組んだり、食事したりしてたんですけど・・・・・・それで今日も、この街までご飯食べに来て・・・・・・でも、あんまり人が多くて、広場で見失っちゃって・・・・・・周りを見回してたら、いきなり、この教会の窓から、人、カインズが落ちてきて、宙吊りに・・・・・・しかも、胸に、槍が・・・・・・」
「その時、誰かを見なかった?」
アスナの問いに、ヨルコは一瞬黙り込んだ。
そして、ゆっくりと、しかし確かに首を縦に動かした。
「はい・・・・・・一瞬、なんですが、カインズの後ろに、誰か立ってたような気が・・・・・・・しました・・・・・・」
「やっぱり、犯人はあの部屋にいたのか。とすると、犯人は誰にも見つかることなく、衆人環視のなかを逃げて行ったことになるな・・・・・」
「・・・・・・まさか、《暗殺者》・・・・・・?」
「先輩、その可能性はかなり低いと思います。」
「どうしてだ?」
「僕は隠蔽、または暗殺に関するスキルは全て知っています。そんなスキルがあれば僕が真っ先にマスターさせる自信がありますからね。」
この時、すでに《暗殺術》というスキルを持っているのだが、その話はまた今度にしよう。
「なるほど、確かに・・・・・・」
「その話は後にして、ヨルコさん、その人影に見覚えはあった?」
ヨルコはしばらく考えていたが、数秒後解らないというようにかぶりを振った。
「その・・・・・・嫌なこと聞くようだけど、心当たりはあるかな・・・・・・?カインズさんが、誰かに狙われる理由に・・・・・・・」
思った通り、その途端にヨルコは目に見えて体を硬くした。そりゃあ、目の前で友達を亡くしたばかりなのだ。かなり配慮に欠けるけど、今は仕方ない。
しかし、こちらも心当たりが無いらしく、首を横に振った。
「そうか、ごめん。」
となると、疑いのある者は、その場にいたプレイヤー全員ということになってしまう。これでは、とてもじゃないけど、犯人の特定は無理だ。
(最悪じゃん……)
先輩も、アスナさんも、同じ結論に至ったようで、ため息をついていた。
そんなこんなで、ヨルコさんを宿屋まで送り届け、事前に連絡して集まってもらった攻略組のみなさんに状況を説明した後、3人でこの後どうするか話し合う。
「さて、次はどうする?」
「手持ちの情報を検証しましょう。ロープとスピアの出所がわかれば、何かつかめるかも。」
「となると、鑑定スキルがいるな………。俺は持ってない。 アスナは………持ってるわけないよな。 !リョウ!お前持ってたりしない?」
「持ってるわけないじゃないですか。僕商人系プレイヤーじゃないんですから。」
「だよな。……仕方ない 俺の知り合いの雑貨屋兼斧戦士に頼もう。」
「それって・・・あのでっかい人?エギルさん・・・だっけ?」
「でも今って、雑貨屋は忙しい時間帯じゃないですかね?」
「知らん」
そんなこんなで、エギルの居る第50層主街区《アルゲード》へ向かうのであった。
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