Three Roses
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第二十五話 最後の言葉その三
「それで向かう、異端審問の者達は置いておくが」
「動かすことはですね」
「しない」
「決してですね」
「脅しも必要だ」
教理で向かうと共にというのだ。
「旧教が力を取り戻すにはな、しかしだ」
「異端審問官達は」
「あえてですね」
「動かせはしない」
「そうしますね」
「絶対に」
「その様に」
「そうだ、あの者達は狂犬だ」
太子は彼等をこう認識した、そのうえでの言葉だ。
「狂犬は檻の中にいるべきだ」
「では」
「それではですね」
「彼等は止め」
「教理で新教徒達を負かしますか」
「その通りだ、新教徒達の力を弱め」
そしてというのだ。
「あらためてだ」
「はい、そして」
「そのうえで、ですね」
「この国を我等のものに戻す」
「そうしますか」
「その通りだ、王位は手に入らなかったが」
それでもというのだ。
「やり方はある」
「まだ、ですね」
「この国を正しい方法に戻るやり方は」
「まだある」
「それが教義ですね」
「そういうことだ、何度も言うが」
くれぐれもという口調だった、今度は。
「兵は動かすな」
「むしろだ」
オズワルド公が言ってきた。
「兵は集めるべきだ」
「王の下に」
「一つにですか」
「集めるべきですか」
「これからは」
「それを進めていく」
マリーそしてこれまでの王達が主張し勧めている通りにだ。
「卿等には不満がある者もいようが」
「それは」
「何と申しましょうか」
「我等も兵がなければ」
「いざという時に」
賊が出たりした時にだ、確かに諸侯のうち力がある兵を持っているだけの者達は一様に不満を述べた。
「困ります」
「それはどうもです」
「兵がなければ」
「賊に対して」
「そして他国との戦の時も」
「それは全て今後はだ」
これからはというのだ。
「国が行う」
「国が、ですか」
「即ち王がですか」
「軍を動かされ」
「国内の賊も征伐されるというのですね」
「そうなる、兵は王の下にだ」
国の全ての軍はというのだ。
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