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Three Roses

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第二十七話 戦いのはじまりその二

「マイラ様もです」
「摂政にですね」
「そうなって頂きます」
「王の即位と共にですか」
「そのことも定められます」
 正式にというのだ。
「そうなりますので」
「そうですか、そして」
 自分の話を聞いてからだ、マイラはさらに述べた。
「彼女もですね」
「はい」
 司教はすぐにだ、マイラにこのことについても答えた。
「無論マリー様もです」
「摂政になりますか」
「そうなられます」
「そうですか」
「そしてデューダー卿からお話を聞いたのですが」
 外務卿である彼からとだ、所属している派閥は違うが国政の中で互いにやり取りをすることもあるのだ。
「島国、半島からも人が来られます」
「あの二国からも」
「当然北の王国からも」
「そうなのですか」
「はい、そしてその来られる方々は」
「彼女達ですね」 
 すぐにだった、マイラは察して返した。
「セーラとマリアですね」
「左様です」
「王妃になる者と王妃が」 
 セーラが前者でありマリアが後者だ、二人共その立場から既にその足場をかなり固めている。エヴァンズ家自体がこのことを助けてもきた。
「この国に来ますか」
「左様です」
「戻ると言った方がいいかも知れませんが」 
 マイラは里帰りであることも指摘した。
「そして彼女に会いに」
「マリー様に」
「あの三人の絆は永遠です」
 マイラは言葉で背を向けて言った。
「誰も入ることは出来ません」
「そこまでのものだと」
「はい、国は別々になろうとも」 
 それでもというのだ。
「あの娘達はです」
「今もですね」
「その絆は強いです」
「確かに」
「再びその絆を楽しむ為に」
 言葉で背を向けたままでだ、マイラは司教に応えた。
「戻って来るのですね」
「そう言われますか」
「はい、そしてそれは」
「事実だと」
「そう思っています」
 マイラは今もだ、背を向けていた。顔も身体も司教とオズワルド公に向けているが言葉とそれを出す心はそうなっていた。
「今も」
「そうですか」
「あの娘達は私と違います」
 垣根も出した。
「それ故に」
「そのことは」
 オズワルド公はすぐに主に言った、マイラがまたしても自身の出生のことを言ったのでだ。信仰も地が合うがマイラはこれを誇りと思っているのでまた違っている。
「やはり」
「言うことはですか」
「思わえれることも」
「そうですね、では」
「はい」
「その様にします」
 セーラとマリアがこの国に帰ってきてもというのだ。
「私は」
「是非共」
「私は私として」
 孤独をだ、マイラは受け入れた。これは最初からであり今あれこれ言っても仕方のないことだった。だがあえて受け入れたのだ。自分に納得させる為にあらためて。 
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