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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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774部分:第百十九話 神に近い男その一


第百十九話 神に近い男その一

                    神に近い男
 その気配は。アーレスの宮殿全体に伝わった。
 黄金聖闘士達もそれを感じ取ってだ。それぞれテレパシーで話した。
『今だな』
『シャカの目が開かれた』
『間違いありません』
 アーレスの前に向かいながらだ。そのうえでのやり取りだった。
 そしてその彼等の顔はだ。穏やかなものではなかった。むしろ警戒するものであった。その顔で言うのである。
『まさかこれだけの小宇宙を持っていたとは』
『予想外っていうかな』
『信じられません』
 彼等は皆唖然としていた。その小宇宙を感じてだ。
『神にも匹敵する』
『いや、神にも勝るか』
『この小宇宙は』
『流石はバルゴのシャカ』
 こうした言葉も出された。
『最も神に近い男と呼ばれるだけはある』
『そうだな』
 アイオロスだった。サガに対して言っているのだ。無論テレパシーである。
『私もここまでの小宇宙はだ』
『私もだ』 
 この二人ですらだった。黄金聖闘士達の中でリーダー格の彼等でもだ。
『到底持てはしない』
『そして操れはしないな』
『貴方達もですか』
『それは無理だと』
『そうだ、無理だ』
『出来るものではない』
 実際に二人はこう答えた。
『ここまでの小宇宙を出して操れるのはだ』
『シャカ以外にはいない』
 まさにそうだというのだ。
『決してな。しかしそれを出してきたとなるとだ』
『間違いなく本気だ』
 これもわかることだった。
『さて、この戦い』
『どうなる?』
『バルゴのシャカ、果たして』
『アーレスの前に辿り着けるか』
 彼等は一人も欠けるつもりはなかった。誰一人として欠けてはならない、そう強く確信しながら今は戦場に向かうのだった。最後の戦場に。
 そしてだ。目を開いたシャカはだ。ケーレスを見据えてそのうえで言うのであった。
「さて、それではです」
「遂にだな」
「これで宜しいのですね」
 その切れ長の独特の目での言葉だ。
「私が目を開いた。それで」
「そうだ、それでいい」
 彼もまた満足した言葉で返す。
「それでだ」
「満足して頂いているようで何よりです」
「そしてバルゴよ」
 今度はケーレスからだった。
「先程言ったが」
「はい」
「私の最大の技は一つだけではない」
 言うのはこのことだった。
「言ったな。表があれば裏もあると」
「はい、確かに」
「何度も言うがアーレス様に仕える者は嘘は言わない」
 同時にこのことも言うのであった。
「そういうことだ」
「それではですか」
「見せよう」
 そしてだった。
「私のその技をだ」
「では私もまた」
 シャカはその目を見開いた顔で言う。その光が異常なまでに強い。
「お見せしましょう」
「来るというのだな」
「はい、このバルゴのシャカ最大の技」
 それだというのだ。
 
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