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Blue Rose

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第三十五話 欧州の美その七

「本当にね」
「そうか、それじゃあな」
「龍馬もね」
「楽しみにしてるな」
「それじゃあね」
「あと午後は他にも回るよな」
「陶器のコーナー以外にもね」
 優花は龍馬の今の言葉にすぐに返した。
「行くわ」
「恐竜のコーナーもあるな、ここ」
「龍馬そこに行きたいのね」
「恐竜って聞いたらな」
 龍馬は笑って優花に話した。
「行かないと気が済まないんだよ」
「龍馬は昔からそうね」
 それこそ幼い頃からだ、優花はその頃の龍馬を思い出してくすりと笑って述べた。
「恐竜好きよね」
「ああ、好きだよ」 
 実際にという返事だった。
「子供の頃から」
「だからよね」
「ああ、行けるならな」
 是非にというのだった。
「行こうな」
「それじゃあね」
「恐竜はロマンだよ」 
 龍馬は笑ってこうも言った。
「何といっても」
「太古の」
「昔の生きものってそうだろ、マンモスとかオオツノシカとか」
「あとサーベルタイガーね」
「そうした哺乳類だってそうでな」
「恐竜は特に」
「ロマンだよ、その姿を見たら」
 例え画像や模型、そして化石でもだ。
「それだけで満足だよ」
「恐竜本当に好きなのね」
「だから行こうな」
「ええ、午後は」
「その為にも飲んでも」
 ワインをまた一本だ。
「潰れないさ」
「絶対に」
「約束するよ」
 今もまだかなり赤い顔だが言葉は確かだった。
「だからな」
「安心していいのね」
「それで飲もうな」
 笑って言う龍馬だった、そして実際にだった。
 昼食の時もワインを楽しんだ、勿論料理もだ。サラダとオードブルをからはじまりスープにあたるパスタもだ。それも食べた。
 パスタはフェットチーネだった、トマトと挽肉のソースだ。それを食べてだった。
 優花はにこりと笑ってだ、こんなことを言った。
「美味しいわ」
「そうだな」 
 龍馬も笑顔で応えた。
「このパスタな」
「フェットチーネね」
「俺これ好きなんだよ」
「私もよ」
 優花もだった。
「きし麺みたいで」
「きし麺も美味いしな」
「こうした幅の広いパスタも」
「ああ、美味いんだよな」
「フェットチーネにしてもね」
「いいな、ただな」
 そのパスタを食べつつだ、こうも言った龍馬だった。
「このパスタってコシもあって」
「ソースもね」
「いいな、茹で加減も」
「アルデンテね」
「丁度いいってことだな」
「そうよ」
 イタリア料理の用語の一つだ、パスタの茹で加減の一つであり二人の会話通り丁度いいという意味である。 
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