病みそうにない艦娘が病んじゃったお話
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ニ話目という名の過去編(天龍)
前書き
前回のあらすじ
龍田に出会ったらヤンデレ天龍に会った。
というかネタ的な要素が出せない。
さて、天龍が何故ヤンデレになってしまったのかを確かめるためもう一度過去に遡ろう。
実松響こと新提督が鎮守府に着任してからまだ数日、着任当時は一部の艦娘に騒ぎを起こしていたということで警戒されていたが、彼は根っから優しい性格だったためすぐに馴染ませることができた。
そんなある日提督は一つ気になったことがあった。
その時の秘書艦である龍田にその事を話しかける。
「龍田、天龍って奴はどこにいるんだ?名簿の写真で見たんだが会ったことが無いからさぁ。」
「・・あぁ、天龍ちゃんはですね、ちょと・・・」
「前の提督のことで何かあったようだな。」
「はい・・、実はーーーー」
この鎮守府の天龍は当時引きこもっていたのだ。
前の提督のときの自分は上手くいかなかったようで、戦闘に出た際には大破してすぐに戻ってきたり、遠征のときは仲間を上手く守れなかったり、鎮守府内ではせめて子供の心を持っている駆逐艦の世話をしようとしたのだがどれも上手くいくことがなく、結果的に自分に自信が持てなくなり自分の部屋に引きこもるようになってしまったのだ。
今のところ天龍と同じ部屋に住んでいる龍田だけが、救いであるがそろそろ自分に安心してほしい、みんなにあってほしい、それが今の龍田の願いだった。
提督は龍田と一緒に天龍の部屋に来た。
その時の天龍はすごくやつれてており、気力というものが一切感じられなかった。
「天龍ちゃん、新しい提督さんよ。この提督さんはすっごく優しくてみんなに信頼されているの。だから天龍ちゃんの力になってくれるわ。ほら挨拶をして、ね?」
「龍田・・・今誰とも話したくないんだよ・・・。どっかいってくれ・・・。」
「天龍ちゃん・・・」
「龍田、今はそっとしてやろう。」
「・・はい・・・。」
二人は一旦天龍の部屋を離れて廊下で話し合った。
「正直かなりひどいな、俺も色んな奴と出会ってきたがアイツのようなのは初めてだ。」
「そうですよね・・・。」
「だがこのまま放っておくことはダメだな、俺がなんとかして天龍に元気をやらねーとな。」
「いいんですか?提督・・・。」
「当然だ。あんなヤツを放っておくほうが難しいぜ。と言うか無理だ。」
「・・・ありがとうございます。」
それから提督は毎日天龍に会いに行った。
初めは龍田と一緒でなければ入れなかったがそれだけではダメだと提督は感じ、自分だけで天龍に会いに行った。
天龍はと言うと話しかけても何も口を開くどころか目を合わせてくれなかったが、徐々に心が晴れていっていって口は開くことは無かったが目をつねに合わせてくれるようになった。
ある日提督がいつものように天龍に会いに行くと今回は彼女から口を開いた。
「提督・・・、俺は・・怖いか・・・」
「えっ、あ、あぁ・・その・・・なんと言うか・・・その・・。」
「・・・怖いわけねーよな。ただでさえそれでバカにされてんだからなぁ・・・。」
天龍はさらに落ち込み目線をしたにやった。
すると提督はこんなことをいった。
「・・・確かに天龍は怖くない。」
「えっ」
「どっちかっと言われるとやっぱ天龍はかわいい感じがするな。」
「・・・」
「けど俺は今怖いことが一つだけある。」
「・・・なんだ?」
「それはね、天龍
お前がこのまま落ち込んで本当に何も出来なくなってしまうのが怖いんだ」
「・・・へ?」
「天龍、今すぐにとは言わない。それに時間なら沢山あるんだ。だから少しずつ仲良くなっていこうな。」
「提督・・・」
それから天龍は提督に心を開き、遂に引きこもりから卒業できたのだ。
その事に龍田や天龍を心配していた駆逐艦は泣くほど嬉しかったそうだ。
しばらくたって天龍と提督は二人で手合わせを始めていた。
提督は乗り気では無かったが、艦娘は艤装を外すと普通の人間と同じ力までしか出せなくなる。
それに引きこっていたせいか鈍ってしまった身体を取り戻したいという理由で提督に手伝いをしてもらっているのだ。
木曾?あれは既に病んでいたからノーカンで。
天龍は一方的に攻撃しているのに対し、提督はそれを防いだり避けたりしている。
提督は複数の憲兵を圧倒するほどの力を持っているため天龍の攻撃についていくことが出来たのだが、ヒートアップしすぎた天龍が提督の顔面に攻撃を当ててしまう。
当てた後に天龍は正気を取り戻し、提督に全力で謝った。
それに対し提督は笑って天龍をあっさりと許した。
むしろーーーーー
「天龍に殴られたおかげで昔の嫌な思い出が吹き飛んだよ。ありがとな、天龍。」
天龍はほめられた。
手合わせとは言え提督に攻撃を当ててしったのだ。
いくら艤装を外したとはいえど天龍は十分な力を持っている。
それにもかかわらず提督は怒るどころかお礼を言ったのだ。
そして提督は天龍にこう言った。
「もし嫌な事とかがあったら俺のところにくるんだ。俺がまた相手になってやるからな。」
それから天龍は提督に恋をするようになった。
提督と一緒になる時間が普段より長くなったのだ。
よく木曾となんやかんやでいがみうことがあったが、天龍は提督の好きな奴は自分なんだと一人で納得しているのだった。
そんなある日、天龍は思い切った行動に出た。
それは《ケッコンカッコカリ》が届いたら真っ先に自分にくれてほしいとのことだった。
ケッコンカッコカリとは簡潔にいえば、艦娘の練度の最大値を上げる物でも会ったのだが、その名のとおり愛を誓う物でもあるのだ。
その事を提督に伝えようと夜、誰もあまり動こうとしない時間帯に行動した。
その時廊下を歩いていると影でなにやら覗いている球磨達を見かけた。
天龍もこっそりと覗く。
しかし今の天龍には写ってしまってはいけないものが写ってしまったのだ。
それは
提督が木曾と廊下で思い切りキスをしているところだった。
正確にいえば木曾が提督に無理矢理キスをしているのだが天龍の中で何かが大きく崩れ去った。
次の日、天龍は人の気配のしない場所に提督を呼び寄せた。
「よう天龍、ここに呼んだのは手合わせか?」
「違う、今回お前を呼んだのは別のことだ。」
「それは?」
「・・・木曾とはどういう関係なんだ?」
「ヘアッ!?」
「昨日の夜廊下で見たんだ・・・提督と木曾をよう・・・どういうことなんだぁ・・・?!」
天龍は完全にブチ切れていた。そんな天龍を提督は必死に答えようとするがまさか観られていたとは思わず、混乱していた。
「えっとえっとえっとえっとそのなんと言うかそのあれだ、あれだよほらえーっと」
「さっさと答えろってんだこの野郎!!」
そう怒鳴りながら提督を殴った。
「ぐぼらっ!?て、天龍!どうしたんだ!?」
「どうしたもこうしたもねぇよ!俺は・・・俺はお前のことが好きだったのに・・・!」
「ゑ゛ゑ゛ぇ!?」
「それなのに・・・それなのにお前は・・アイツと・・!」
天龍は再び提督を殴ろうと近づいていく。
「天龍!おまっ今のお前怖いからやめてくれええぇ!」
すると天龍の足がピタリと止まった。
「提督、今なんつった?」
「いや今のお前怖いからやめろっつたんだ!」
「俺が・・・怖い・・・?」
「あぁ!マジで今のお前は怖いからやめろ!いいな!?頼む!」
最愛の人に怖いと言われた。
その事に天龍は・・・
「・・フフフ、フフフフフフ、あっはっはっはっはっはっはっはっあーっはっはっはっは!!!」
突如天龍は笑い出した。
「どうしたんだ!?天龍!?おい!?しっかりしろ!」
「俺のことが怖いんだろ!?その事で俺はすげぇ喜んでんだよ!!ずっと思い知らせてやりたかったんだ!!この感じをよお!!」
「お、落ち着け!!天龍!しっかりしろぉ!」
「覚悟しろよぉ、提督・・・しっかりとその恐怖を刻み込んでやるからなぁ!!」
「ちょっ天龍!!やめろおおおおおおおぉぉぉ!!!」
その後騒ぎを聞き付けた艦娘達が天龍の暴走を止めた。
何とか落ち着かせることに成功さるもののその後天龍の暴走は発作のように起こり、特に機嫌が良いときになるようなものになってしまった。
そのせいで鎮守府内の艦娘は天龍に対し本当に恐怖を抱くようになった。
それ以来艦娘達はもしものために天龍の機嫌が良いときはすぐに対応出来るよう提督といるようになったのだ。
一方提督は天龍の気持ちに気付くことに出来なかった自分への償いをするために、暴走した天龍に出会っても出来るだけ逃げずに説得するようになったのだ。
以上が天龍がヤンデレになってしまった切っ掛けの回想である。
もし自分の鎮守府の天龍がヤンデレになってしまったら貴殿ならどうしますか・・・?
ちなみに自分なら全力で逃げます。
だって怖いもん。
後書き
あぁ・・
何かまた長くなったなと思うのは自分だけかなぁ・・・
ちなみにこの小説はギャグ要素が有ります。(今更)
だってシリアス苦手なんだもん
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