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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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627部分:第九十話 封印の前でその四


第九十話 封印の前でその四

「決してだ」
「ではエリス様」
「今こそ」
「うむ」
 今度は四騎士の言葉に微笑んで応えた。何処か血塗られたものを感じさせる微笑みであった。
 その微笑みを浮かべたうえでだ。右手に持つその杖を高々と掲げて言うのだった。
「今こそ。再びこの世にい出よ!」
 その言葉と共に凄まじい赤い光がその杖から放たれた。それはまるで稲妻の様に激しく動きそのうえで四つの柱を撃ちそして。
「柱が!」
「崩れたか!」
 柱達は音もなく崩れ落ちた。そうしてであった。
 柱があった場所から四つの赤い光が立ち起こり柱となった。そしてそこに。
 赤い戦衣を着た四人の者達がいた。それこそが。
「よくぞ戻った」
「有り難うございます、エリス様」
「我等を再びこの世に御呼び頂き」
「感謝の念に堪えません」
「全くです」
 こう言ってだった。それぞれの場所からエリスに対して片膝をつき恭しく述べるのであった。
 その彼等の前にいる四騎士達はそれぞれの前にいる彼等に片膝をついていた。その動作はまさに仕えるものであり信仰さえ見られた。
 そしてであった。その者達にだ。エリスが告げるのであった。
「それでは」
「はい、わかっています」
「我等がまずやるべきことは」
「ここから出ること」
「この下らぬ場所から」
「下らぬだと」
 その異次元に祭壇を送ったサガが彼等に対して言った。
「私の異次元がか」
「人の技により送られた場所なぞ」
「我等にとっては只の箱庭」
「それを下らぬと言わずして」
「何だというのだ」
 これが彼等の言葉であった。
「確かに汝等は強い」
「聖域の象徴でもある黄金聖闘士」
「人としては最高の強さを持つ」
「だが所詮は人だ」
 立ち上がりそのうえでサガを見据えてきてだ。そのうえでの言葉であった。
 そうしてさらに言うのだった。エリスと同じく不遜なその様子で、である。
「人は神には勝てはしない」
「人は神の意のままになるもの」
「それでどうして」
「この場所から出ないということがあろうか」
「さすればじゃ」
 四人に続いてエリスが言ってきた。
「この味気ない世界にいても下らぬこと」
「はい、まさに」
「その通りです」
 また四闘神がエリスに答えた。
「ですからここはです」
「すぐに戻りましょう」
「どうするというのだ」
 それを聞いたサガが言う。
「私のこのアナザーデイメンションは決して逃れることはできないというのにだ」
「また言うがだ」
「それは人ならばだ」
「人であるならばだ」
 彼等は人間ということを強調して言ってきた。
「この異次元空間からは出られまい」
「しかし彼等は神」
「神であるのだ」
 このことも強調してきたのだった。
「それならばすぐにでも出られる」
「こうしてだ」
 そのうちの一人がその手を掲げた。するとであった。
 
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