世界をめぐる、銀白の翼
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第一章 WORLD LINK ~Grand Prologue~
恋姫†無双 ~蒔風、世界と繋がるのこと~
「左慈っ!!」
「北郷ォ!!」
頂上の寺殿に到着し、重々しい扉を蒔風が蹴り破って突入。
その直後から入って行った一刀と左慈の視線が交差し、互いの名を敵意を込めて叫んだ。
その左慈の後ろにある壇上にはどうなっているのか淡く、だが力強く光を放つ銅鏡が置かれていた。
「あれだ!」
「一刀を行かせろ!」
「北郷ォ・・・・・・一刀ォォォオオオオオオ!!!」
左慈が銅鏡に走る一刀目掛けて殺気の篭った蹴りを放つ。
「させっかい!!」
それを蒔風が蹴りで受け、一刀を先に行かせる。
左慈がいまいましそうな顔で蒔風を睨む。
「貴様どけ!!」
「残念ながらそれはできん。この世界の行く末は、彼等が決めることだ。観測者は下がってろ!!」
「うるさい!!観測者だとかにはうんざりだ!オレは呆けたジジィどもとは違う。できるなら世界を修正にもっていく!!」
ゴォォォォオオオオオオオオオオオオオオオッッッ!!
蒔風と左慈が交戦している間に一刀が鏡に到達し、触れる。
すると鏡が一気に強烈な光を放ち始めた。
「世界(ものがたり)にはいつだって始まりと終わりがある」
「我々はマイナス方面から」
「私はプラス方面から、今ここに一つの物語が集結するわ」
「願わくば、終末(エンディング)を」
「願わくば、続編(コンティニュー)を」
「「さぁ、世界を指し示せ!!」」
いつの間にか銅鏡の脇に立っていた于吉と貂蝉が一刀に向けてそういった言葉を投げかける。
「ち、オレの役目はここまでか。できれは殺してやりたかったが、まぁ、仕方ない」
その言葉と共に世界が光に包まれ、そして・・・・・・・
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「う、うぅ?」
一刀が頭を振って立ち上がる。
「ここは・・・・・フランチェスカ学院?」
「ここが一刀の母校か」
「舜!!みんなも!?」
一刀が目を覚ましたのは一刀の通っていた学園、聖フランチェスカ学院、その庭園だ。
周囲にはみんながいた。
北郷軍だけでなく、魏、呉、さらには城にいたはずの月と詠まで。
「わ、私たちは白装束と戦っていたはずでは?」
「それに、ここはどこだ?」
「一刀のいた世界・・・・お前らにわかるようにいえば「天の国」ってとこか。な?貂蝉?」
「そう考えてもらって構わないわ。ここが御主人様のいた正史なのか、別の外史なのかはわからないわ。でも、物語はまた始まったようね」
「そう・・・・・なのか?」
「では・・・・すべて終わったのだな!?」
「やっぱり鈴々たちが勝って一件落着なのだ!!!」
「やったな!!舜!!!」
「いぃや・・・・終わってねえぞ全員伏せろ!!!」
ドグォアッ!!!!!
真っ黒な波動弾が上空から打ち出され、それが全員の中心部分にいる一刀目掛けて飛んできた。
それを蒔風が獄炎弾を真っ向からぶつけて相殺する。
ズゴッ!!!ズズズズズズズズズ・・・・・・ボゴォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!
相殺するとはいったものの、波動弾も獄炎弾も衝突した瞬間に一気に巨大な火球に膨れ上がり、己の持つ破壊の力を存分にぶつけ合い、それは周囲の物を吹き飛ばしていった。
花壇の花はその爆風に耐えられず花弁を散らし、周りに立つ林の木々は何本かから炎が上がって燃え尽きる。
「うわああああああああああああ!?」
「なんだぁ!?」
「これは!?」
「きゃああああああああああ!!!」
「ご主人様!!!!」
「舜!!!!」
皆が思い思いの悲鳴を上げ、地に伏せる。
「今ここに!!世界は成った!!!食べごろだと思わないかね?諸君!!!!」
「そうだよなぁ、来るころだと思ったよ!!!」
蒔風が上空を睨む。
そこには「奴」が浮かんでおり、その手からは波動弾を打った名残か、ゆらゆらと黒いオーラが残っていた。
「あのまま食ってもよかったんだがな?せっかくこうやって世界が成ってより濃密なものとなったんだから、そっちの方がいいだろう?っと!!!!」
ガバギィ!!!!
「能書きはいい。今すぐ出てけバカ!!!!」
「おーおー、蒔風さんちの舜君は怖いねぇ~~~」
「ざっけんな!!!!」
蒔風が話し途中の「奴」に「獅子」を握って斬りかかるのを、「奴」もまた魔導八天の一本を抜きそれを防いでいた。
「オレとしてはこのまま全員ぶっ放すのが・・・・・簡単なんだがな!!!!!」
ドォン!!!!
さらに反対の腕で二、三発と先ほどと同様の波動弾をぶっ放して周囲ごと一刀を殺そうとする「奴」。
それにいち早く感づいた翠と霞が風足で一刀の前に立ち、それを防ごうとする。
ドゴォ!!!
だがそれを防いだのは蒔風だった。
その背には銀白の翼が輝き、大きく羽ばたいていた。
「お前らは一刀のそばを離れるな。「奴」とやり合おうとするんじゃないぞ!!!!(バウッ!!!!)」
蒔風がさらに動く動く。
「奴」が全く惜しみもせずに波動弾を放ち続け、蒔風がそれを蹴り、打ち落とし、切り崩しては処理していく。
だがその処理後に起きる爆発に、蒔風の体力も削られ続けて行く。
ドォン!!!!
「ウゴッ!?・・・・はぁ、はぁ、はぁ・・・・・・だらっシャァ!!!!」
蒔風の頬は煤コケ、どこからか飛んできた破片にぶつかったのか唇も切れている。
当然蒔風も獄炎、雷旺、圧水、土惺と攻撃を放つが・・・・・・
「こ、の、やろォ!!!!」
ドゴンドゴンドゴン!!!!!!
打ってはすぐに「奴」が波動弾を打ち、それを処理しての爆発で消し飛ばされてしまう。
そして唐突に波動弾が止む。
蒔風がさっきまで奴のいたところを見ても、そこに「奴」の姿はなく
ゾクリ
とした背骨の関節がすべて氷になったような戦慄を感じた。
「舜!!!後ろだ!!!!」
一刀の声に遮二無二天地陰陽を背後に突き刺すように出す蒔風。
だがそこにいたのは「奴」ではなかった。
そこに待ち構えていたのは獄炎にも劣らぬ炎を溜めこんだ、開かれたサラマンダーの大口だった。
「ッ!?オォォォオッ!!!!!!!」
ドゴァ!!!!!
蒔風が必死になってそこから回避し、勢いのあまり地面に落ちる。
だが左腕が一瞬だけ炎にさらされ、蒔風の傍らに「天地」がカシャンと音を立てて落ちる。
それを見て愛紗が「奴」に叫んだ。
「くそ!!!おい貴様!!!正々堂々、降りてきて戦え!!!!」
「私が怖いのか!!腰ぬけめ!!!!」
「そんなところからやるだなんて男らしくないぞ!!!!!」
武将たちが口々に「奴」を挑発する。
それを見て「奴」がめんどくさそうにため息をつく。
「あからさまな挑発だな。なんでオレがわざわざ降りねばならんのだ。こっからでできるならそれでいいじゃないか。ん?」
「厄介な敵です・・・・目的のためにただ淡々とこっちを狙う・・・・・」
「左慈とか言う奴を相手にした方がまだ楽よ。なんなのよあいつ・・・・」
「あの野郎にこっちの常識持ちこむな。それと!!手ぇ出すな、お前ら死ぬぞ」
蒔風がぐらりと立ち上がって考察する朱里と桂花のとなりに立つ。
「舜さん!!怪我は大丈夫ですか!?」
「気にすんな・・・・絶対に一刀に怪我ひとつ負わせんなよ!!!・・・・・おら!!!」
蒔風が天地陰陽を風斬車に組み立て、右手一本で「奴」に挑む。
「奴」に風斬車を振るう蒔風だが、「奴」はそれを紙一重でかわす。
「奴」の顎に向かって振るわれたそれをひらりとかわして、「奴」の拳が蒔風の腹にめり込む。
それに対して風斬車は当たらずとも、腕を曲げて肘を「奴」の顔面にめり込ませる蒔風。
「奴」がのけ反り、蒔風が衝撃に耐える。
「奴」が顔を起こした所にもう一発、更にそこから攻撃をやめない蒔風の拳や足が「奴」に襲いかかる。
「がっお!?ぐっ、ヌ、おがっ!?」
胸板を強打し、鳩尾にめり込ませ、脛を割って、腕関節をへし折った。
眉間に中指を少し出した拳で殴り、エルボーを後ろ首にぶちかまし、踵落としを脳天に炸裂させる。
「いっが!?おおおおおおお!?」
ドゴ!!バキ!!!ゴゴゴゴン!!!!ゴキャァ!!!
蒔風の猛攻が「奴」に襲いかかり、最後に中段突きで吹っ飛ばしてその体が木々をなぎ倒して林に突っ込む。
「フゥっ!!!・・・・・我が武、未だ衰えを知らず!!!!」
蒔風が残心し、静かに構えを変える。
そう、まだ終わってはいない。構えを解くことはできない。
腰を落とし、両腕を前に突き出して反身になる。
そして・・・・・・来た
「超三連!突き蹴りチョォップ!!!!!!!」
木々の倒れる林の中から「奴」が飛び出して言った通りの順番に回転しながら一撃ずつ攻撃を仕掛けてきた。
蒔風がその三連撃を腕で受け止め、そこからロー、ミドル、ハイと順に上げていきながら右で放つ蹴りの反撃。
しかし今度は「奴」がそれを足で受け止め、さらに反対の足で反撃してきた。
それをあえて受けて脇に抑え込み、投げ飛ばそうとした瞬間、「奴」が反対の足で蒔風の胸を蹴り飛ばそうとしてくる。
蒔風はとっさに脇に挟んでいた足を放し、握る形でその蹴りを止め、そのままブン回して地面に叩きつけるように投げた。
だが「奴」はというと地面を転がり、足を回し、その衝撃を無散させ、さらには回転による蹴りで蒔風の足元をすくう。
蒔風も黙ってそれを食らう男ではない。
ジャンプして「奴」の首に絡みつき、「奴」自身の回転とは逆に回る。
「ぐっ、フッぉア!!!!」
このままでは首がへし折られる、と直感した「奴」が回転を止めて蒔風の髪を掴む。
そして思いっきり引っぺがすように背中から投げ飛ばす。
「(ダンッ!!ズザザザザザザッ!!!)いったぁ!?ハゲたらどーすんだこら!!!」
「こっちは首取れそうになってんだぞ!!!!」
「し、る、か!!!!」
ドウッ!!!
蒔風が飛び出し、「奴」に腕を突き出す。
身体を返して立ち位置を変えるようにそれをかわした「奴」に、蒔風が着地してからジャンプして二連蹴りを放つ。
それを両腕で受け、ハイキックを繰り出す「奴」。
蒔風がそれを屈んでかわすが、「奴」はそのまま回転して踵を起き上がった蒔風のこめかみに命中させる。
ゴコキィッ!!!!!!
蒔風が地面を転がり、その間に「奴」が一刀に迫る。
「ッ!!!させん!!!」
愛紗、鈴々が「奴」に向かう。
当然ながら「奴」は応対するが、全く二人を相手にしない。
愛紗の青龍偃月刀を剣で受け流し、鈴々の丈八蛇矛を受け止める。
「だぁぁああああ!!!!!」
さらに後方から来た秋蘭の七星牙狼を白刃取りで受け止め、その刃を砕いた。
「な!?」
「バカな・・・白刃取りで剣を砕くだと!?」
「関心してんなよッ!!おらっ!!」
ドドドンっ!!!!
「奴」が一瞬で三人の腹部に拳をめり込ませフッ飛ばす。
そして一刀に向いた瞬間、二人の人影の攻撃をしゃがんで避けた。
「コイツッ!?」
「風足を見切りおった!?」
「速いな!!だけど、オレも速い」
ギュギン!!ギャッ!!ギャギギギギ、ギョギャィン!!!!!
「うわっ!!!」
「グアっ!!!」
翠と霞が地面に倒れ伏し、「奴」が剣を振るったそのまま腕を伸ばして一刀に波動砲を撃つ。
ヒィン・・・・ドゴォオオア!!!!!
だがその間に蒔風が飛び込み、直撃をもってそれを止めた。
「ガッ・・・・ごおおおおおお・・・・・・」
蒔風が地面に伏し、立ち上がろうと腕を張るが左腕は怪我と酷使のせいでもう使えず、右腕も限界に近い。さらにいえば上半身も見事に真っ赤である。
立ち上がろうと地面でもがく蒔風だが、ズルズルとしているだけで起き上がれない。
「舜!!!」
星が駆けより、蒔風を起こそうとする。
だが蒔風はそんな星の肩を掴んで叫んだ。
「こっちにくるより一刀のそばにいろと言っただろう・・・・・!!!!!」
「そんな・・・・あなたの怪我だって!!!」
「言っただろう・・・・そんなの関係ない」
シュラン・・・・と蒔風が「火」を右腕で抜いてそれを支えに立ち上がって背中で言った。
「オレにそんな感情を向けるな!!!完全に空回りだ・・・・命の心配をされようとも、オレがそれを受け止められない!!!!死ぬことに恐怖などないのだから・・・・・・」
蒔風が「火」を右腰の「林」に付け、組み合わせて抜刀する。
「オレは行く。総てを賭けて、世界を守る。それがオレのすべきことだと信じて戦おう。たとえ上塗りだけの信念でも、貫き通すことはできるはずだと信じて!!!!!」
「下積みの無い信念・・・・・軟弱だなぁ、蒔風ぇ!!!!」
「うるっせぇ!!!!!」
ドゴガァ!!!!!
「奴」と蒔風がぶつかり合う。
その衝撃に皆が目を細め、叫んだ。
「舜!!!!!」
「はたして腕一本で勝てるのか?おい!!!」
「確かに左腕は使えねえ・・・だけど、それはオレの敗因にはならないんだよ!!!!」
ゴドゴォ!!!!!
「奴」の顎に衝撃が走り、脳が揺れる。
地面から青龍が飛び出し、アッパーカットを命中させたのだ。
「不意打ちなら召喚獣も行けるだろ?ケルたち出される前にたたみかけるぞ!!!!」
ドゴゴゴゴッガン!!!!
蒔風を含めた総勢八人の攻撃に「奴」の身体が切り刻まれる。
だが「奴」も下がらない。
ゴォウ!!と腕を振るって八人を弾き飛ばし、ケルベロスたち出そうとする。
だが・・・・
ドスドスドスッ!!!ズシャアッ!!!!ザザザザザン!!!!!
紫苑、秋蘭の矢が額、胸、腹と突き刺さり、翠、星の槍が両肩を貫く。
さらに愛紗、鈴々、恋、思春の刃が「奴」の肢体を斬り出した!!!
「んなぁ!?くっ!!!!」
「奴」の手足がズルリと元に戻ろうとした。
だが、この好機を蒔風が逃すわけがなかった。
「一刀ぉ!!!!行くぞ!!!!」
「ああ!!!舜!!」
【KOIHIME†MUSOU】-WORLD LINK- ~WEPON~!!
すべての武器が一刀の元へと集結する。
剣、弓、槍、さらには蒔風の十五天帝までもが一刀の周りを回り出した。
「行くぞ・・・・皆と一緒に・・・・出会えたことが、オレの力になる!!!!!」
一刀と蒔風が「奴」に突っ込み、そのすべての武器で攻撃する。
斬り、突き、薙ぎ、貫き、刺し、潰し、捻り、抉った。
そして最後に二人が同時に「奴」を斬り、その体中から血を噴き出して宙に上がる。
「止めと行くぞ・・・・準備はいいか!!!!!」
「ああ!!!!」
【KOIHIME†MUSOU】-WORLD LINK- ~FINAL ATTACK~!!
二人が一緒に十五天帝を握る。
するとそれにすべての武器がひっついていき、巨大な大剣へと姿を変えた!!!
「願いを翼に!!!力を放て!!!行くぞ・・・・これからの物語のために!!!!」
ドバゥ!!!!!
蒔風の背の翼が雄々しく羽ばたき、二人が「奴」に剣を構えて突進する!!!!
ズガッ!!!
そして「奴」の身体を刺し貫いた。
その背かどうかもわからない反対側から十五天帝の切っ先が見える。
次の瞬間ッ!!!!
ドバガァッ!!!!!
傷口だけではなく、「奴」の全身から全員の武器が内部から突き出し、その体をズタズタにする。
もはや肉片とも呼べない形になってしまった「奴」の身体がうっすらと消えゆき、そして消える寸前に大爆発を起こす。
その爆発を背に蒔風と一刀が戻る。
一刀が蒔風に肩を貸し、ヨタヨタと歩いてくる姿に、みんなが安堵し、駆け寄っていった。
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「こんなもんでいいよ、ありがとう」
蒔風が学園の保健室で治療を受ける。
だがこの学園、今は誰一人としておらず、戦闘のことも外に漏れていないようだ。
「まあ知られてても何とかごまかすよ」
というのは一刀である。
治療してくれたのは月だが、一刀はここまで付き添ってくれたのだ。
「ほ、本当に大丈夫なのでしょうか・・・・まだまだいっぱい怪我があるのに・・・・」
「悪いな、月ちゃん。これだけでも十分おにーさん癒されました」
「メイド的な意味で?」
「メイド的な意味でだ」
ガラガラガラ
そこに保健室の扉が開き、星が入ってきた。
「皆の様子はどう?」
「皆、新たな世界に興味津々ですな。いや、知識がドンドン頭に流れ込んできたからよかったものの、そうでなかったら相当混乱したでしょうな」
「それ便利だよな。蒔風さんもたくさん助けられてます」
この世界にやってきた彼女らにとってすべてが初めての物だった。
テレビや携帯などと言った電子機器はもちろんのこと、学校や寮といった建物から、果ては水道や道路までもが違うのだ。
この世界に関する基本知識が流れ込んでこなければノイローゼで倒れてしまうだろう。
「時に・・・・もう行かれるのですかな?」
「次の世界に?ああ、そうなるな」
「では行きましょうぞ」
「は?」
「私も行きます、と言ったのです。よもや私を置いていくつもりではないでしょうな?」
その星の発言に蒔風がため息をついて顔に手を当てた。
「悪いが連れて行く気はない。この世界の物語にはお前がいてこそだろ?」
「それはそうかもしれませんが、知った事ではございませぬなぁ。そも、私の物語は私が決めます故」
星はどこまでも星だった。
だが蒔風は認めない。
「それでもお前をここから連れ出すわけにはいかないんだ。お前はこの世界の住人だ。お前の世界はここにあるんだ。そんなところからイレギュラー(オレ)が勝手に連れ出すわけにはいかない」
「それでは・・・・置いていかれる私はどうすればいいのですか!!あなたを思い、たった一人でこの世界で胸を焦がしていろというのですか!?」
星が叫ぶ。
その眼は潤む。
どれだけ恐ろしい敵を前にしても臆することのなかった少女が、未来の自分の姿を考えて恐れて泣いた。
「だから言っただろ?・・・・・オレに惚れてもロクなことがない・・・・ってな」
[Gate Open---KOIHIME†MUSOU]
「ま、待ってくれ!!」
「なんだよ一刀」
「星を・・・・連れて行ってやってくれ!!!」
「無理。じゃね」
蒔風はどこまでもそっけない。
そんな蒔風の背中を掴み、星が言った。
「いいでしょう・・・・あなたは世界をめぐる・・・ならば私もその方法を探しましょう。そしてあなたに追いついて見せる!!!!」
「できねえよ。オレがめぐる世界層はかなりの高層になる。外史とかの比じゃねぇぞ」
「それでも、追いついて見せます。恋する乙女は恐ろしいのですよ?貂蝉でも主でもなんでも使ってでも、あなたに追いついて見せる・・・・・・!!!!」
「やめとけやめとけ」
そう言って蒔風がゲートに歩く。
「オレは異端者だ。その領域に踏み込むことはオレが許さない、ッてかして欲しくない。オレのために・・・・世界からハブられる奴なんか見たくないんだ」
「舜・・・・・」
「と、言うわけで蒔風さんはここでバイなら~~」
そう言いながら蒔風がくるりとターンして言った。
「やはり愛紗の方が大きいな・・・・いや、あのごめ・・・うをおおおお!?」
「早く行ってしまえええええええ!!!!!」
イスを投げつけようと持ちあげた星に追い立てられるように蒔風がゲートに消える。
それを見届け、静かに椅子を下ろしてそれに座る星。
「よかったのか?」
「ふ、次に会った時にもっといい女になって今の事を後悔させてやりますよ・・・・ふふ、ふふふふふ・・・・・・う・・・あっはっはっはっはっは!!!!!!」
そう言って笑いながら保健室を出て行く星。
「無理しちゃって・・・・」
「でも、あの人はまた来るんですか?」
「それはわからないよ。でもこの世界はどうやら俺の都合よくなってくれるところはまだあるみたいなんだ。そしてオレの「都合がいい」の中には星の笑顔と蒔風の幸せもある。だから・・・・・」
「ふふっ、お優しいですね、ご主人様は」
「ありがとう月。さ、俺たちも行こう。みんなにこの世界のいろいろなことを説明しなきゃいけないしな。知識だけじゃわからないだろうし」
そう言って一刀と月も出て行く。
保健室が静かになり、この世界はより一層にぎやかになっていくだろう。
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黒い化け物が空や街を蹂躙する。
戦いは終わり、世界は破滅へとゆっくり進んでいった。
戦いの勝者は「ジョーカー」
彼の勝利に残るものなし。
だが、世界はそう簡単に決まらない。
この世界の戦士が、それをさせない。
友を救うために、仮面の戦士は今日も変身し、その身をひとならざる物へと変えて行く。
《turn up》
「始・・・・・お前の運命は、オレが変える!!!!」
to be continued
後書き
アリス「ついに終わった恋姫の世界・・・・」
長かったねぇ
そしてぶっちぎったなあいつ。
ア「女性を泣かせるとは許されん奴だ」
アリスさん?
ア「消えてしまえ・・・・」
ちょ、人が変わってる!?
【恋姫†無双】
構成:"no Name"50%
"LOND"20%
"フォルス"20%
"ライクル"10%
最主要人物:北郷一刀
-WORLD LINK- ~WEPON~:一刀に全武器譲渡&使用可能
-WORLD LINK- ~FINAL ATTACK~:総てを十五天帝につぎ込み、斬った後に拡散させる。
次回はまたまたライダーですね!!!
ア「最近ライダー頻度多くないですか?」
いや、あの・・・・・世界回る順番とか最初は決めてたんだけどだんだんずれてきてそれで・・・・・
ア「つまりは消化しきれてないのをここで一気にやるってことですか?」
オウイエス
ア「この無計画!!!!」
すみません!!!
あああとですね、WORLD LINKの音声、マーク・大喜多さんをイマージしてください。
ア「あれ音声入ってたんですか!?」
友人にも同じこと言われました。
それにキーワードにもあるように、これは「ディケイドっぽい」ですから!!!
ア「どっから聞こえてくるんでしょう?」
さぁ・・・・・どこからだろうね?
全然考えてないや。
ア「次回、破滅へと向かう世界?」
ではまた次回
アンデッドはすべて封印した・・・・・
お前が最後だ・・・・・・・ジョーカー!!!!
・・・俺とお前は・・・・・・・
戦う事でしか解り合えない!!!!!
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