| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

オズのビリーナ

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第八幕その二

「解決しないとね」
「ビリーナは最初からそうだったね」 
 キャプテンはオムレツを二枚のトーストに挟んでそのうえで食べています、そうしながらビリーナに言います。
「ドロシーと会ってから」
「そうよ、お節介焼きとも言われるけれど」
 それでもというのです。
「何かあったらね」
「動かずにはいられないよ」
「そうした性分なのよ」
 こう自分のことを言うのでした。
「だから今回もね」
「その騒動を解決して」
「それから種を採りに行くわよ」
「ノームの人達が仲裁しようとしてるらしいから」
 トロットは牛乳を飲みつつこのことについて言及しました。
「だからね」
「ええ、ノームの人達とも協力して」
「やっていきましょう」
「そうしていきましょう」
「是非ね」
「ただ、私はね」 
 ビリーナはここでまた自分のことをお話しました、今度お話することはどういったものかといいますと。
「あの人達には怖がられてるから」
「卵のことでね」
「このことは注意しないとね」
「あの人達は卵は絶対に駄目だから」
 それこそ見るだけで、です。
「私を見るだけでね」
「もうガタガタ震える位だから」
「そこは本当に注意しないと」
「協力出来ないわね」
「追い払うにはいいけれど」
 その場合はです。
「けれどね」
「協力するとなると」
「逆になるから」
「そうよね」
「ノーム族のことは知ってるけれど」
 ナターシャがここで言いました。
「貴女を怖がる理由がね」
「ええ、そうでしょ」
「私達もね、ただそれは」
「それは?」
「ドワーフやエルフの人達もなの?」
 この人達はどうかというのです。
「そうなの?」
「いえ、別にね」
「それはないの」
「ええ、ないわ」
 そうしたことはというのです。
「あの人達は別に卵には何もないから」
「怖がることもないの」
「むしろ食べる位だから」
「あら、そうなの」
「別に何もないわ」
「だといいけれど」
「あくまでノーム族の人達だけよ」
 卵、ひいては鳥を怖がるのはです。
「そこは安心してね」
「それじゃあね」
「あともうノームの人達も卵は怖がっても」
 このことは事実にしてもというのです。
「あの人達も卵に触って死んだりしないわ」
「そこは変わったの」
「そうよ」
「オズの国の人達だから」
「完全にそうなったからね」
 だからというのです。
「変わったのよ」
「それは何よりね」
「しかも悪い人達でもなくなったら」
 過去色々と騒動を起こしてきたそのノーム族であっても。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧