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バトミントンの後で

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第三章

「大きなのね、安かったから」
「一個なの」
「そう、一個ね」
 それだけあるというのだ。
「だから遠慮しないで食べてね」
「四人で」
「お母さんも入れて五人よ」
 友美は自分の母に顔を向けて彩乃に話した。
「五人で食べましょう」
「ううん、凄いわね」
「かなりの量ね」
 公子と郁実はちゃぶ台の前に置かれた三角に切られた西瓜達を見て言う、一個丸ごととなるとだった。
「これだけ食べると」
「かなりよね」
「食べられるかしら」
「果たして」
「実は食べて欲しいのよね」
 少し申し訳なさそうに笑ってだ、友美は二人に話した。
「一個分ね」
「五人で」
「そうなのね」
「実はお兄ちゃんが西瓜好きで」
 友美は自分の家族の話もした。
「今日食べてもらうつもりだったけれど」
「じゃあ何でそうしなかったの?」
「お兄さんに食べてもらわなかったの?」
「昨日アイス食べ過ぎてお腹壊して」
 それでというのだ。
「今日は無理なの」
「ああ、アイスね」
「食べ過ぎてお腹冷やしてなのね」
「お兄さんが食べられなくて」
「それでなのね」
「無理しないでね」
 そのうえでというのだ。
「一個分食べてね」
「ううん、汗かいたしね」
「それで喉も渇いたし」
「だからね」
 二人だけでなく彩乃も言った。
「食べられると思うけれど」
「これだけあっても」
「何だかんだで五人だし」
「私も喉渇いてるから」
 かく言う友美もだった。
「食べられると思うわ」
「よし、じゃあね」
 彩乃がその友美に応えた。
「皆で食べましょう」
「ええ、今からね」
「そうしましょう」
「何はともあれ」
「頂きますね」
 公子と郁実は彩乃の言葉に応えた、そしてだった。 
 友美の母も入れて五人で西瓜を食べた、四人はバトミントンで汗をかき喉が渇いていたので勢いよく食べられた。
 そしてだ、気付いた時にはだ。
「一個ね」
「全部食べたわね」
「しっかりとね」
「いや、本当にね」
「ええ、そうね」
 一緒に食べた友美の母も言った。
「皆でよく食べたわね」
「私こんなに食べたのはじめてです」
 彩乃はその友美の母に話した。
「西瓜は」
「そうよね、おばさんもよ」
 友美の母もこう言った。
「西瓜こんなに食べたのはじめてよ」
「そうだったんですか」
「ええ、皆五年生よね」
 友美の母は彩乃達の学年も聞いた。
「友美と一緒だから」
「はい、そうです」
「皆同じクラスです」
「楽しくやってます」
 彩乃だけでなく公子と郁実もだ、友美の母に答えた。友美の母は三人のその言葉を聞いて笑顔で言った。
「そうよね、皆で仲よく西瓜を食べて」
「よかったわ」
 友美も言った。 
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