聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
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674部分:第九十七話 降臨への儀式その二
第九十七話 降臨への儀式その二
「その時にだ」
「では今は」
「英気を養ってですね」
「その通りだ。アーレス様の星がもっとも強くなったその時に」
エリスの言葉は続く。
「そなた達には動いてもらう」
「それでは」
「その様に」
「話はこれで終わりとする」
エリスの方からそれを切ってみせたのである。
「ではそれぞれ休むがよい。いや」
「いや?」
「何でしょうか」
「まだだな」
こう言い出してきたのである。
そしてだ。四闘神に告げた言葉は。
「そなた等昼食はまだだったな」
「はい、それは」
「まだですが」
「ですが」
「よい。共に食しようぞ」
謙遜して退室しようとする彼等を呼び止めたのだった。
「馳走をな」
「御相伴にですか」
「お招き頂くと」
「その通りだ。よいな」
「有り難き幸せです」
「そこまでとは」
「わらわとそなた達の仲ではないか」
彼等の謙遜についてはこう返すのだった。
「それはだ」
「ではこのままですか」
「我等と」
「久し振りにあれを食するがいい」
こう言ってであった。玉座の手すりのところに置いてある右手を動かした。するとすぐにテーブルに椅子が運ばれて来て様々な御馳走が持って来られた。その中には黄金の林檎と酒もあった。
エリスと共に席に着いた四闘神はそれを見てた。気付いたように言うのだった。
「そうですか、それですね」
「それをなのですか」
「左様。黄金の林檎に黄金酒よ」
まさにその二つだというのである。
「食べるがいい」
「それでは」
「御言葉に甘えまして」
「では」
「この味は覚えている筈だ」
エリスはその黄金の食物を前に楽しそうに話すのだった。
「そうだな」
「はい、勿論です」
「それは」
「ではだ」
また食べるように勧める。そうして食べるのだった。
そして食べてみるとだった。その味は。
「どうじゃ?」
「はい、懐かしい味です」
「美味という他ありません」
実際にその林檎と酒を味わっての言葉である。
「こうしてまた食べられるとは」
「有り難いことです」
「わらわだけで食してもつまらん」
それは何ともないというのだ。
「しかしじゃ。そなた等と共に食するとじゃ」
「美味だというのですね」
「それで」
「左様、その通りじゃ」
まさにそうだというのだ。
「そしてアーレス様もじゃ」
「そうですね、アーレス様も」
「その通りです」
「是非食べてもらわなくては」
その通りだというのである。彼等にしてもだ。
「アテナは食べないようですが」
「あの女神だけは」
「アテナは人間の姿でしか現われようとはしない」
エリスはアテナについても語った。アテナは神の本来の身体で出ることはないのである。その時代に人間の姿で出るだけなのである。
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