| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

オズのビリーナ

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第六幕その六

「私が負けることはないわ」
「その意気だね、けれど最近はノーム族もね」
「ええ、悪い人達が減ったわね」
「王様が代わってね」
「いいことよ、王様が代わるとそれだけで随分変わるわね」
「全くだね」
「ノーム族もそうだし」
 それでというのです。
「私達もでしょうね」
「そうなるだろうね」
「ええ、私達もしっかりしないとね」
「皆の為に」
 こうしたこともお話しました、ご主人と一緒に。
 ビリーナはそのことをお話してです、今度はトロット達に言いました。
「じゃあ今から出ましょう」
「ええ、このメンバーでね」
「そうしましょう」
「僕も行きたいな」
 ここで何とです、カミーユが出て来て言ってきました。
「ひいお祖母ちゃんの冒険に」
「あんたは駄目よ」
 ビリーナはそのカミーユにすぐに言いました。
「まだ子供だから」
「えっ、駄目なの?」
「当たり前でしょ。お父さんとお母さんの手伝いをしていなさい」
「そんなことしても面白くないよ」
 カミーユは嫌なお顔になってビリーナに返しました。
「全然ね」
「面白くなくてもよ」
「僕がまだ子供だから」
「駄目よ、どうしても行きたいのならね」
 その時はというのです。
「この国の中を隅から隅まで毎日歩いていなさい」
「それが冒険になるの?」
「そうよ、この国はこれでも結構広いのよ」
「あっ、確かにね」
 トロットはビリーナの今の言葉に頷きました。
「小さな村位はあるわね」
「そうでしょ、鶏にしてはもっと広く感じるわ」
「だからなのね」
「広いからよ」
 だからこそとです、ビリーナはまたトロットに言いました。
「隅から隅まで、毎日見回っていなさい」
「そんなの面白いの?」
「面白いわよ、私は嘘は言わないわよ」 
 カミーユにもです、ビリーナはこのことをはっきりと云うのでした。
「絶対にね、あと私はひいひいお祖母ちゃんでしょ」
「あっ、ひいお祖母ちゃんじゃないわえ」
「そこもしっかりしなさい」
「わかったよ、ひいひいお祖母ちゃん」
「冒険に行くのはちゃんとしたトサカが生えて」
 成長してというのです、雄鶏には立派なトサカがあるからそれでビリーナもカミーユにこう言ったのです。
「私をひいひいお祖母ちゃんだってはっきりわかってからよ」
「それからなんだね」
「そう、その時にね」
 まさにというにです。
「冒険に行きなさい」
「僕が大人になってからなんだ」
「そうよ」
 カミーユにひいひいお祖母さんとして言います。
「わかったわね」
「ひいひいお祖母ちゃんには逆らえないよ」 
 やんちゃなカミーユもビリーナにだけはというのです。
「どうしてかな」
「それは君がビリーナのことが好きでね」
 キャプテンがビリーナのその疑問に答えます。
「絶対の信頼を持っているからだよ」
「だからなの」
「そう、だからね」
 それでというのです。
「君もビリーナの言葉には従うんだ」
「僕がひいひいお祖母ちゃんの言葉に」
「そうだよ」
「確かに僕ひいひいお祖母ちゃんが一番好きだよ」
 他の誰よりもというのです。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧