聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
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614部分:第八十八話 四騎士その四
第八十八話 四騎士その四
「まあ聖衣は着てねえがな。相手になってやってもいいぜ」
「生憎だが我等狂闘士は神の僕は衣をまとった相手としか拳を交えぬ」
「それは知らなかったようだな」
「それは我々と同じということだな」
シュラは彼等のその話を聞いて呟いた。
「つまりは」
「そういうことだ」
「それはわかったな」
「へっ、折角その五月蝿い口を黙らせてやれると思ったんだがな」
デスマスクはその彼等に対してこう言うのであった。
「まあいい。逃げたいのなら逃げるんだな」
「逃げはしない、それはだ」
「我等は我等の責を果たしに行くだけだ」
「それだけだ」
逃げるということは彼等も否定する。そうして告げるのである。
「我等も狂闘士だ、逃げることはしない」
「敵に背を向ける者はアーレス様の僕ではない」
「それは言っておこう」
「では。ここに聖衣があります」
アフロディーテは己の前に聖衣の箱を呼び寄せてきた。ピスケスのその箱はそれ自体が黄金色に輝き凄まじいまでの小宇宙を出していた。
「相手をしましょうか、私が」
「それも一興、しかしだ」
彼のその言葉にファウストが悠然と笑って返す。
「今はそれよりもだ」
「言った筈だ、我等の責を果たさせてもらう」
「そういうことだ」
イシュティスとメンデスも言う。
「それではだ。黄金聖闘士達よ」
「また会おう」
四人の姿が赤い霧の中に消えていく。何処からか出て来たその霧の中にである。
「何時かこの剣を見せてくれよう」
エノクが消える中で彼等に告げる。
「それではその時までだ」
「消えたか」
カミュはそれを見届けたうえで述べた。
「それで終わりだというのだな」
「少なくとも今はだ」
アルデバランが重厚な声で言ってきた。
「しかしだ。これで終わりではない」
「小宇宙を感じます」
ムウは既にそれを察しにかかっていた。その探る顔での言葉である。
「ここから暫く行った神殿の中にです」
「あの神殿は」
「そうだな」
アイオロスとサガも察している顔になっている。その顔でのそれぞれの言葉である。
「アーレスの神殿だ」
「やはりそこか」
「アーレスの神殿。それならばだ」
ミロはそれを聞いて述べた。
「やはりそこから地下に入りか」
「そうだな。そしてそこにあの四人がいる」
アイオロスも怪訝な顔で言う。
「四騎士が」
「アイオリア、それだけではありませんよ」
その彼にムウが声をかけてきた。そうしてこう言うのであった。
「貴方も感じますね、彼等を」
「これは・・・・・・アスモデウスか」
かつて拳を交えたあの男のものだった。間違いなかった。
「他にもいるな」
「あの蝿野郎もいるな」
「ベールだ、間違いない」
「アスタロトですね」
「モロクか。いるな」
「ベリアル、あの男もまた」
「いるか、サタナキア」
それぞれの相手の気配をはっきりと感じ取った彼等だった。間違いようのないまでに凄まじい小宇宙を感じ取ってだ。それぞれ言ったのである。
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