聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
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728部分:第百九話 黄泉比良坂その二
第百九話 黄泉比良坂その二
「相変わらず力は凄いな」
「貴様もな」
デスマスクとカナンはそれぞれ言い合う。
「しかしな。それでも勝つのは俺だ」
「貴様だと言えるのか」
「そうだ。俺は勝つ」
こう言うのだった。
「最後には絶対にな」
「そういえば貴様はだ」
カナンはその彼等を見て話していく。
「まだ技があると言っていたな」
「そうさ」
また不敵な笑みであった。
「手前には何があっても勝てるんだよ」
「貴様の切り札」
カナンはそれを冷静に見ながら述べる。
「ではそれを見せてもらうか」
「いいだろう。いい加減俺もアーレスの野郎のところに行かないといけないしな」
「アーレス様のところに行くというのか、まだ」
「だから何度でも言ってやるぜ」
また返す彼だった。
「それこそ何度でもな」
「では来るがいい」
その技を見ながらの言葉だった。
「貴様のその技でだ」
カナンは言いながらまた構えてきた。そうして言うのだった。
「今度はだ。ブラックエンドライトだけではない」
「あの蝿も出すってのか?」
「そうだ、ヘルズフライをだ」
まさにそれをだという。
「その二つの技を同時に放って倒す、いいな」
「まあその二つの技を同時に受ければな」
デスマスクはその彼の言葉を受けていた。
「確かに俺も無事では済まされないな」
「そうだな。まさにな」
「まあ確実に死ぬな」
自分でもそれはわかっていた。だからこその言葉だった。
「幾ら俺でもな」
「だからこそその二つの技でだ。貴様を倒す」
「そうなればいいがな。しかしな」
「しかしか」
「俺もそう易々と受けるつもりはない」
こう言ってであった。余裕のある笑みはそのままだった。
そのうえでだ。構えはしない。しかしだった。
デスマスクの黄金の小宇宙が極限まであがる。まさに黄泉比良坂を全て照らさんまでにだ。それだけの小宇宙を放ちながらの言葉だった。
「言っておくが尋常な技じゃねえからな」
「あの積尸気冥界波よりもか」
「あの技でも手前は倒せねえ」
言葉に鋭いものも宿った。
「だから最初からこれでいくつもりだった」
「貴様のその最大の技でだな」
「出すのははじめてだがな」
このことも言う。
「だがな。それでもだ」
「使うのだな」
「俺もな。死ぬ訳にはいかねえからな」
「その技、見せてもらおう」
「ああ、見やがれ!」
この言葉と共にであった。
「このデスマスク最大の技!」
デスマスクの全身からこのうえない小宇宙が沸き起こりであった。そうしてその技の名前を叫んだ。
「積尸気転霊波!」
「何っ、これは!?」
無数の戦士達が姿を現した。それは。
「これまでの無数の戦士達がか」
「その通りだ。俺は相手をぶち殺すだけじゃねえ」
それだけではないというのだ。
「こうして魂を呼び出すこともできる」
「それもだというのか」
「そうさ。この技ならだ」
言いながらだった。デスマスクは今にも倒れそうになっている。しかしその中でも不敵な笑みを浮かべてだ。そのうえで言ったのである。
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