聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
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623部分:第八十九話 地下神殿その八
第八十九話 地下神殿その八
「貴様等と同じだ」
「同じだというのか」
「そうだ、我等狂闘士は常に闘いの中にその身を置いている」
それがアーレスの僕という訳である。
「だからこそだ。我等も常にその強さを高めているのだ」
「だからか」
ここでアイオリアも悟った。そのことをだ。
「拳の強さが増しているのはか」
「ふふふ、その通りだ」
「恐るべしと言うべきか」
アイオリアもまた彼を認める言葉を出した。
「狂闘士もまた」
「ではレオよ」
アイオリア自身に対して声をかけてきた。
「貴様を倒す為にだ」
「どうするというのだ?」
「俺の最大奥義を見せよう」
それをだと。彼も言うのであった。
「このアスモデウスのリゲルのだ」
「貴様のその最大の拳をか」
「俺の拳はまさに星の拳」
それだという。64
「それを見せてくれよう」
「その星を砕く力をか」
「星を砕くのは星だ」
構えながらの言葉である。
「今それを見せよう」
「ならばだ」
その言葉を受けてアイオリアも、であった。
構えを取る。そのうえで、であった。
「俺もだ」
「来るというのだな」
「このレオのアイオリア最大の拳を見せよう」
「それはライトニングプラズマだけではないのだな」
「まだだ」
一言で告げた。
「まだだ。俺の拳はだ」
「どうやら貴様はだ」
「何だというのだ?」
「光だな」
それだというのである。彼の言葉では、である。
「まさに光だな」
「俺は光か」
「その光を見せてもらおう」
そう返しながら構えるのであった。
「今ここでだ。いいな」
「いいだろう。では見せよう」
アイオリアは静かに構えてきた。その全身に凄まじいまでの黄金の小宇宙を漂わせながらである。
「このアイオリアの拳をだ」
「そうだな。それではだ」
「行くぞ」
二人の小宇宙がこれ以上はないまでに高まった。そのうえで決着をつけんとしていた。
ムウとリーヴェは静かに対峙をしている。お互いに攻撃は繰り出していない。
しかしお互いに一分の隙もない。全くであった。
その冷たいが激しい対峙の中で。まずはリーヴェが言ってきた。
「どうやら」
「何でしょうか」
「私達もまた決着をつけなければなりませんね」
こうムウに言ってきたのである。
「その時の様です」
「そうですね」
その彼の言葉をである。ムウも受けて応えたのであった。
「それは私も同意です」
「ではアリエスよ」
「はい」
「私もまた見せましょう」
ムウを見据えたままでの言葉である。
「私の最大の技をです」
「では私もです」
リーヴェに応える形でムウも言ってきた。
「見せましょう、私の技を」
「貴方を倒します」
ムウもまた、であった。彼等も対峙していた。
黄金聖闘士達と八大公の戦いは本格的なものになっていた。これ以上はないまでに激しい戦いになろうとしていた。その中においてであった。何かが起ころうとしていた。
第八十九話 完
2010・1・25
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