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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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618部分:第八十九話 地下神殿その三


第八十九話 地下神殿その三

「いいな、それで」
「わかった」
 遂に納得した顔で頷いたアイオロスだった。
「それではだ」
「さらに先に進むぞ」
 サガはさらに言う。
「いいな、それでだ」
「よし、それならだ」
「先に進む」
 また言った。
「そして神々の復活をだ」
「何があっても防ぐ。そうだな」
「それが私達の今のやるべきことだ」
「だからこそムウ達もか」
「そういうことだ。ならばだ」
 サガは冷静な顔のまま話す。
「我々はそれに応えなければならない」
「だからこそだな」
「そうだ。我々は我々の戦いをやらなければならない」
「ではサガ」
「感じるな、アイオロス」
 彼は今は正面を見ていた。彼が駆けているその先をである。
「あの禍々しい小宇宙を」
「うむ、感じる」
 アイオロスもそれは確かに感じていた。
「この気配はだ」
「間違いない、ことは一刻を争う」
 サガの声が強いものになった。
「それに遅れればだ」
「復活するな」
「そうなってしまってからでは遅い」
 サガの言葉が続く。
「いいな、それだからこそ」
「行かなければならない」
「アテナの為に」
 サガが今出したのは彼等の女神だった。
「そして」
「この世の人々の為に」
「世界の為に」
 言葉は続いていく。
「その為にだ」
「何としてもだな」
 こう言い合いながら駆けていく。彼等は彼等の果たすべき戦いの場に向かっていた。
 そしてであった。広間に残った黄金聖闘士達と八大公はそのまま戦いに入っていた。誰もが激しい光の攻撃を繰り出し合っていた。
 それはデスマスクとカナンもである。お互いに凄まじい速さと量の拳を繰り出し合いながら言う。
「へっ、どうやらな」
「何だ?」
「ただ気色の悪い技を使うだけじゃねえんだな」
 こうカナンに対して言うデスマスクだった。
「拳も持ってるんだな」
「それはこちらの台詞だ」
 カナンは挑発的に笑うデスマスクに対してこう返した。
「キャンサー、貴様もだ」
「褒めてくれるのか?」
「褒めるといえば褒めてはいる」
 実際にそうだともいう。
「貴様は拳も持っているのか」
「俺を誰だと思ってるんだ?」
 わざと自信を見せて言うデスマスクだった。
「俺も黄金聖闘士だからな」
「だからか」
「そうさ、俺はただ技を持ってるだけじゃない」
 言葉はここでは真剣なものになった。
「拳も持ってるってこと忘れるなよ」
「少なくとも今覚えた」
 カナンもまた攻撃を放ちながら言葉を返す。双方の拳は互いに打ち消し合っていた。実力は完全に互角のまま戦いが進んでいる状況だった。
 そうしてである。今度はカナンが言ってきた。
「そして忘れることはない」
「覚えたまま冥界に戻るんだな」
「だが。そうはいかない」
「いかないってのかよ」
「キャンサー、貴様は私が倒す」
 強い顔での言葉だった。
 
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