カードファイト!!ヴァンガードG ネクステージジェネレーション
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turn:28 思わぬ強敵
前書き
アヤカのファイトを見て俄然気合の入ったタイガ達
そしていよいよ全国大会の試合の時を迎える
先鋒戦に出場したメグミは思わぬ相手に苦戦を強いられる
それでもあきらめない彼女は驚くべき方法で反撃に移る
いよいよタイガ達チームクレストロードの一回戦が近づいていた
「全国大会からは順番を決めてファイトするから、この順番も重要になるわね」
そう言って出場者向けのパンフレットを読みながらジュースを飲むメグミ
「早く新しいデッキを試してみたいんだ、俺に行かせてくれ」
「いーや、ここは俺が行く、お前は2番手でだってファイト出来んだろ」
「ん~、これは普通に相談したんじゃ決まらなそうね」
そう言ってメグミが自分のデッキを取り出してカードを3枚取り出す
「じゃ、グレードじゃんけんで引いたカードで決めるっていうのはどう?」
「つまりグレード1を引いた奴が最初にファイトするってことか?」
ハジメの言葉にジュースを飲みながら頷いてカードを差し出すメグミ
「おもしれえ!恨みっこなしだからな!」
「「「グレードじゃんけんじゃんけんポン!」」」
Turn:28 深淵の歌姫
「チームクレストロードVSチームミラクルスター!先鋒戦は葛木メグミ選手VS深澤カナ選手」
ミツキの実況に会場が湧く中控室のタイガは一人しょげ返っていた
メグミが用意したエメラル、ローザ、ヴェールの中でヴェールを引いたタイガは3番目
早くファイトしたいのに順番は最後となってしまった
「あいつ、ちゃっかりしてるよな」
そんなタイガを横目で見ながらハジメが呟くとタイガは黙ってその場で小さく頷いた
「試合開始!」
「「スタンドアップ!ヴァンガード!」」
審判の合図と同時にメグミがファーストヴァンガードを開くとフィールドがメガラニカの海中ステージへと変わった
「あれ?バミューダのホームか?いつもとなんか違うけど」
それを見たタイガがようやく顔を上げる
「そう言えばいつもは海岸線のフィールドだよな」
「BN-PRISM サファイア!」
「多彩な笑み フラッテ」
相手のファーストヴァンガードはパステルカラーの衣装が特徴的な“人魚のユニット”
そのユニットを見たメグミは目を見開いた
「あのユニット!」
「なんとー!この試合両者のクランはバミューダ△!同じクラン同士の対決だ!」
「同じクラン………」
タイガにも経験があるからよくわかる
同じクラン同士の対決は互いのデッキ構築やプレイングの差が情緒に出やすい
クラン特性が同じ以上多少軸の違いはあれど方向性は似通ってくる
相手のデッキの動きに注意しながら自分のデッキがうまく回るようにしていかなければならない
「ライド!熱々娘 スイファ!」
中華服に似た衣装の人魚
それを注意深く観察するメグミ
「(あのユニットは確か………ということはあのデッキのキーカードは)」
相手のデッキを観察しながらドローするメグミ
「BN-PRISM エメラルにライド!サファイアのブーストでヴァンガードにアタック!」
【PRISM-I サンシャイン・ローザ】トリガーなし
エメラルの尻尾による殴打を受けるスイファ
「ダメージチェック」
【ガンスリンガースター・フロリダ】クリティカルトリガー
「シャイネス・ラグーナ ラプラにライド!ガールズロック リオをコール!リオでアタック!」
リオがギターを鳴らすと響いた音による攻撃で苦しむエメラル
【BN-PRISM エメラル】トリガーなし
「フラッテのブーストしたラプラでアタック!」
【コミカル・レイニー】クリティカルトリガー
ラプラの歌声で大きく吹っ飛ばされそばにあった岩にたたきつけられてしまうエメラル
【PRISM-P プリンセス・レイテ】トリガーなし
【PRISM-M ティモール】ヒールトリガー
「ゲット、ダメージ一枚回復」
今のターン、ヒールトリガーが出なければ一気に3ダメージ貰うところだった
やはり全国大会、どのチームもかなりの実力者であることは間違いないようだ
「けど、わたしだってバミューダ△で負けるわけにはいかない!」
ローザにライドしたメグミの隣にローザとリュミエール
更にクリアとエメラルもコールして盤面を整える
「リュミエールでリオにアタック」
「ガード!」
勢いよく向かっていったリュミエールがコミカル・レイニーと頭をぶつけあってしまう
「ヴァンガードにアタック!」
ヴァンガードのローザがラプラに向かっていく
「ドライブチェック!」
【PRISM-Duo アリア】トリガーなし
ローザの放った歌声でラプラが身を捩じらせる
【ガールズロック リオ】トリガーなし
「エメラルのブースト!ローザでリオにアタック!」
「そうはさせないわ!」
必殺パンチ!ミチルが繰り出した拳がローザの攻撃を跳ね返した
二人の行動が気になったタイガは端末を操作していた
「なるほどな」
何故メグミは執拗にリアガードを狙ったのか、そして相手選手はなぜそれを阻止しようとしたのか
その答えは狙われたユニットにあった
「スタンドアンドドロー」
引いたカードを確認してカナは笑みを浮かべる
「ライド!ベルベットボイス レインディア!更にピースフルボイス レインディアをコール」
カナがライドしたユニットは寒色系の衣装を身に纏ったユニット
儚げな雰囲気はメグミのユニットとはずいぶん違って見えた
「リアガードのリオはパワー8000、メグミのユニットはどれもパワー9000、ありゃ一度下げてくるな」
ハジメの予想通り、カナはリオを一度後列に下げた
先ほどのターンの様に殴り返されることを警戒したのだろうか
「ベルベットボイス レインディアでアタック」
メグミは前のターン全力で攻撃したため手札はわずか3枚
完全ガードはあるが………
「ノーガード」
「ドライブチェック」
【マーメイドアイドル エリー】トリガーなし
【シャイネス・ラグーナ ラプラ】トリガーなし
「ふぅ、出なかったか」
カナのドライブチェックを見て安堵の息を零すハジメ
レインディアが祈るように歌い始めその歌声で震えた空気がローザを苦しめる
【PRISM-I サンシャイン・クリア】クリティカルトリガー
「効果はすべてリアガードのローザに」
「ここでリアガードにトリガーを振ったか」
メグミの行動を見て再び盤面を観察するタイガ
「なるほど、けど、うまくいくのか」
メグミの狙いはわかった、だがこれは危険なかけであることも理解できた
「ピースフルボイスでヴァンガードにアタック!」
この攻撃もメグミはノーガード
【PRISM-P プリンセス・ケルト】トリガーなし
「スタンドアンドドロー」
メグミはすぐさま手札の1枚を手に取った
「イメージ爆発!元気炸裂!光輝く希望をこの手に!PRISM-I ヴェールにライド!サファイアのスキルでクリアを手札に、クリアのスキルで、スペリオルコールしたヴェールを手札に!」
更にメグミはGゾーンの一枚に手を伸ばす
「高ぶれ!私のイメージ!理想の世界を掴み取れ!ストライドジェネレーション!サンシャイン・ヴェール!」
バミューダ△に共通する点、ユニットを手札に戻し、スキルを駆使してさらに手札を増やす
そのためにもメグミは序盤から攻めに行った
サンシャイン・ヴェールを使うためにわざとダメージを受けたのだ
「リュミエールでヴァンガードにアタック」
リュミエールの攻撃がレインディアに決まる
【必殺パンチ!ミチル】クリティカルトリガー
「いきなりダメージトリガーが出たか」
そう言ってハジメが頭を抱える
タイガは心配そうにメグミを見つめていたが
「エメラルのブーストしたローザでヴァンガードにアタック」
「コミカル・レイニーでガード」
「サファイアのブースト!サンシャイン・ヴェール!」
「ノーガード」
サンシャイン・ヴェールがレインディアに向かっていく
【PRISM-R リュミエール】トリガーなし
【ハートフルエール ファンディ】ドロートリガー
「一枚ドロー!パワーはサンシャイン・ヴェールへサードチェック」
【PRISM-I サンシャイン・クリア】クリティカルトリガー
「よしっ!効果はすべてサンシャイン・ヴェールに!」
サンシャイン・ヴェールの歌声がレインディアに衝撃波となって襲い掛かる
【見守る姉 ロペル】トリガーなし
【猛進する妹 ラペル】トリガーなし
「サンシャイン・ヴェールのスキル!手札のリュミエール、ケルト、アドリアを捨て、リュミエールとエメラルを手札に、そしてハーツのヴェールを再びヴァンガードに!」
続けてメグミはさらに手札を一枚手に取った
「さらに!手札のヴェールにブレイクライド!」
「ブレイクライド………そのために敢えてダメージを受けたのね」
「エメラルのスキル!」
「なんですって!?」
エメラルのスキルで残ったローザとサファイアを手札に戻すメグミ
これによりヴェールのパワーが+5000されるが
「そんなことしたらブレイクライドスキルが無駄に………えっ?」
NEO-GARSの画面を操作してヴェールのパワーを確認するカナ
「発動している………どうしてっ!?」
「ヴェールのスキルはリアガードを2枚まで戻すこと、戻さないことも選べるの、加えて手札に戻すのとドローするのは別の処理、戻さなくてもドローは出来るわ」
そう言って新たに引いた1枚を裏向きのまま見せるメグミ
「ヴェールでもう一度アタック!」
「ジェネレーションガード!波間の美唱 ナージャ!スキル発動!手札のベルベットボイスを見せてシールド+5000!」
「ツインドライブ!」
【BN-PRISM ガーネット】トリガーなし
【PRISM-P プリンセス・ケルト】トリガーなし
ナージャによってヴェールの攻撃が阻まれ失敗してしまう
「惜しいっ!」
「だがお陰で手札がかなり増えてる、リアガードを開けても、あの手札の差は大きい」
カナの手札3枚に対してメグミの手札は10枚
この差は大きい
「今度はこっちの番よ」
カナはドローしたカードを見て笑みをこぼした
「リオを前へ、ピースフルボイスを後ろへ、ラプラとスイファをコール」
あちらもリアガードを埋めて万全の体制が整ったようだ
しかしラプラのパワーは9000
そのままではヴェールには届かないはずだが
「(確信しているんだ、このターンきっと“来る”って)」
「スイファのブーストしたリオでアタック!」
「(ここはノーガードで通して、後の攻撃に備える!)」
リオのギターの音色が衝撃波となりヴェールに襲い掛かる
【PRISM-P プリンセス・レイテ】トリガーなし
「フラッテのブースト!ベルベットボイス レインディアでヴァンガードにアタック!」
「クリアでガード!」
ベルベットボイスのパワーは15000
21000となったヴェールにはトリガー2枚引かない限り届かない
「ツインドライブ!」
【ピースフルボイス レインディア】トリガーなし
「っ!」
「マジで来やがった!」
一見すると意味のないカード
だがこのカードが大きな意味を持っていた
「ベルベットボイスのスキル、グレード3がドライブチェックでめくられたとき、リアガードを1枚手札に戻し、手札から1枚コール、ベルベットボイス!」
リアガードにベルベットボイスが現れたことで追撃が可能に
しかもそれだけではない
「手札に戻ったとき、リオのスキル発動!、カウンターブラスト!ソウルチャージして1枚ドロー!セカンドチェック」
【熱々娘 スイファ】トリガーなし
「まだまだ、ピースフルボイスのスキル、カウンターブラスト、ツインドライブできなくなる代わりに、このユニットをヴァンガードサークルへ!」
ピースフルボイスがヴァンガードとして現れる
レインディアがドライブチェックでめくれたときカウンターブラストを2枚支払って初めて使えるスキル
だがその分協力だ、しかもまだスキルは残っている
「フラッテのスキル、カウンターブラストして自身をソウルへ、スイファを手札に戻し、2枚のスイファを手札からコール!」
これにより更なる追撃が可能になった
「マジか………」
あまりの光景にタイガは開いた口が塞がらない
たった1枚、ドライブチェックでめくっただけでこれだけのスキルを一度に連鎖させた
カナの実力も間違いなく本物だ
「スイファのブーストしたベルベットボイスでアタック」
「おいおい!?もう1個のスキルも発動させる気か!?」
ハジメの言葉を聞いてカードの効果を画面を使って確認するタイガ
ピースフルボイスのスキルを読み上げると顔が青ざめる
「マジ?これ発動したらとんでもないぞ」
「サファイアでガード!」
「トリガーチェック」
【猛進する妹 ラペル】トリガーなし
「うおっ!?本当に出やがった!」
「え!?あれグレード1のカード………」
「グレード3のカードがめくられたときピースフルボイスのスキル発動!」
「え!?すんの発動!?何で?」
「あのカードはトリガーゾーンでグレード3として扱うんだよ、ま、特殊なカードだから知らないのも無理はないけどよ」
困惑するタイガに頭を抱えながらそう答えるハジメ
「手札のピースフルボイスをソウルに入れ、ベルベットボイスを手札に、ドライブ+1!更にスイファのスキル、スタンドして前列に移動!パワー+4000!そしてラプラのスキル、今ソウルに入れたピースフルボイスをソウルブラスト、手札からラペルをコールし、自身とラペルにパワー+2000、そして追加のドライブチェック」
【シャイネス・ラグーナ ラプラ】トリガーなし
「ラプラのブーストしたスイファでアタック!」
「ファンディとローザでガード!」
「スイファのブーストしたラプラでアタック!」
「ケルトとエメラルでガード!」
「っ!?ターンエンド」
「凌ぎ切ったぁ!メグミ選手今の攻撃を何とかしのぎ切った」
「けど、アタッカーをほとんど使っちまった」
メグミの手札は4枚、どうやらノーマルユニットばかりだったようで余分な手札を使ってしまった
「それでも私は負けない!スタンドアンドドロー!」
恐る恐る引いたカードを確認するメグミ
「(これならいける!)」
引いたのは2枚目のガーネット
メグミの眼は勝ちを確信していた
「ストライドジェネレーション!もう一度サンシャイン・ヴェール!そして、エメラル!リュミエール、ガーネット、アリアをコール!」
「っ!?リアガードにガーネットが………」
サンシャイン・ヴェールのスキルはGユニットの攻撃後に飛んでくるブレイクライド
そしてガーネットの効果は追加のリアガードをアタック時にコールする
カナは手札を見た、完全ガードもジェネレーションガードも可能、だが攻撃回数が多すぎる
すべてガードするには手札が足りない
「そんなっ………」
「エメラルのブースト!リュミエールでアタック!」
リュミエールが勢いよくピースフルボイスに向かっていく
その尻尾による殴打がピースフルボイスに決まる
「まだよ、ダメージチェック」
【ベルベットボイス レインディア】
「負けたっ」
「勝者!葛木メグミ!」
「っしゃあ!」
3人で変わりばんこにハイタッチして勝利に沸くタイガ達
一方相手チームは負けて落ち込むカナをチームメイトが励ましていた
その光景を見てタイガは真剣な表情になった
「次頼むぜ、ハジメ」
「いわれるまでもねえよ」
そう言ってハジメがコンソールへと向かう
「中堅戦、天童ミコト選手対綺場ハジメ選手」
対戦相手のミコトは真剣な表情でハジメを見ていた
「チームのため、そして何より全力で戦ったカナのためにも、このファイト負けられない」
「それはこっちだって同じだ」
互いに睨み合ってファーストヴァンガードに手を伸ばす
「試合開始!」
「「スタンドアップ!ヴァンガード!」」
後書き
次回予告
初戦を見事勝利で飾ったメグミに続いて出場したハジメ
相手は癖の強いデッキを使いこなす強敵だ
それに対して真っ向からぶつかっていくハジメ
はたして一回戦の行方は
turn:29 神託の天使
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