転生とらぶる
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ガンダムW
1547話
「今回は協力、ありがとうございました。上層部も納得してくれることでしょう」
「いえ、お気になさらず。私もアクセル代表に会う事が出来て嬉しかったですから」
ドロシーの視線が、別れの挨拶をしているサリィの後ろにいる俺へと向けられる。
こうして改めて見ると、ドロシーの背は結構高い。
確かリリーナと同い年だったと思うんだが、身体の発育という点では明らかにドロシーが上だろう。……背の高さだけではなく、胸の大きさに関しても。
「これからの時代、アクセル代表がどのような活躍をするのか……それを見る事が出来るのを、楽しみにしていますわ」
「活躍、ね。傭兵の俺達が活躍するとなると、それは戦いが起きている場所という事になる。正直なところ、こっちとしては暇な方がいいんだが」
そう言葉を返しつつも、こっちとしてはいつまでも平穏が続くというのは若干困る。
もし現状待機のままで時間が流れていくと、それはOZがずっと連合の中に雌伏したままという事になるのだから。
「あら、そうですか? 私はその戦いが来るのを楽しみにしているのですけど」
笑みを浮かべるドロシー。
この様子を見れば、誰もがドロシーは好戦的な性格をしているのだと思うだろう。
俺も原作知識がなければ、そう思っていたのは間違いない。
だが……結局のところ、ドロシーが心の底から望んでいるのは、平和。
もっともそれが表に出るのはいつになるのか分からないが。
ある程度の政治も出来て、ゼロシステムの適性はW世界の中で最高。行動力もある。
これだけを考えれば、是非ともシャドウミラーに欲しい人材なんだが……他の世界に転移して関係する世界をどんどん増やしていくというシャドウミラーには、恐らく合わない筈だ。
いや、向かう世界が平和な世界であればいいんだが、俺の場合は何故か戦闘が起きる世界ばかりに転移するしな。
一度くらい、戦闘のない世界に転移してみたいものだ。
ともあれ、表向きの態度と本心が思い切り違うドロシーは、シャドウミラーで活動しても将来的に無理が祟って最悪の事態になる可能性も高い。
ましてや、時の指輪の受信機を得て不老になったりしたら……
「戦いが楽しみというのは、あまり……」
そこまで話、一旦言葉を止める。
そして俺から数秒遅れて綾子が、そこから更に数秒遅れて凛が俺と同じ方へと視線を向けていた。
「アクセル代表? 一体どうしました?」
「綾子」
ドロシーの言葉に答えず、綾子の名前を呼ぶ。
それだけで綾子は俺の言いたいことを理解し……物干し竿を鞘から抜き、一息でドロシーを間合いの内側へと取り込み、その長刀を振るう。
一瞬にして自分の間合いに詰められ、物干し竿を振り上げられたドロシーは目を見開き、その常識外れの長い刃が振り下ろされるのを黙って見ていることしか出来なかった。
だが、周囲の者達が見たのは、首を失ったドロシーの身体から吹き上がっている血の噴水……ではなく、キンッという甲高い金属音のみ。
「え?」
ドロシーには何が起きたのか理解出来なかったのだろう。ただ目を見開いて物干し竿を構えている綾子を見ているだけだ。
だが、綾子の視線の先を自分の目で追うと、そこにはOZの制服を着ている1人の男の姿があった。
その男は拳銃をドロシーの方へと向けており……だが、唖然として動きが固まっている。
無理もない。必ず命中するだろうタイミングで撃ったというのに、まさかそれを物干し竿のような長刀で防がれるとは思ってもみなかったのだろう。
それも、刀身を盾にするとかそういうのではなく、弾丸を斬るという手段で、だ。
「え?」
「はい、貴方は少し寝ていてね」
理解出来ないといった声を上げた瞬間、魔力による身体強化を使って間合いを詰めた凛の拳が拳銃を持っていた……ドロシーを暗殺しようとしていた男の胴体へと突き刺さる。
八極拳の本領発揮といったところか。
「ぐはぁっ!」
苦悶の声を漏らしながら、男は地面へと崩れ落ちる。
その音でようやく我に返ったのだろう。ドロシーの周囲にいたOZの兵士達が、慌てて凛によって意識を奪われた男の方へと向かっていく。
また、ドロシーの周囲に集まり、他に襲撃者がいないかどうかを確認している者達の姿もあった
そんな中、当然と言うべきか、ドロシーの周囲に集まっている者達は綾子の手にしている物干し竿に大きく目を奪われている。
まぁ、物干し竿の長い鞘は持っていたが、まさか本当にそれを使いこなせるとは思ってもみなかったのだろう。
あくまでも周囲に対する牽制の意味が強い。そう思っていた者も多い筈だ。
実際問題、普通ならそう思ってしまっても仕方がないのは事実。
あの長さの物干し竿を普通に使えと言われても、……それこそOZの兵士とかではまず無理だ。
それだけに、OZの兵士達にしてみれば物干し竿を使いこなす綾子は理解出来なかったのだろう。
また、綾子だけではなく凛の方にも驚愕の視線を向けている者がいる。
こちらは女だてらにあの一瞬で男との間合いを詰め、一撃殴っただけで男の意識を奪ったというのが大きい。
普通に外見だけを見れば、綾子共々とても荒事が得意なようには見えないしな。
……いや、綾子の場合は元々武芸百般だったんだし、活動的という意味ではそれなりに強いと見られていたのかも?
凛の方は何枚も猫を被っているから、親しい者以外には……この世界だと俺と綾子以外には、そこまで身体を使った戦闘が得意だとは思われないんだよな。
まぁ、今回の件で色々とOZには見破られたかもしれないが。
「無事か?」
「ええ。こういう場合は、さすがシャドウミラー……と言うべきでしょうか」
「どうだろうな。そっちがそう思うんなら、それでいいんじゃないか?」
綾子や凛の様子に一瞬驚いた様子を見せたドロシーだったが、それでもすぐにそうやって笑みを浮かべるというのは、ロームフェラ財団の中で育ってきただけあって取り繕うのが上手いと言うべきだろう。
「少佐がシャドウミラーを連れてきてくれたから、私も助かりました。ありがとうございます」
「いえ、御無事なようで何よりです」
続けてサリィにも感謝の言葉を述べるドロシー。サリィの方は俺達を唖然とした様子で見ていたのがすぐに我に返って言葉を返す。
「ですが、ロームフェラ財団の方がこうも狙われるとは……色々と問題があるようですね」
「何をするにしても、結局は誰か不幸になる人というのは必ず現れるものですから。そういう意味では、今回狙われたのが私だったのは幸運でしたね。アクセル代表を初めとする方々がいたので」
狙われたというのは、ドロシーが戦争を望んでいるような言動を取っているというのも大きいだろう。
まぁ、ドロシーもそれを承知の上での普段の言動だとは思うが。
「とにかく、今回の犯人についてはこちらにお任せ下さい。そちらのお手を煩わせる訳にはいきませんので」
「あら、お手伝いをしてもいいんですけど?」
「いえ、大丈夫です。命を狙われたのは私ですし、このくらいはこちらでどうとでもしてみせますので」
サリィの……より正確には連合軍の手伝いを頑として断るドロシー。
まぁ、OZとしては今は色々と大事な時期だ。
これを境にしてオペレーション・デイブレイクの件が公になるような真似は避けたいだろう。
……ゼクスにその辺を漏らしているんだが、情報はどこかで止まっているらしくてOZに動きがないんだよな。
トレーズはともかく、レディ・アンに情報が漏れていれば必ずこっちを抹殺しに動いてもおかしくないんだが。
トレーズを盲信している今のレディ・アンであれば、トレーズの邪魔になる相手は即座に排除しようと考えてもおかしくはない。
そう言えば、この歴史ではリリーナがドーリアンと一緒にコロニーに行かなかった為か、父親を意識不明の重体にしたのがレディ・アンだとリリーナは知らないんだよな。
だからこそ、原作にあったリリーナの学校をレディ・アンが口封じの為に襲撃するという騒動は起こっていない。
それは即ち、ヒイロの中ではまだリリーナに対する気持ちが変わっていない事を意味している。
原作だと、あの一件でヒイロは自分がリリーナに対して特別なものを抱いていると自覚するんだが。
この歴史だと、もしかしてヒイロとリリーナの将来は原作と違う感じになるかもしれないな。
……それでも、ヒイロがサリィとくっついたりするような未来は想像出来ないが。
ともあれ、そんな風に考えている間にもドロシーとサリィの間で行われていた会話は終わり、サリィがこっちに近づいてくる。
「帰りましょう」
どうやらドロシーが言い合いには勝ったらしい。
俺達も、別にあの暗殺しようとした相手をどうしても確保したかった訳ではないし、もしそんな真似をしようものなら、この基地にいるOZの面々と本格的に戦う事になっていたかもしれない。
で、最終的には退くに退けなくなったOZが全戦力を繰り出し、結果としてこの基地の壊滅……なんて風にならなくてほっとしている。
既にトールギスやエアリーズの積み込みも終わっているので、後は俺達がMS輸送機に乗り込めばそれだけで出発は出来る。
サリィと共に輸送機へと乗り込み……俺達を見送りに来ていたドロシーは俺と視線があったのを確認すると、小さく一礼する。
スカートの端を掴んでやる、あの仕草だ。
多分、今回の査察はドロシーにとって色々と珍しいものを見る事が出来た有意義なものだったんだろう。
「アクセル、はい」
席に座った俺に差し出されたのは、凛が持っていたコップ。
中身は紅茶……って、何で旅客機ならともかく、輸送機にそんなのがあるんだ?
そう思って凛の方を見ると、魔法瓶を手に持っていた。
「それは?」
「これ? あのドロシーって娘が渡してくれたのよ。折角なのでどうぞ、ですって」
「ドロシーが……まぁ、貴族趣味らしいと言えばらしいのか」
「いや、魔法瓶で紅茶って貴族趣味とは言えないんじゃないか?」
俺と凛の話を聞いていた綾子が、少し呆れたように呟く。
「そうか? まぁ、元々ドロシーが紅茶派なのか、それとも単純に俺がコーヒーよりも紅茶を好むと知っていたのか……そのどちらかは分からないけど、折角くれたんだし飲ませて貰うか」
そうして紙コップから紅茶を飲むと、甘酸っぱいような香りが口の中に広がる。
どこ産の紅茶だとかは詳しくないが、それでもこの紅茶が安物ではないというのは、何となく想像出来た。
いや、実際の値段は分からないし、もしかしたら安物の紅茶という可能性もあるが。
ただ、ドロシーが渡してきた紅茶となると、安物を使ったりはしないだろう。
「うわ、平気で飲んだわね。あのドロシーって娘が用意した紅茶よ? もしかして毒が入ってるとか考えなかったの? ……アクセルに毒は効かないんだし、意味はないか」
凛が唖然としつつ、最後だけサリィに聞かれないように小声で呟く。
実際問題、この紅茶に毒が入っているかどうかというのは分からない。
だが、ドロシーが何かをするのであれば、もっと直接的な行動を取りそうだ。
「本当なら毒味でアクセルに飲ませようと思ったんだけど、これだと意味はないわね」
呆れたように呟く凛だったが、こっちを見る目の中には面白がる色がある。
本気で責めているのではなく、単純にからかっているのだろう。
そんな風にやり取りをしながらもMS輸送機は進み、やがて来る途中に一泊した場所……シェンロンガンダムと戦った軍港の近くの基地へと到着する。
当然のように今日もこの基地で一泊していくのだが、色々と慌ただしい。
「あの軍港の後片付けがまだ終わってないんでしょう」
忙しく働いている連合軍の兵士を見ながら、サリィが呟く。
OZ……というか、スペシャルズは連合軍の下部組織だ。
である以上、当然OZの軍港が破壊されれば、連合軍はその復興に協力しなければならなかった。
「そんな忙しい状況なのに、この基地に泊まるのか? 別に一泊するくらいなら、別の基地でもよかったような気がするけど」
「私もそう言ったんですけどね。この基地の司令官にとって、連合軍からの査察とノベンタ元帥直属の傭兵団とのコネを持つのは、復興云々よりも大事なんだと思いますよ」
呆れた様子のサリィだが、それを断る事が出来なかったのは、やはり少佐という立場故か。
基地の司令官ともなれば、当然その階級は准将、少将、中将……まではいかないか?
ともあれ、どんな階級にしろ少佐よりは遙かに偉い人物だ。
オペレーション・デイブレイク後であれば、連合軍の階級というのは殆ど役に立たなくなるんだろうが……残念ながら今は連合軍がまだOZよりも上に位置しているからな。
ともあれ、俺達はこうしてこの基地で一泊し……翌日にはノベンタのいる基地へと戻る事になる。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:555
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1213
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