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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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684部分:第九十八話 出陣その三


第九十八話 出陣その三

「そして生き残るかだ」
「我等が生き残れば世界は」
「このままですね」
「しかしアーレスが勝利を収めればだ」
 その未来もあえて語ってみせるシオンだった。
「その時はだ」
「最早言うまでもありませんね」
「それは」
「その通りだ。ではだ」
 言葉は多くは必要なくなっていた。ここまで来ればだ。
「行くぞ、守りは白銀及び青銅の者達に任せる」
「はっ、では」
「今より」
 こうして黄金聖闘士達はシオンに率いられてトラキアに向かって出陣した。シオンを中心として彼等は一路トラキアを目指すのだった。 
 その中でだ。シャカが言った。今ギリシアは暴風雨の中だ。ギリシアは冬は暴風雨に襲われる。その冬の嵐が彼等を包んでいた。その中での言葉だった。既に全員聖衣とマントで武装している。
「集まっていますね」
「トラキアにだな」
「あの地に」
「その通りです」
 こうサガとアイオロスに対しても答えるのだった。
「全員揃っています」
「一兵に至るまでだな」
「トラキアの全ての戦力が」
 二人はそこまで聞いて述べた。そうしてであった。
「ならばだ。我々もまた」
「この全ての戦力をぶつける」
 まさにそうするというのである。
「そして勝つ」
「何があろうともだ」
 まさにそのつもりだった。そうしてであった。
 シオンに対して声をかけるのだった。彼は一行の中央に位置している。サガが右に、アイオロスが左にいる。そうして暴風雨の中を進んでいるのである。
「トラキアに入れば正面突破を仕掛けましょう」
「まずは」
「わかっている」
 シオンは一言で答えた。
「まずはだ。正面から突き破る」
「はい、それでは」
「その様に」
「そしてシャカ」
 シオンは自らシャカに声をかけた。
「御前には四闘神の一人を頼むがだ」
「はい」
「魔神達も頼む」
 こう彼に告げたのである。
「それでいいな」
「御意」
 返答は一言であった。
「さすればその様に」
「頼んだぞ。それではだ」
 シオンは次に他の面々にも告げた。
「他の者はすぐにそれぞれの相手のところに向かえ」
「それぞれの相手のですか」
「そこに」
「アーレスはトラキアの宮殿の最も奥深くにいる」
 まずはアーレスの位置から話した。
「そして宮殿の要である中央にエリスがいる」
「エリスはそこに」
「そうなっているのですか」
「そこに至るには宮殿には十二の門がある」
 次に話したのは門のことであった。
「十二の門は四つの大門と八つの小門からなる」
「四つと八つ」
「それによって構成されているのですね」
「そうだ。そしてその十二の門とエリスの部屋が陥落しその封印が解かれた時にだ」
 その時にというのである。
「アーレスへの道が開けるのだ」
「では我等は」
「まずはその門を開ける」
「そうせよというのですね」
「その通りだ。四闘神は八つの封印が解かれたことにより復活する下地ができた」
「八つの!?」
「まさかそれは」
 黄金聖闘士達はそれでわかった。彼等のこれまでの戦いが何であったのかを。それを悟ったのである。
 
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