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ジンジャーのお話

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第二章

「何を召し上がられますか?」
「ここは天丼が美味しいと聞きましたが」
「天丼ですか」
「それありますか?」
「はい、ありますよ」
 お店の人はジンジャーに笑顔で答えました。
「じゃあそちらをですね」
「頂きます」
「ではこちらの席にどうぞ」
 お店の人はジンジャーを空いている席に案内してジンジャーもそこに座ってでした、そこで少し待っているとです。
 御飯が沢山入った深い陶器が持って来られました、そしてその御飯の上にあったものは。
「海老のフライですか」
「いえ、天麩羅です」
「天麩羅っていいますと」
「日本の揚げものでして」
「フライじゃなくて」
「そうです、それでその天麩羅を御飯の上に乗せたものがです」
「天丼ですか」
 ジンジャーはその海老の天麩羅が二つ入っている御飯を見ながら言うのでした。
「これはまた」
「それでこのお箸で食べるのですが」
 お店の人は今度は小さい二本の棒を出してきました。
「駄目でしたらスプーンがありますが」
「スプーンをお願いします」 
 ジンジャーはそのお箸を見ても一体どうやって使うのかとんと見当がつかず迷わずにスプーンを選びました。
「そちらを」
「スプーンをですね」
「はい」
 こう答えてです、そのうえで。
 お店の人にスプーンを持って来てもらってそれを使って食べはじめました、まずはいただきますをしてからです。
 天丼をお口の中に入れます、するとです。
 ジンジャーはこれまで味わったことのない、御飯と天麩羅の味にびっくりして言いました。
「これは美味しいですね」
「お気に召されましたか」
「はい」
 まさにと答えるのでした。
「お米が海老と揚げた衣と合わさって」
「美味しいのですね」
「あと何かスープ、いや調味料ですか」
「おつゆですね」
「それの味もよくて」
 それでというのです。
「物凄く美味しいです」
「それは何よりです、では心よくまで召し上がって下さい」
「そうさせてもらいます」
 こう答えてでした、実際にその天丼を心ゆくまで楽しんだジンジャーでした。食事が終わりお勘定を払ってです。
 お店に戻ってです、ジンジャーは感銘しているお顔でピクルズに言いました。
「そのお店に行ったよ」
「割烹にだね」
「いや、不思議なお店だね」
 まずはこう言ったジンジャーでした。
「とてもね」
「外観からして違うね」
「木造のとても変わった形の造りだったよ」
「あれが日本のお家だよ」
「あの国の建築様式なんだね」
「そうだよ、お店の中もね」
「イギリスのものとは何から何なで違うね」
 こうも言ったジンジャーでした。
「それこそね」
「そうそう、お料理もね」
「実はお店に入る前に白猫のおばさんに天丼が美味しいって言われてね」
「それで天丼を食べたんだね」
「これもね」
 その天丼もというのです。
「変わった料理だね」
「御飯だね、丼だから」
「あんなにお米を一杯食べたのははじめてだよ」
「日本ではお米が主食だからね」
「パンじゃないんだね」
「そうだよ、パンも食べるjけれどね」
 それでもというのです。 
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