聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
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633部分:第九十一話 聖域への攻撃その三
第九十一話 聖域への攻撃その三
「だからこそ私は今ここにいるのです」
『その読みは見事だと言っておこう』
『我等の復活を既に読んでいたのはな』
『人ながら』
『それは認めよう』
四柱の神々もそのことは認めてきた。しかしである。
ここで口調が変わった。不遜なまでに自信に満ちた声になってだ。こう言ってきたのである。
『しかしだ。それは人としてだ』
『我等は神』
『その神の動きを読めたとしても』
『力までは防げまい』
「ではどうされるというのです?」
目は閉じたままである。座禅も崩してはいない。シャカはその姿勢のまま己の全身に黄金色の小宇宙を沸き起こらせている。その中での言葉である。
「一体」
『知れたこと。我等が復活したからにはだ』
『アーレス様の御手をわすらわせるまでもない』
『その前にだ』
『聖域なぞ跡形もなく消してみせよう』
そうしようというのである。今それを言ってきたのである。
『そしてだ。アテナの聖闘士よ』
『貴様もまただ』
『この我等の手によってだ』
『消してみせよう』
「笑止」
だがシャカはその彼等の言葉を一笑に伏した。そのうえでさらに言うのであった。
「このバルゴのシャカは最も神に近い男」
『だが人だ』
『神に近いとは戯言を』
『その神である我々に対するその不遜』
『万死に値する』
「我等聖闘士にとっての神はアテナ」
シャカは彼等に対しても負けてはいなかった。恐れなぞ何処にでもなくこう返すのだった。
「それ以外の何者でもない」
『ではだ』
『アテナは我等よりも高位にあるというのか』
『あの平和なぞという下らぬものを愛する女が』
『我等よりも』
「貴方達だけでなく」
恐れることなくその彼等にまた返してみせた。
「アーレスさえも」
『何だとっ!?』
『今の言葉聞き捨てならん』
『アーレス様を愚弄するなぞと』
『何という不遜か』
「言った筈です。私にとっての神はアテナ」
しかしであった。シャカはここでもシャカであった。あくまで彼等に臆することなくである。こう言い切ってみせるだけであったのだ。
そしてであった。その小宇宙をさらに高めて。まだ気配だけの彼等に対して告げるのであった。
「それではです」
『それでは?』
『何だというのだ?』
「アーレスに仕える四闘神」
彼等が何であるのかは既にわかっていた。
「その力見せてもらいましょう」
『アーレス様を侮辱するだけでなく』
『その側近である我等まで愚弄するか』
『神を試すという言葉まさに』
『万死に値する』
明らかにであった。その声が起こっていた。そうしてである。
彼等の小宇宙が沸き起こった。その赤い禍々しい小宇宙がだ。
それが聖域に迫る。そのうえで、であった。
『この力でだ』
『聖域ごと滅ぼしてくれる』
『バルゴの黄金聖闘士よ』
『貴様をだ』
「来ましたか」
シャカはまだ目を閉じていた。そしてそこから動くことはない。
しかしである。その小宇宙がさらに高まり。聖域に迫るその四つの強大な小宇宙に対して向かうのだった。
「喝っ!」
『何だと!』
『この小宇宙は!』
「言った筈、このバルゴのシャカは神に最も近い男」
またこのことを言ってみせたのである。驚きを隠せない彼等にだ。
「そのアテナにとって」
『この小宇宙』
『これは』
「神が勝つか私が勝つか」
目は閉じられたままだ。だがその言葉は強くはっきりとしたものになっていた。
「今ここで勝負!」
『くっ、おのれ!』
『ならばだ!』
それを受けてであった。
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