| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

オズのビリーナ

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第六幕その十一

「いないわ」
「そうなの」
「機械で再現出来るかしら」
「今の技術では無理だと思います」
 恵梨香が答えました。
「ちょっと」
「そうなのね」
「この娘もかかしさんや木樵さんも」
「まさに魔法、そして不思議ね」
「そこまでの不思議はです」
「今の外の世界でもなのね」
「再現出来ないと思います」
 流石にというのです。
「やっぱり」
「そうなのね」
「そう考えますと」
「本当にこの国は不思議の国ね」
「不思議そのものです」
 中に不思議が一杯転がっているのではなく、です。
「そう思います」
「うん、この国はね」
 キャプテンも言います。
「まさに不思議そのものだよ」
「何といっても」
「不思議が創った国といっていいね」
 こうも言ったキャプテンでした。
「この国は」
「そうですよね」
 ナターシャはキャプテンのその言葉に頷きました。
「不思議の塊というか不思議そのものです」
「そうよ、不思議そのものだから」
 トロットもまた言います。
「凄く楽しいのよ、大変なことも多いけれど」
「大変なことがあっても」 
 ビリーナはこれまでの経験からトラブルについても言います。
「それを避けることもね」
「楽しみよね」
「そう、どう乗り越えるか考えて乗り越える」
 実際にとです、トロットに言うのです。
「それもまた楽しいのよ」
「そうそう、だから今回のことも」
「何があってもよ」
 まさにと言うビリーナです。
「乗り越えるわよ、いいわね」
「是非ね、じゃあ」
「まずは地下への入口まで行くわよ」
 そうしようというのです。
「わかったわね」
「その入口に行って」
「そこから地下だね」
「僕達地下へ行くのははじめてだけれど」
「どんなのかしら」
「本では読んでいたけれど」
 五人はそれぞれ考えるお顔になります、ビリーナはその五人にはこう言いました。
「私達がいるから安心してね」
「うん、ビリーナもトロットさんもいて」
「キャプテンさんもいてくれて」
「そしてエリカもガラスの猫もいるから」
「私達は安心していいのね」
「例え何があっても」
「一番大事なのは私達が信じることよ」
 まさにというのです。
「信じてついてくるのよ」
「わかったわ」
 ナターシャが代表して応えます。
「それじゃあついていくわね、ビリーナ達に」
「信じてついていく」
 神宝はこう言いました。
「時にはそうしたことも大事だね」
「信じられる人についていくこともね」 
 ジョージも言います。
「時として大事だね」
「そして勝手なことはしない」
 カルロスの言うことはこうしたものでした。
「かえって皆の邪魔にもなったりするし」
「私達は今はビリーナ達についていくわ」
 恵梨香は結論が出たお顔になっています。
「最後の最後まで」
「そうしなさい、はぐれずにね」
「ついてくるのよ」
 五人にです、エリカとガラスの猫も言います。
「色々あっても」
「最後の最後までね」
「自分で考えることも大事だけれど」
 トロットがここで言うことはといいますと。
「信じてついていくこともね」
「同じだけ、ですね」
「そう、大事なのよ」
 こう言うのでした。
「私もそう思うわ」
「トロットさんの場合やキャプテンさんですね」
「オズマもそうだしオズの国の皆もね」
「ドロシーさん、かかしさん、木樵さん」
「その他の皆もよ」
 オズの国の素晴らしい人達こそというのです。
「信じられる、何処までも信じるべき人だから」
「信じてですね」
「ついていくわ」
「わかりました、じゃあ」
「信じてついてくるのよ」 
 またビリーナが言います。
「わかったわね」
「是非そうするわ」
 ナターシャが皆を代表して応えました、そうしたお話をしながらです。皆はビリーナの案内を受けて地下に向かうのでした。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧