オズのビリーナ
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第七幕その二
「用心の大切さが」
「そうでしょ」
「だから今までやっていけたしね」
「今回ははじめての子達もいるから」
「余計にだね」
「注意しているよ、じゃあいいわね」
「行きましょう」
こうしたことをお話しながら入口まで進む一行でした、少し歩いていると黄色い煉瓦の道から外れた場所にです。
洞窟への入口がありました、ビリーナはその洞窟の前に着て五人に言いました。
「ここからよ」
「地下世界に入るのね」
「そうよ」
ナターシャに答えます。
「じゃあ行くわよ」
「地下だから」
恵梨香がここでナターシャに尋ねます。
「灯りは」
「それは安心して」
「大丈夫なの?」
「地下の世界とはいってもヒカリゴケがあちこちにあるから」
「光る苔ね」
「それで結構明るいの」
「だから灯りの心配はいらないのね」
「そうよ」
オズの国の地下世界ではというのです。
「だから心配しないでね」
「それじゃあね」
「そう、それとね」
「それと?」
「ノーム族に会っても心配しないでね」
「今のあの人達は」
「そう、別に悪いことはしないから」
こうナターシャ達にお話するのでした。
「むしろ友好的だから」
「今のノーム王の王様も」
「そうよ、ラゲドー王じゃなくなってね」
「それじゃあ」
「ただ、私は怖がるからね」
このことも言うビリーナでした。
「私達全員が友好的に接することが出来るかというと」
「それは無理なのね」
「私は無理よ」
到底というのです。
「だからその時は私は隠れているわね」
「ノーム族は卵が苦手だから」
「それでなのよ」
「そのこともわかったわ」
確かなお顔で答えたナターシャでした。
「それじゃあノームの人達のことも頭に入れて」
「行きましょう」
「それじゃあね」
ナターシャが頷いてでした、皆で地下世界に入りました。その中は確かにヒカリゴケで淡い青や緑色に照らされていて暗くはないです。
ちゃんと足元まで見えます、恵梨香はその足元を見て言いました。
「これだとね」
「普通に歩いて行けるわね」
ナターシャはその恵梨香に応えました。
「こうして」
「ええ、ヒカリゴケがあるから」
「こうした苔があるのもオズの国ならではね」
「お陰で助かるわ」
「だから暗くて見えないことはないからね」
トロットが五人にお話します。
「安心してね」
「はい、つまづいたりしないで済みますね」
「頭をぶつけたりする心配もないですね」
「そうよ、後ははぐれないことよ」
このことは注意して欲しいとです、トロットも言います。
「いいわね」
「はい、それじゃあ」
「そうしていきます」
「そういうことでね、それと」
ここでトロットは話題を変えました、その話題はといいますと。
「お昼御飯ね」
「お腹は地下にいても減るからね」
キャプテンも笑って言います。
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