| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

719部分:第百七話 全てを斬るものその一


第百七話 全てを斬るものその一

                  全てを斬るもの
 シュラの右手が動く。それは光の動きだった。
「光か」
「見えるな」
「光を見ることができるのは我等だけだ」
 これがジークの返答だった。
「光を操れる我等だけだ」
「そうだな。だからこそ見ることができるな」
「如何にも」 
 この時もジークの不敵は変わらない。まさにそれこそが彼だった。
「さて、そしてどうする?」
「このシュラもまた剣を使う者」
 シュラは右手をゆっくりと振り上げながらジークに告げる。
「ベール、貴様と同じくだ」
「このムーンブレイドは一つの腕だけで放つものではないしな」
「そうだな。ベールの八本の腕でだな」
 それで放つ技だというのである。
「使う技だな」
「その通りだ。それがわかるか」
「ベールのことは知っている」
 今話すのはそこからだった。
「ならばそれも当然のこと」
「このジークの技は一つの腕から出すものではない」
「そうだな。八本の腕から放つもの」
「だからこそこれだけの威力があるのだ」
 ただ一本の腕から放つものではないというのだ。八本の手で放つものだという。そしてだ。その凄まじい攻撃はシュラを襲い続けている。
「さて、これだけの攻撃だが」
「どの様にして退けるかか」
「それも見せてもらおう」
「いいのか?それで」
 シュラは今のジークの言葉を受けて冷静な言葉で返した。
「俺が貴様の技を返しても」
「できるならばな」
「つまりそうならない自信があるということか」
「そういうことだ。さて、それがどうなのか見せてもらおう」
「いいだろう。それではだ」
 その振り上げられた右腕がだ。一気に振り下ろされた。そして叫ばれた技の名前は。
「カリバーン!」
「何っ!?」
 ジークはその技の名前を聞いて思わず声をあげた。
「カリバーンだと!?」
「聞いたことはないな」
「エクスカリバーではないというのか」
「そうだ、聖剣エクスカリバーをも凌駕する技」
 こう言うのである。
「これがこのカリバーンだ」
「それでこのジークのムーンブレイドを退けるというのか」
「そうだ、このカリバーン」
 また技の名前を言ってみせるのだった。
「そうそう容易な技ではない」
「その様だな」
 それはジークも悟ることだった。攻撃を見てだ。
「しかしだ」
「しかし?」
「その腕は一本だな」
「それがどうかしたのか」
「このジークの腕は八本だ」
 またその腕のことを話すのだった。
「その八本の腕に勝てるのか」
「勝てると言えばどうする?」
「それもまた見せてもらう」
 言葉が逆になっていた。見事なまでにである。
「このジークの技を破れるかどうかだ」
「どちらが勝つか勝負というわけだな」
「その通りだ。貴様の一本の腕が勝つか俺の八本の腕が勝つか」
「ではそれも勝負だ」
 こう言ってである。攻防がさらに続く。シュラのカリバーンは一直線に進みz−クのムーンブレイドの衝撃波を次々に打ち破っていく。
 しかしだ。衝撃波は次から次に来る。まさに尽きることがない。
「まだ出て来るのか」
「そうだ、この衝撃波は尽きることがない」
 ジークの顔には笑みはない。しかし言葉にはそれがあった。
 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧