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詩集「棘」

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君のいないこの小さな世界



何を思う…この夜に
君の姿…ぼやけて映る
冬の冷たい風に吹かれて
葉のない梢が音を立てた…

月影も見えず…
ただ闇に飲まれそうで
幽かな明かり求め歩く…

君のいないこの小さな世界
やり過ごす毎日に苛立って
決して叶わない夢に溺れる
自分の心さえ冷たくて…


愛しさは棘となって…
許されない想いに刺さる…
惨めな僕のこの足枷は
誰にも外されることはない…

寂しさに喘ぎ…
恋しさと欲に挟まれ
朽ち逝く自分をただ眺め…

君のいないこの小さな世界
見上げた空には太陽もなく
気付けば足元には闇が覗き
飛んでみたいと…身を踊らせた…


切なさが降り頻る…
温もりのない無垢な白…
苦しみも愛しさも
いつかは溶けて…消えてゆく…?

君のいないこの小さな世界
枯れた野原を茫然と見つめ
来ないと解っている君を想い
ほんの少しだけ…夢を見る…

君のいないこの小さな世界
やり過ごす毎日に苛立って
決して叶わない夢に溺れる
自分の心さえ冷たくて…



 
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