聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
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72部分:第八話 罠その六
第八話 罠その六
「出番はちゃんとあるからな」
「あるんですか」
「ああ、間違いなくな」
安心させるような言葉ではなかった。当然といった感じの言葉だった。
「闘う相手はいる、確実にな」
「頼みますよ」
「俺達だって折角来ているんですし」
「まあそれでもだ」
デスマスクは彼等の言葉を聞きながら顔を前に戻した。やはりロファールを見ている。
「メインは俺だがな」
「黄金聖闘士には誰も勝てませんよ」
「一人いたらそれこそ」
「一人!?」
しかしデスマスクはここでのディオとゾルダの言葉に何故か声をかけてきたのであった。
「一人か」
「って一人じゃないですか」
「黄金聖闘士でここに来られているのはデスマスク様御一人ですよ」
「さて、どうかな」
楽しげに含み笑いを浮かべての言葉だった。
「それはな」
「って実際になあ」
「そうだよな」
ジャミアンとディオはデスマスクの今の言葉を聞いて彼の後ろで怪訝な顔を見合わせ合ってひそひそと話をするのであった。
「デスマスク様しかおられないし」
「そもそも黄金聖闘士が出撃すること自体が」
「結果はおいおいわかるがな」
デスマスクは答えようとはしなかった。
「それはな。じゃあよ」
「はい」
話は戻った。
「このままあいつを追うからな」
「はい、それはもう」
「このまま」
彼等も今の言葉にはすぐに答えることができた。
「追いましょう」
「しかしそれでも」
「もうすぐだぞ」
デスマスクは彼等が言う前にこう言ってきた。
「あいつが仲間と合流するのは」
「そうですか」
「ああ、四つの小宇宙を感じる」
既にそれを察知していたのだ。流石は黄金聖闘士と言うべきであった。
「向こうは合計十人か」
「十人か」
「一人が確か八大公の一人ベルゼブブのカナン」
ゾルダとブラウが述べる。
「でしたよね、確か」
「ああ、そいつだ」
デスマスクは既にこのライプチヒで彼と対峙している。だからよく知っていた。
「そいつもいる。だが相手は俺がしてやる」
「デスマスク様が」
「俺じゃなきゃ相手にならないだろうが」
余裕を漂わせる言葉をかけるのだった。
「黄金聖闘士の俺じゃなきゃな」
「確かにそれは」
「相手も確か」
「そうだ、光の速さで動ける」
まずはそれだった。
「それにセブンセンシズも持っているな」
「じゃあまず俺達じゃ敵いませんよ」
「絶対に」
「オルフェとかだといけそうだぞ」
琴座の白銀聖闘士の一人だ。その実力は白銀聖闘士随一とも噂されている。
「あいつだとな」
「あの人はまた別ですよ」
「そうそう」
ブラウとレッシュがそれを聞いて言う。
「実力だけじゃなくて音楽の才能も」
「天才的じゃないですか」
「あいつだったら一人でもいけるか」
デスマスクは二人のその言葉を聞きながら呟く。
「俺がいなくてもな」
「けれどデスマスク様」
アンタスが言ってきた。
「何だ?」
「どっちにしろデスマスク様はここに来なければならないんですよね」
「ああ、そうなるよな」
「結局はな」
今のアンタスの言葉を聞いてジャミアンとディオも言ってきた。
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