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レインボークラウン

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第三百九十六話

               第三百九十六話  飲むものは
 冷蔵庫の中には飲みものは他には牛乳があった、赤音はその牛乳を見て母に笑顔で飲んでいいのか尋ねた。
「牛乳は飲んでいいわよね」
「ええ、いいわよ」
 母は娘にすぐに答えた。
「飲みなさい」
「それじゃあね」
「今から買って来るから」
 母は娘にこうも言った。
「全部飲んでいいわよ」
「一リットルパックの?」
「そう、冷蔵庫には一本だけあるでしょ」
 見ればその通りだった。
「それ全部飲んでいいから」
「そうなの」
「今からお母さんが買って来るから」
 見れば母はもう外出の用意をしている。
「待っててね」
「何本買って来るの?」
「三本よ」
 一リットルパックのそれをというのだ。
「今日午前のお買いもので買い忘れたのよ」
「それで今から買いに行くの」
「そうするの」
「そう、そうしてね」
 そのうえでというのだ。
「三本また入れておくから」
「じゃあ」
「それは全部飲んでいいわ」
 今冷蔵庫にある牛乳はというのだ。
「むしろそうしてね」
「じゃあね」
「あとお姉ちゃんまだ帰ってないの?」
「帰ってないわよ」
 赤音は牛乳をコップの中に入れつつ答えた、少なくとも彼女が知っている限りではそうである。
「まだね」
「そう、じゃあ帰ったらお風呂に入りなさいって言って」
「帰ったらすぐに?」
「部活で汗をかいてるでしょうから」 
 だからだというのだ。
「すぐに入らないと駄目なのよ」
「そうなの」
「汗をかいて汚いし臭いから」
「ああ、汗に汚れが付いて」
「だからね、すぐに入る様に言ってね」
「そうしないと駄目なの」
「女の子はいつも清潔によ」
 母はこのことは強い声で言った。
「あんたもよ、後でまた魔法の勉強するでしょ」
「ええ、そうするわ」
「そちらも汗をかくから」
 身体を動かすからだ、それも激しく。
「そうしなさいね」
「わかったわ」
 牛乳を飲みつつだ、赤音は母に応えた。そうして母が買いものに出た後パックに残った牛乳を全て飲んでから庭で魔法の実践をはじめた。


第三百九十六話   完


                        2016・11・19 
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