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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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768部分:第百十八話 閉じられている目その一


第百十八話 閉じられている目その一

                   閉じられている目
 シャカはケーレスに対してだ。まずはこう言った。
「私はこう呼ばれています」
「それはもう知っている」
 ケーレスも既に知っているというのだった。すぐに言葉を返してみせた。
「神に最も近い男だな」
「はい、そうです」
 まさにそうだというのだった。
「そう言われています」
「あの聖戦の時からだからな」
「ええ、確かに」
「先の聖戦でも私はそう呼ばれていましたね」
「小宇宙の桁が違うな」
 ケーレスはそのシャカの小宇宙を見て言うのだった。
「私と比べてもな。遜色ないまでにな」
「そこまでだというのですね」
「そうだ。遜色ない」
 シャカの小宇宙を見続けている。
「全くだ」
「左様ですか。ではその私をですか」
「そうだ、倒す」
 戦うという言葉はもう省いていた。これもあえてであった。
「貴様をだ」
「では私もまた」
 シャカの小宇宙がだ。さらに高まった。そしてそのうえで今ケーレスと対峙しているのだ。
 そのシャカにだ。ケーレスはまた言ってみせた。
「さて、バルゴよ」
「何でしょうか」
「今の貴様は目を常に閉じているな」
「はい」
 ケーレスの言葉に対してこくりと頷いたのであった。
「その通りです」
「目が見えぬわけではない。見えていない生の時もあったがな」
「そうした時があったのも事実です」
「確かに貴様は目でなくてもものを見ることができる」
「ええ。目を使わずとも耳を使わずとも」
 それでもだというのである。
「見えますし聞くこともできます」
「それはいい。だが何故目を閉じているかだ」
「そのことですね」
「それが何故かだ。ただ何の意味もなくしているわけではないな」
「はい、確かに」
 シャカもそれは認めた。言葉だけで頷いてみせたのである。
「その通りです」
「戦いの中にあってもそうだな」
「戦いもまた見えていますので」
「だからか」
「はい、だからです」
「しかし目を閉じているのは確かだ」
 それをまた言うのケーレスであった。
「貴様はそれによって何をしているかだ」
「もうおわかりだと思いますが」
「確かに」
 それを否定しないのであった。
「既にな。貴様は目を閉じそのうえでだ」
「はい、そうです」
「小宇宙を高めているのだな」
「その通りです。小宇宙を高めています」
 まさにそうだというのである。
「常にです」
「そうだな。そしてだ」
 また言う彼だった。
「貴様はその高めきった小宇宙をどうする」
「然るべき時に放ちます」
 シャカの言葉が強いものになった。
「そう、それが今ならばです」
「放つか」
「必要とあらば」
 シャカはそれを否定しなかった。
「そうさせてもらいましょう」
「では開かせてみせよう」
 ケーレスはその言葉を受けた。
「貴様のその目をだ」
「そのうえで私を倒すというのですね」
「我等もまたアーレス様の僕」
 ケーレスもまたこのことを強く意識していた。己がアーレスの忠実な僕であるということをである。
 
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