バトミントンの後で
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第一章
バトミントンの後で
木原彩乃はその時自分の部屋で宿題をしていた、彩乃は夏休みの宿題は早いうちに済ませるタイプで夏休み三日目にして半分以上終わっていた。
その彼女にだ、クラスメイトの渡部友美が携帯から誘いをかけてきた。
「これから公園で遊ばない?」
「公園で?」
「そう、 西三丁目のね」
友美の家の近くのその公園でというのだ。
「あそこでね」
「ああ、あそこね」
彩乃は友美の話を聞いて細い眉と黒目がちの少し垂れた感じの目が印象的な顔で頷いた。伸ばした黒髪は右のところのヘアピンがいいアクセサリーになっている。リボンのある上着とふわりとしたスカートがお嬢様の様である。
「あそこならね」
「広いからね、あそこ」
「バトミントンにいいわね」
「だから公子ちゃんや郁実ちゃん達も誘ってるの」
「二人は何て言ってる?」
「行くって言ってるわ」
「二人共なの」
彩乃はそう聞いてだ、友美に答えた。
「じゃあね」
「来る?」
「うん、宿題も一段落ついたし」
算数のドリルが今終わったところだ。
「それじゃあね」
「よし、それじゃあね」
「三丁目の公園に行くわ」
「今から」
「バトミントンするのよね」
「今言った通りよ」
実際にとだ、友美はまた答えた。
「ラケットは公園の倉庫にあるから」
「羽根もよね」
「そう、どっちもあるから」
「じゃあ行けばすぐに出来るわね」
「私も今から行くから」
公園の方にというのだ。
「それじゃあね」
「ええ、今からね」
彩乃は友美に応えてだ、そしてだった。
実際に母に三丁目の公園に行くと言って外に出た、だがここで母にこう言われた。
「帽子被っていきなさい」
「お日様が強いから?」
「そう、日射病になるから」
まさにそれだからというのだ。
「だからね」
「そうね、日射病怖いから」
「いつも言ってるでしょ、夏はね」
日差しが強い、それでと母は娘に言った。
「気をつけなさい」
「じゃあ麦わら帽子被ってくわ」
「そうしなさい」
「うん、それじゃあね」
彩乃は実際にだった、麦わら帽子を手に取って被ってだった。それから三丁目の公園に向かった。公園に着くと。
その友美と岡田公子、優木郁実がいた。三人は彩乃が来るとすぐに言ってきた。
「じゃあ今からね」
「バトミントンしよう」
「四人でね」
「うん、そうしようね」
彩乃は三人に笑顔で応えた、そして早速だった。
四人で輪になってバトミントンをはじめた、軽く順番で打ち合うが。
その中でだ、友美は彩乃達にこう言った。丸眼鏡の顔で。
「何かね」
「そうね、やってるとね」
「夢中になってきたわね」
おかっぱ頭の公子とポニーテールの郁実も言う。
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