転生とらぶる
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ガンダムW
1563話
結局、シェンロンガンダムと五飛は一時的にシャドウミラーに所属する事となった。
正直なところ、五飛をシャドウミラーに所属させるというのは色々と抵抗はあるんだが……それでも今の連合軍の状況では、こっちも無理を言えない。
そして五飛がシャドウミラーに所属すると決まれば、次に行うのは当然のようにOZによる襲撃を受けている連合軍の基地の救援。
OZを相手にしても、連合軍は前もってOZを怪しんでいた影響もあり、原作のように一方的にやられている訳ではない。
それどころか未だに持ち堪えている基地の方が多い。
だがパイロットの能力が違う以上、当然のように連合軍側が不利だ。
そうである以上、連合軍側としてもすぐに救援を出す必要があった。
つまり、今の俺達には時間の余裕があまりないのだが……
「どうしたんだ? ほら、来なよ。あたしの力が信用出来ないんだろう?」
物干し竿を手に、綾子が青龍刀を持った五飛を挑発する。
五飛の方は綾子を前に、じっと青龍刀を構えたままだ。
何故こうなったのかといえば、五飛がシャドウミラーにどのようなメンバーがいるのかという話を聞かれ、綾子と凛を紹介したのだが……五飛は女は戦うなといったような事を口にし、結果として綾子が五飛の言動に我慢出来ず、こうして手合わせとなった訳だ。
五飛も生身での戦いについてはそれなりに強いんだから、綾子と向かい合えばそれなりに実力差は理解出来ると思うんだが……こうして見る限り、綾子との実力差を感じ取った様子はない。
これは、俺の予想以上に五飛が相手の強さを推し量る能力が低かったのか、それとも綾子が予想以上に強くて、五飛の察知能力を上回っているのか。
どのみち、トールギス、トーラス、シェンロンガンダムの補給や整備を終わらないと、すぐに出発出来る訳がない。
現在大勢の整備員達がシャドウミラー所属のMSの補給作業をしている。
それが終わるまでであれば、特に問題はないだろう。
……今、こうしている間もOZの攻撃により連合軍の基地が色々と被害を受けているというのは、正直色々と思うところが……いや、特にないか?
別に俺が拠点としている基地って訳じゃないし、連合軍と言っても一括りには出来ない。
組織自体が巨大なだけに、当然ながら俺だってその辺の幹部の顔ですら殆ど覚えていない。
完全に覚えているのは、ノベンタ、セプテム、ベンティの3人。それと俺が鍛えたエアリーズ隊の面々に、サリィといったところか。
「はああぁぁっ!」
俺が考えている間にも、綾子と五飛のやり取りは行われていたのだろう。
やがて青龍刀を手に、五飛が一気に前に出る。
その踏み込みの速度は、このW世界の人間としては鋭い。
だが半サーヴァントの綾子にとって、その速度は亀の如き遅さと表現するに相応しいものだった。
袈裟懸けに振り下ろされた五飛の青龍刀を、あっさりと1歩後ろに下がるだけで回避する綾子。
そして後ろに下がりながら手首の動きで物干し竿を返し、次の瞬間には五飛の首筋に刃が突き付けられていた。
奇しくも、その動きは原作で五飛がトレーズを相手に負けた時と同じような流れだった。
「……くっ、殺せ」
いや、女騎士ならともかく、五飛がくっころをしてどうする。
しかもオークとかが相手じゃなく、綾子に対して。
「腕はそこそこといったところか。ただ、全体的に技量が未熟で稚拙。……MSの操縦技術だけではなく、もう少し生身の戦いも訓練した方がいいな」
「くっ、殺せ」
2度目のくっころが出た。
五飛にもある程度の技量があるからこそ、自分と綾子の間にある技量の差を理解出来たのだろう。
女とは戦わないとか言っていただけに、綾子に何も出来ずに負けたというのは、五飛の衝撃はより強い筈だ。
「分かったか。女であっても、強い者は強い。それこそ、五飛が数人……いや、十人以上集まっても、綾子を相手にしてはどうしようもない程にな。……ちなみに凛の方も、綾子程ではないにしろ十分に強いぞ? 時間は……」
補給と整備を行っている方へと視線を向けるが、そこではまだ終わりそうにない。
「どうやらまだ少しあるようだし、凛とも戦ってみるか?」
「ちょっと、アクセル? 一応私は後方要員なんだけど?」
不満そうに言葉を濁す凛。
正確には後方要員ではなく、魔術師だと言いたいのだろう。
……魔力で強化された身体能力で八極拳を使う凛の、どこか後方要員なのかと言いたいが。
普通であれば魔術師と言えば後方要員という表現が相応しいのだが、残念ながらと言うべきか、Fate世界の魔術師は……特に凛はその辺が大きく違う。
「分かった。胸を貸して貰おう」
五飛の言葉に、少しだけ驚く。
綾子に対しては完全に上から目線だった五飛だが、その実力をしっかりと確認すると謙虚になるとは思えなかった。
勿論それを狙っていたのも事実だ。
女や弱い者を見下すような態度が目についた五飛だけに、シャドウミラーの中では自分が一番下の存在だと、その身に思い知らせる必要があったのだから。
未だに文句がありそうな凛だったが、俺が視線を向けると小さく溜息を吐いて綾子と入れ替わるように五飛と向かい合う。
「今夜……は無理だけど、今度ゆっくりとサービスして貰うから、そのつもりでね」
「分かった。思う存分責めてやるから」
「ふふっ、その言葉は忘れないようにね」
艶然とした笑みを浮かべる凛に、MSの整備や補給をしている整備員達が思わずといった様子で手に持っていたスパナのような道具を落とす音が聞こえてくる。
……少し刺激が強かったか?
まぁ、凛のような美人が夜の生活を臭わせるような事を口にすれば、当然のように普通ならああいう風になるか。
大人の男ならそれを理解出来るのだろうが……五飛はそんな凛の態度を、とてもではないが面白く思えなかったらしい。
一応五飛も10代半ばで思春期真っ盛りなんだから、女に興味があって当然だと思うんだがな。
年上だから、興味が湧かない?
まぁ、女の趣味は人それぞれだ。
それでも五飛くらいの年代の男にとって、年上の美人というのは大好物と言ってもいいような気がするが。
それとも単純に五飛が潔癖症なのか?
……うん。五飛の性格を思えば、潔癖症だと言われればそれに納得したくなるような気はする。
「じゃあ、用意はいい?」
「待て。貴様、あの女のように武器はないのか?」
青龍刀を片手に尋ねる五飛だったが、凛は特に問題ないと頷きを返す。
「ええ。元々私は武器の類はあまり得意じゃないし……五飛だったわよね? 貴方くらいの相手なら、何も問題はないわよ」
「……いいだろう。ならば俺も武器は使わん!」
凛の挑発に、五飛は眉を吊り上げながら青龍刀を床へと投げ捨てる。
下が土であれば、地面に切っ先を突き刺すような真似も出来たのだろうが……生憎とここは格納庫の中で、下はしっかりと舗装されている。
こんな場所に青龍刀を突き立てようものなら、切っ先が欠けるか……いや、そもそも突き立てられないか。
地面を滑ってこっちに来た青龍刀を受け止める。
五飛が狙ってこっちに滑らせたのかどうかは分からないが、それでも整備員達の邪魔にならなかったようで何よりだ。
そして凛と五飛はお互いが武器を持たない無手で向かい合う。
「勝負の行方は……予想するまでもないか」
物干し竿を手に、綾子が俺の方へと近づいてくる。
「だろうな。寧ろ、勝負にすらならないだろ」
Fate世界の住人とやり合うには、このW世界は生身での戦闘技術が発達していない。
いや、普通の人間として考えればそれなりに戦闘技術は発達しているのだろうけど。
ネギま世界の住人のように魔法や気といった要素がない文明では、どうしたって勝ち目は存在しない。
「はあああぁっ!」
五飛が真っ直ぐに前へと出る。
凛を狙う拳は、この世界の平均で考えれば間違いなく鋭いのだろう。
事実、整備員達の中にもそんな五飛の動きに目を奪われている者は少なくない。
だが……
「甘いわよ」
五飛が連続して放つ攻撃を、一切掠らせもせず、回避に集中しながら呟く凛の声。
不思議と透き通ったその声は、五飛の猛攻をものともせずに俺の耳に入ってきた。
それは俺だけではなく綾子も同様だったのか、やっぱりといった様子で頷いている。
そして凛の呟きは攻撃を放ち続けている五飛にも当然聞こえたのだろう。
自分が侮られたとでも思ったのか、五飛の攻撃は一掃鋭くなる。
……それでも攻撃は鋭いままで、雑な一撃になったりしていないのは褒めるべきだろう。
だが……幾ら鋭い連続攻撃を行おうとも、魔力によって身体強化がされている凛には全く通用しない。
五飛の攻撃を回避し続けていた凛だったが、不意に一撃を回避したかと思うと足を進め、五飛との間合いを詰める。
「はぁっ!」
「ぐぁっ!」
気合いの声と共に放たれた一撃は、五飛の胴体へと埋まる。
そして胴体に食らった一撃は、間違いなく決定打と呼べる程に相応しいものだった。
動きを止め、腹を押さえつつ踞る五飛。
それでも胃の中のものを吐き出すような事をしなかったのは、凛の一撃がそれなりに手加減されていたからこそだろう。
「ぐっ、げほっ、げほっ」
胃の中のものを吐き出しはしなかったが、それでも五飛はこれ以上戦いを続行出来ない。
踞りながら咳き込んでいる五飛を見ながら、そちらへと近づいていく。
「分かったか? シャドウミラーのメンバーは少数だが、精鋭だ。事務員の凛ですら、ガンダムのパイロットのお前を上回る戦力を持っている。……五飛。お前は、確かに一般的に見れば強いのかもしれない。だが、それでもこの世界には上には上がいる」
事実、原作でも五飛は生身の戦いでトレーズに負けていたのだから。
その戦いもオペレーション・デイブレイクでの一幕からだったのを考えると、五飛にとってはここで負けを知るというのは確定事項だったのか?
もっとも、この世界では生身での負けを経験する前に、MS戦で俺に負けているのだが。
「はぁ、はぁ、はぁ……くそっ、俺は弱いのか」
息を整え、そう告げる五飛。
「そうだな。少なくてもシャドウミラーの中で、お前は最弱と言ってもいい。女だろうが、子供だろうが、強い奴は強い。相手を性別で区別や差別するような真似は、見ていてみっともないぞ」
それこそ、ネギま世界の子供であれば、五飛くらいは容易に倒せるような存在はその辺りに幾らでもいる。
今はもう大きくなったが、俺がネギま世界に行った時のネギや小太郎なら余裕で五飛を倒せただろうし。……比べる相手が悪かったか?
ともあれ、落ち込んでいる様子の五飛に向かって、口を開く。
「お前が今までどんな風に生活してきたのかは知らない。だが、強さを求める以上、当然強い相手との戦いを期待していた筈だ。そんなお前にとって、シャドウミラーという場所は決して居心地が悪くはないと思うが、どうだ?」
実際、強くなりたいというのなら、シャドウミラーはこれ以上ない環境にあると言えるだろう。
……その代わり、五飛以外のメンバーの俺と凛、綾子の3人が恋人同士だというのは、多少居心地が悪いかもしれないが。
ああ、けど五飛は恋愛感情とかには興味がないか。
ヒイロにはリリーナ、デュオにはヒルデ、トロワにはキャサリン、カトルには……まぁ、ドロシー。それに比べると五飛にはヒロインと呼べるべき相手がいないし。
原作だと最終的にサリィの仲間になっていたのを考えると、意外とそっちはありか?
「……分かった。お前達に従う」
五飛としては、ノベンタ達の前でシャドウミラーに所属するといった言葉は口にしていたが、それでも心の底からシャドウミラーに所属するといったつもりはなかったのだろう。
だが、こうして実力の差を見せつけられ、それこそ五飛が弱い相手と判断していた女の綾子や凛にすら負けてしまった。
そうなってしまうと、五飛にとってシャドウミラーという存在は特別なものになってしまったと言える。
いやまぁ、忠誠とかそういうのはあまり抱いていないのは変わらないし、あくまでも自分が強くなる為というのが一番だが。
……ホワイトスターと行き来が出来るようになったら、イザークやムラタ辺りに是非会わせてみたい。
似たようで似ていない……強さを求めるという意味では同じような存在のこの3人だが顔を合わせるとどうなるか。
まぁ、強さを求めると言っても、それぞれ色々と違うんだろうが。
あくまでも強さを求めるムラタに、俺に勝つ事を最優先にしているイザークのように。
ともあれ、今のシャドウミラーは俺と凛、綾子、五飛の4人だけだ。
そしてこの4人でW世界の戦いを潜り抜ける必要がある以上、色々と頑張る必要があるだろうな。
MSの整備と補給が終わったという整備員の声を聞きながら、戦いの予兆に笑みを浮かべるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:575
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1217
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