ハイスクールD×D 異界黙示録の機晶神
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第二章:戦闘校舎のフェニックス/主武装のウルトガ・メイス
Change4:修行の成果とそれぞれの覚悟~Still it does not reach~
イッセーたちの修行から九日がたった。今はそれぞれの修行の成果を俺と手合わせで発表しているところですでに、リアス部長、朱乃さん、木場、小猫は終わらせているところだ。みんな以前よりも動き、攻撃の制度、出力などのステータスがよくなっている。そして……
「さて最後はイッセーだな。」
「おう!成長した俺の姿見せてやるぜ!」
どうやらイッセーは自信満々のようだな。
「イッセー君、マスターに『あれ』を見せるときだよ!」
どうやらイッセーには何か秘策があるらしいな。確か二日前修行の節目のときに、疲れ果てたイッセーと服がボロボロになったテュールが帰ってきたな。しかもその日の夕方とんでもない爆音がしたから、聞いてみたが内緒の一点張りだったな。それが今日見られるのか。
「では、二人とも準備して頂戴」
「わかりました部長。来い赤龍帝の篭手!」
『Boost!』
俺も構えを取り戦闘体制を取る。しかも神器を展開したイッセーから大きなエネルギーが見える。どうやら今回の成長株はイッセーのように感じてしまう。
「それでは……始め!」
リアス部長の開始の合図とともにイッセーが俺に突貫して来る。ッ!俺が予想していた速さよりも、三倍は早いな……
「おりゃッ!」
「おっと…」
俺はイッセーの予想外の速さに驚き回避が少し遅れ、きていた服が一部破ける。
「俺の想像を超えて成長したようだな、イッセー」
「当たり前だ!伊達にテュールさんと、死に物狂いで模擬戦を続けてきたわけじゃないからな!」
どうやら俺が与えた修行はイッセーを想像以上に成長させたようだな。
『Boost!』
『Explosion!』
「これで強化は終わったぜ!ここからだぜ、シン!」
「期待させてもらおう」
するとイッセーの動きがまた一段と早くそして複雑になり攻撃頻度が上がっていく。俺も負けないよう受け流し、時には防御する。動きとしてはまだまだだが、それでも以前より大幅に成長している。
「なら俺も少し本気を出させてもらう、『変 形・緋晶機人』」
俺はスレイヴ・バルバトスに形態変化し、ウルトガ・メイスを構える
「なっ!?お前そこまで本気出さなくてもよくねえか!?しかも依然と姿が変化しているじゃねえか!」
『イッセーが大きい成長を遂げてくれたことに敬意を表して俺も出し惜しみはしたくないと思っているんでね』
「くっ!!だがあれを試すにはちょうどいい!見て驚くなよシン!!!」
どうやらイッセーの新しい秘策が見れるみたいだな。俺はいつでも反撃できる体制を構えてイッセーを迎え撃つ。
するとイッセーが赤龍帝の篭手の手のひらに米粒サイズの魔力の塊を作り、それを拳で撃つかのように米粒サイズの魔力の塊を殴った、するとその塊は何十倍にも増大し俺に向かって飛んでくる。
『ま、不味いッ……!』
―――バゴォォォォォンッ!!!!
俺は予想だにしない攻撃に集中力を一瞬切らしてしまい。数秒回避行動が遅れ右肩の装甲に触れ一部が消し飛んだ。過ぎ去ったイッセーの魔力が後方にあった山の頂上に当たり山の一角が消し飛ぶようになくなっていた。
これは、すさまじい威力だな。しかも攻撃を掠っただけで方の装甲の端がえぐられたように消し飛んでいる。現代の兵器で例えると差し詰め小規模の核ミサイルだな。さすが神器であり神滅具の赤龍帝の篭手といったところだな。
「イッセー、シン。今の攻撃は上級悪魔に匹敵するわ。イッセーあなたは今回のゲームでの攻撃の要よ。鍛えてくれたシン、私たちそして自分自身を信じて戦いに望んで頂戴!そしてみんな明日のライザーとのゲーム必ず勝つわよ!!」
「はい、部長!!!」
みんな明日に向けての心の準備はできているようだな。だが――――――
俺はみんなの成長の喜びと、予想しえる結果に焦燥を抱きながら、イッセーたちを見守った。
「ここなら、一杯やっても問題ないな」
俺は皆が寝静まったのを見計らい別荘の屋根に上りウィスキー持ってきたグラスに注いで飲んでいた。まあ、以前から酒は飲んでいたんだが、俺の現在の肩書きだと飲酒すれば少々ややこしくなるためこういった機会がないと飲めないからだ。
「イッセーたちには期待させるようなことを言ってしまったが・・・」
正直みんな以前よりも成長している。だが今のみんなの実力だとあの不死の特性を持っているライザーには勝てない。それにあっちはゲームに関してはベテランだ、たかが十日修行したところでその差は埋まるものじゃない。はっきりいってこのゲームリアス部長たちが負ける確立が高い。
俺は今後の焦燥をかき消すかのように注いでたウィスキーを飲み干す。
「マスター、私にも一杯頂戴」
俺がウィスキーを飲み干すのと同時にいつの間にかパジャマ姿のテュールが横に座っていた。
「お前年齢は?」
「私こう見えても二十歳超えているのよ?もしかしてまだ未成年だと思った?」
まあ、見た目的にまだ十八歳に見えるからな。
俺はもうひとつ持ってきたグラスにウィスキーを注ぎテュール渡す。
「ゴク…うぅ~ッ!!マスターって意外と度数高いの飲むんだね」
「まあな、もともと酒は飲まなかったんだが、昔ともに戦った仲間に勧めれられてな。今じゃウィスキーやいろいろな酒好きの酒飲みになってしまった」
「いいんじゃないの?お酒を飲むマスターなんだか渋くて大人っぽいよ?」
「そうか?………」
「マスター。もしかして明日のリアスさんたちのゲームで、リアスさんたちが負けることについて迷っているの?」
「あ、ああ・・・」
「悩むのも仕方ないよね、私も今までの修行を見てきたけどリアスさんたちが勝てる見込みはほとんどゼロに等しいんだよね」
どうやら彼女も俺と同じことを考えていたみたいだな。
「まあ、それも考えていたんだがそれよりも『勝てる見込みがない』とみんなにいえなかった自分が情けないと感じているんだ」
「マスター、…………」
昔の俺はどんなことでもはっきり言えたんだがな、どうやらこの世界の平和での環境で俺はだめになったみたいだな。
俺が自分の情けなさに深け込んでいるとテュールが突然後ろから抱き着いてきた。
「私はマスターの過去はわからない、どんな体験をしたのかどんな戦いをしてきたのか、そしてどんな悲劇を見てきたのか葉私にはわからない…でも私は今のマスターが素敵だと思う。だから今の自分を責めないでほしいんだよ」
「テュール・・・・」
俺はテュールの言葉を聴いた途端、なぜか少し心の暗さが晴れていくような気がした。
そうだな、俺はこんなことで悩んでいたら先へ…みんなを守ることなんてできないからな。まったく悩んでいた自分がおろかに思えてきたよ。
「ありがとうな…テュール」
その後、テュールはもう一杯ウィスキーを飲みそのまま屋根を降りていった。
俺はあの後、屋根から下りて別荘の庭を歩いていた。するとイッセーとリアス部長がガゼボで話しをしているのを見かけた。二人は何か話していたので、二人に気づかれないように気配を消して声が聞こえる位置まで近づいた。
「喧嘩を吹っかけた俺が言うのもなんですがなぜに婚約をかたくなに断ろうとするんですか?」
「私はねリアス・グレモリー、私がそんなにがんばろうともグレモリーがついてしまうのよ」
「……」
「私はグレモリー家次期当主として誇りを持っているわ。でもねライザーみたいに私を一人の女としてではなくグレモリーとしてでしか見てもらえないのよ。こんなことをいうのも矛盾しているけど、結婚するとしたらせめて私を一人の女性として愛してくれる殿方と結婚したいのよ。」
やはりそうゆうことか、今でも昔でも貴族は相手の気持ちよりもその家の誇りや血統を守ろうとする。
いつの時代、度に時代においても貴族ってものはどうしてゆがんでいるんだ…ッ!
「部長!俺は、俺はそんなの関係無く部長の事好きです。グレモリー家の事とか悪魔の社会とか正直、俺は馬鹿だからわかりません。ですが、今ここにいる…俺の目の前にいるリアス先輩が俺にとって一番ですから!!」
「ッッッ!?」
イッセーお前は俺に昔言っていたな・・・『お前が羨ましい!!』ってでもな、俺にとってはお前が羨ましい。お前は確かに何も考えもなしで動く馬鹿だが、その真っ直ぐで誠実な気持ちでいられるお前が今の俺にとってはうらやましい・・・いや憧れだよ。
リアス部長は予想外のことを言われて心を打たれた様な顔をしていた。
「部長どうかしました?」
「え!?な、何でもないわ!!それよりも明日のゲーム全力で勝ちに行きましょう!」
「は、はい部長!!」
確かに今のリアス部長たちじゃライザーに勝てないだろう。だけどおれ自身にも判らないが、奇跡ってものが何か起きそうな期がするな。
「がんばれよ…二人とも」
「?今シンの声が聞こえた気がしたような…」
「奇遇ね私もよ」
俺は二人に小さなエールを送り自室へと戻った
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